― 楽しい場を壊さないために知っておくべきこと ―
年末年始になると、多くの企業や団体で開催されるのが「忘年会」や「新年会」です。仲間や上司、同僚と共に一年を振り返り、新しい年を祝うこれらの行事は、職場の人間関係を深める大切な機会でもあります。
しかし一方で、飲み会の場が「アルコール・ハラスメント(アルハラ)」や「セクシャル・ハラスメント(セクハラ)」の温床となってしまうことも少なくありません。せっかくの楽しい時間が、ある人にとっては苦痛や不快な体験になってしまうのです。
本記事では、忘新年会に潜むアルハラ・セクハラの具体例と、その問題点、そして健全で楽しい会にするための工夫について詳しく解説します。

アルハラとは、アルコールに関連する嫌がらせや強要行為のことを指します。代表的な例としては以下のような行為があります。
特に忘新年会では「せっかくだから」「今日は特別だから」といった空気が生まれやすく、つい普段以上にお酒を勧めてしまう傾向があります。しかし、体質的にお酒が飲めない人もいれば、健康上の理由で制限している人もいます。強要は相手の身体や心を傷つける危険な行為であり、立派なハラスメントです。
アルハラは「楽しい場を盛り上げる行為」と誤解されがちですが、実際には深刻なリスクをはらんでいるのです。

飲み会の場で頻発するもう一つの問題がセクハラです。セクハラは、性的な言動によって相手を不快にさせたり、職場環境を悪化させたりする行為を指します。忘新年会で起こりやすいセクハラの例を挙げてみましょう。
これらは一見「軽い会話」「冗談」と受け取られるかもしれません。しかし、受け手が不快に感じた時点でセクハラとなり得ます。特に上下関係のある職場では、部下は「嫌です」と断りづらいため、表面化しにくいのが実情です。
「ちょっとした会話のつもりだった」が、相手にとっては耐え難い苦痛になり得ることを忘れてはいけません。
実際の飲み会の場では、アルハラとセクハラが同時に発生するケースも少なくありません。
アルハラによって相手の判断力を鈍らせ、その隙にセクハラ的言動が行われるのは非常に危険です。このような事態を未然に防ぐためには、参加者一人ひとりが意識を持つことが重要です。

飲みたい人は飲む、飲めない人は飲まない。それを当たり前に受け入れる雰囲気づくりが必要です。「ノンアルコール飲料」や「ソフトドリンク」の選択肢を用意し、飲めない人も気兼ねなく楽しめる環境を整えましょう。
「彼氏いるの?」「結婚は?」といった質問は、相手を困らせる可能性が高いため避けるべきです。話題は趣味や旅行、仕事の成果など、誰もが安心して話せる内容を選ぶとよいでしょう。
場を仕切る立場の人が「無理に飲ませない」「不適切な発言は避ける」と姿勢を示すことで、安心感が生まれます。幹事が場の空気を整える役割を果たすことが、トラブルを防ぐ大きな鍵となります。
万が一、アルハラやセクハラが発生した場合には、「冗談だから」で済ませず、その場で注意することが大切です。見て見ぬふりは、被害を拡大させる要因になります。
忘新年会の目的はあくまで「交流」と「慰労」です。誰かを傷つけたり、不快にさせたりすることは本来の趣旨から大きく外れています。全員が気持ちよく翌日を迎えられるように、節度を持って楽しむ意識が必要です。
忘年会や新年会は、職場の仲間との絆を深める大切なイベントです。しかし、楽しい場であるはずの時間も、アルハラやセクハラが生じれば、一瞬で不快なものに変わってしまいます。
この3つを意識するだけでも、会の質は大きく変わります。
「お酒の力で楽しむ」のではなく、「人と人とのつながりを楽しむ」。これが本来の忘新年会の姿ではないでしょうか。
互いを尊重し合い、笑顔で終われる会を目指していきましょう。