【療育とは何か】 知らないまま障害のある子を支援してませんか?

今回は日本における療育と発達支援について取り上げます。
療育の主な目的は、障害の軽減だけでなく、育つ力の育成と暮らす力の準備です。
さらに、親や家族への育児支援や子供が育つ地域の整備も含まれます。

療育は、障害のある子供たちの障害を改善することを目的とした医学モデルとして発展してきました。
しかし、国連障害者の十年以降、地域での生活や成長を社会全体で支える生活モデルが求められるようになりました。
このため、療育は子供の発達だけでなく、家族への支援や地域社会のインクルージョンを目指す発達支援という概念に発展してきました。

今回の記事では、療育から発達支援への理念的変化とその意義について説明します。

療育から発達支援への理念的変化

療育から発達支援への理念的変化

東京大学整形外科教授であり、整肢療護園の初代園長であった高木憲次は、肢体不自由児の社会的自立を目指すチームアプローチを「療育」と名付けました。
彼は「療育とは、時代の科学を総動員して不自由な肢体を克服し、それによって回復したら、その肢体の回復能力を最大限に活用し、自活の道を立てるように育成すること」であると定義しました。

当初、療育は肢体不自由児や中枢・末梢神経、骨、関節、筋などに障害を持つ子供を対象とし、多職種のチームアプローチによる支援とされていました。
その後、北九州市立総合療育センターの初代所長、高松鶴吉は、療育の対象を知的障害自閉症などの発達障害にも拡大し、特別に設定された子育てと育児支援の重要性を強調しました。

平成7年12月、知的障害、肢体不自由、難聴の三種別通園療育懇話会が発達支援センター構想を発表し、発達支援の概念を初めて提唱しました。
その後、平成15・16年度の厚生労働科学研究では、療育は障害のある子どもやその可能性のある子どもが地域で育つときに生じる様々な問題を解決する努力のすべてを含み、その目標は成人期の豊かな生活であると公的に定義されました。

発達支援の概念

発達支援の概念

発達支援とは、障害が確定していない段階の子供から、歩く・話すことが困難な重度の障害を持つ子供まで、豊かな人生を送ることができるように支援する概念です。
これは、障害が確定した子供への治療教育である「療育」が目指してきた障害の軽減・改善という医学モデルを超えて、子供の自尊心や主体性を育てながら発達上の課題を達成し、成人期に豊かな生活を送ることができるようにする広範な支援です。

発達支援の特長としては、小児を対象にした医療的リハビリテーションや障害の軽減のための訓練ではなく、地域社会で暮らせる様々な能力の獲得を目指します。
また、障害が確定していない段階の子供も支援対象とし、保護者や家族が育児や生活の中で実践できる技法や関わり方を指導することが重要です。

以上が、療育から発達支援への理念的変化とその意味についての説明でした。