【電話対応】 緊急時でも慌てず相手を落ち着かせる電話対応の実例 【ビジネスマナー】

電話対応の極意 ~緊急時の電話対応~

ビジネスにおいて、電話は最も基本的かつ重要なコミュニケーション手段のひとつです。特に緊急時の電話対応は、迅速かつ的確な対応が求められます。適切な対応ができるかどうかで、問題の解決がスムーズになるか否か、さらには企業の信頼にも関わってきます。今回は、緊急時の電話対応における「悪い例」と「良い例」を比較しながら、電話対応の極意について詳しく解説していきます。

1.緊急時電話対応の重要性

緊急時とは、交通事故や急病、設備トラブルなど、すぐに対応が必要な事態を指します。こうした状況下での電話は、情報が錯綜しやすく、当事者も動揺していることが多いです。だからこそ、電話を受ける側は冷静に状況を把握し、的確に対応することが求められます。

電話対応の第一歩は、相手の話をよく聞くこと。慌てて相手の言葉をさえぎったり、勝手に判断してしまうと、正確な情報が得られず対応が遅れる原因となります。反対に、冷静に聞き取り、的確な質問を投げかけることで、問題の本質を迅速に把握でき、対応策を立てやすくなります。

2.悪い例から学ぶ電話対応の問題点

以下は、実際にあった緊急時電話対応の悪い例です。

悪い例

A:「やばいやばいやばいよやばいよ」
B:「ありがとうございます。○○商事、田中でございます」
A:「課長!中澤です。やばいです」
B:「なんだよ、そんな慌てて」
A:「事故りました。やばいです」
B:「事故?どこで?相手は?けが人は?」
A:「壁です、壁ですよ」
B:「壁?なんだそりゃ。単独事故って事?壁に車で突っ込んだって事?何やってんだよ、まったく。場所は?ケガしてないか?大丈夫か?おーい?聞いてる?単独事故で相手いないんだな?場所はどこだ?おーい、おーい?聞こえてる?とにかくまず警察に電話しろ。おーい、中澤君?」
(Bが電話を切る)
A:「あ、はい。わかりました」

2.悪い例から学ぶ電話対応の問題点

このやりとりの問題点は次の通りです。

  • 相手の状況を理解しようとせず、感情的に叱責している
    Bは相手の慌てぶりを責めるような態度を取り、落ち着いて話を聞こうとしていません。
  • 相手の話を遮り、質問が矢継ぎ早で混乱させている
    質問が一方的で、相手が冷静に答えられる状況を作れていません。
  • 無理に話を続けさせ、相手の精神的なフォローがない
    「おーい」と繰り返すなど、相手にプレッシャーをかけてしまっています。
  • 突然電話を切ってしまい、相手に不安を与えている
    急に電話が切れることで、相手は見捨てられたような気持ちになる可能性があります。

このような対応は、相手の信頼を失い、問題解決を遅らせるだけでなく、場合によってはトラブルを悪化させてしまいます。

3.良い例に見る理想的な緊急時電話対応

続いて、良い例を見てみましょう。

良い例

B:「お電話ありがとうございます。△△会計事務所、山田でございます」
A:「あー、山田さん。中澤です」
B:「お疲れ様です」
A:「お疲れ様です。ちょっとやばいこと起こしちゃいまして」
B:「どうされました?」
A:「事故っちゃいました。結構大きく事故っちゃった。どうしよう」
B:「大丈夫ですか?」
A:「いやぁ、大丈夫ではないです。結構精神的にきてます。どうしたらいいですかね。まずいですよね。やっちゃいました」
B:「中澤さん、怪我はしてないですか?」
A:「怪我はないです。でもやばいな、どうしよう」
B:「どんな事故ですか?何とぶつかりました?」
A:「フェンスです、フェンス。近くの駐車場のフェンスを。あぁーまずいなぁ」
B:「中澤さん、警察には?110番は電話しました?」
A:「今さっき事故したばっかりで、まだそこまで頭回っていなくてしてないですね」
B:「わかりました。そしたら警察に電話できますか?110番です」
A:「はい、ちょっとやってみます」
B:「わかりました。じゃあ警察に連絡してもらって事故の届け出をしてもらって、落ち着いたらまた会社に電話ください。それでまた詳しい話聞きますので」
A:「かしこまりました。ありがとうございます」
B:「はい、落ち着いて。またじゃあ電話ください」
A:「はい、ちょっと落ち着きました」
B:「はい、失礼します」
A:「失礼します」

3.良い例に見る理想的な緊急時電話対応

このやりとりから学べるポイントは以下の通りです。

  • 相手に対して丁寧で安心感のある対応をしている
    始めの挨拶から相手の名前を呼び、丁寧な言葉遣いを心がけています。
  • 相手の話を遮らず、共感や確認の言葉を入れている
    「大丈夫ですか?」や「怪我はしてないですか?」など、相手の状況に寄り添っています。
  • 冷静に状況を把握し、必要な情報を的確に聞き出している
    事故の内容や状況を具体的に尋ね、次に何をすべきか指示しています。
  • 相手が落ち着くよう促し、精神的なフォローも行っている
    「落ち着いて」「また電話ください」と優しく励ましています。
  • 適切な指示を伝え、相手の自主性も尊重している
    警察への連絡を促しつつ、相手に行動の決定権を与えています。

4.緊急時電話対応のポイントまとめ

緊急時の電話対応で押さえておきたいポイントを以下にまとめます。

1. 落ち着いて丁寧に対応する

どんなに相手が慌てていても、自分は冷静さを失わず、敬語を使って丁寧に対応しましょう。相手の名前を呼ぶことも重要です。名前を呼ばれることで、相手は「自分をちゃんと見てくれている」と感じ、安心感を得られます。

2. 相手の話をよく聞き、途中で遮らない

相手が話すことを遮ると、必要な情報が抜けてしまったり、相手の不安が増したりします。まずは相手に話し切らせ、適宜共感や確認の言葉を挟みましょう。

3. わかりやすく的確に質問をする

必要な情報を得るために、聞くべきことは具体的に質問します。例えば、「事故の場所はどこですか?」「けが人はいますか?」など、わかりやすい質問を心がけましょう。

4. 相手の精神的なケアを忘れない

緊急時は相手がパニック状態になっていることが多いので、「落ち着いてください」「大丈夫ですよ」といった励ましの言葉も重要です。

5. 次の行動を明確に指示する

「警察に電話してください」「救急車を呼びましょう」など、必要な行動を具体的に伝えます。その際、相手の状況に応じて指示の仕方を変える柔軟さも求められます。

6. 電話を途中で切らず、最後まで丁寧に対応する

途中で電話を切ると相手は不安になります。相手が落ち着くまで寄り添い、最後まで責任を持って対応しましょう。

5.まとめ

緊急時の電話対応は、企業の信用に直結する重要な業務です。今回ご紹介した悪い例と良い例を通じて、電話対応の極意は「冷静さ」と「相手への思いやり」であることがお分かりいただけたかと思います。

5.まとめ

特に緊急時は、相手が混乱しやすく、情報の聞き取りやすさ、精神的なフォローが非常に重要です。電話対応者は、声のトーンや言葉遣いを意識し、相手の話をよく聞く姿勢を持つことが大切です。

また、的確な質問や指示を行い、問題解決に向けて相手を導くことも忘れてはなりません。電話対応スキルは日頃の訓練や経験を積むことで向上しますので、緊急時に備えて普段から意識的に取り組みましょう。