【電話対応】電話クレーム対応③ ~相手の怒りにつられないことの大切さ~
クレーム対応は、ビジネスマナーの中でも特に難易度が高い分野の一つです。日常の業務連絡とは違い、相手が強い感情を抱いているケースが多いため、普段以上に冷静さと丁寧さが求められます。その中でも大切なのは「相手の怒りにつられないこと」です。本記事では、なぜそれが重要なのか、また具体的な対応の工夫について丁寧に解説していきます。

電話でのクレーム対応は、顔が見えない分、声のトーンや言葉遣い一つで相手の受け止め方が大きく変わります。相手が強い怒りをぶつけてくると、ついこちらも感情的になってしまいがちです。実際、人格否定のような心ない言葉を浴びせられることもあります。その瞬間、私たちも心を乱され、声が荒くなったり、早口になったりしてしまうことがあるでしょう。しかし、そのように相手の感情に巻き込まれてしまうと、事態はますます悪化してしまいます。
大切なのは「冷静さ」を保つことです。相手がどれほど感情的になっていても、こちらは一貫して落ち着いた態度を示すことが求められます。そのうえで、可能であれば声のトーンをやわらかくし、にこやかに話す工夫を取り入れることが有効です。電話口では表情は見えませんが、笑顔で話すと声の響き方に自然と温かみが生まれ、相手にも安心感を与えることができます。
たとえば、相手が悲しそうな声を出したときには「そうだったのですね……」と、少し同情を込めた響きで返すと、気持ちに寄り添っていることが伝わります。一方で、相手が強い怒りをぶつけてきたときにも、早口で言い返したり、語気を強めたりせず、「そうだったのですね」と落ち着いた口調で応じることで、相手の気持ちが徐々に落ち着いていく効果が期待できます。
人間は無意識のうちに、相手の態度や感情に影響されやすい性質を持っています。これを心理学では「同調効果」と呼びます。相手が怒っていれば、こちらもつられて感情的になりやすく、反対に、こちらが落ち着いて対応すれば、相手も徐々にトーンダウンしていく傾向があります。
つまり、相手の怒りに飲み込まれず、あくまで冷静でにこやかな対応を続けることが、結果的にクレームを早く解決へ導くことにつながるのです。どれだけ自分が冷静さを保ち、相手を自分のペースに引き込めるかが、クレーム対応の大きな鍵となります。
相手につられないためには、言葉遣いにも細心の注意が必要です。特に避けるべきなのは「D言葉」と呼ばれるものです。ここでいう「D言葉」とは、相手を否定したり、突き放したりするような言葉のことを指します。
たとえば、自分に直接責任がないケースであっても「それは私には関係ありません」「担当者が悪いので」といった態度を取ってしまうのはNGです。クレーム対応においては、担当者本人でなくても、会社の一員として誠意を持って対応することが不可欠です。「関係ない」という態度を示した瞬間、相手の怒りはさらに増幅してしまうでしょう。
適切なのは、「この度はご迷惑をおかけし申し訳ございません。詳細を確認いたしますので、少々お時間をいただけますでしょうか」といった形で、まず誠意を伝えつつ、冷静に事実確認へつなげていくことです。

では、実際に怒っている相手からの電話を受けた際、どのように対応していけばよいのでしょうか。以下の流れを意識すると良いでしょう。

クレーム対応で最も大切なのは、「相手の怒りに巻き込まれない」ことです。人格否定のような言葉を浴びせられることもあるかもしれませんが、そのたびに感情的になってしまっては、事態は悪化するばかりです。冷静さを保ち、にこやかな声で相手に寄り添い、誠意を持った対応を続けることで、相手の気持ちを落ち着かせることができます。
クレームは会社にとって貴重な改善の機会でもあります。怒りをぶつけてくる相手の背後には、必ず不満や不安が存在します。それを冷静に受け止め、誠意をもって対応することが、信頼関係を築く第一歩となるのです。