暇で苦しくなる気持ち

暇で苦しくなる気持ち

暇は本当に苦しいものなのか

~「暇を享受する」という新しい視点~

「暇な時は、暇をしっかり享受してほしい。暇を楽しんでほしい。」

私はこの言葉を真剣に伝えたいと思っています。

多くの方が「暇はつらい」「何もすることがないと不安になる」と口にします。確かに、やるべきことが見つからず、時間を持て余すと、どこか心が落ち着かず、焦燥感にかられることもあるでしょう。では、本当に暇は苦しいものなのでしょうか。今回はこのテーマについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

暇が苦しいと感じる背景

私たちは小さな頃から「勤勉であることは美徳」と教え込まれてきました。宿題は早めに済ませなさい、計画的に勉強しなさい、無駄に過ごしてはいけない──。そういった教育の積み重ねによって、「常に何かをしていなければならない」という意識が根づいています。

そのため、何もせずに過ごしていると「怠けているのではないか」「自分は価値のない人間なのではないか」と罪悪感を覚える方が少なくありません。真面目で努力を重ねてきた人ほど、この傾向は強くなります。

しかし、よく考えてみてください。忙しさに追われる日々の中で、何もせずにゴロゴロすることは本当に悪いことでしょうか。

私は「暇が好き」

私は「暇が好き」

私は正真正銘、暇が大好きです。何も予定がなく、家でゴロゴロしている時間がとても心地よいのです。好きなときにご飯を食べ、眠たくなったら寝る。体を動かしたくなったら散歩をする。そうした「自由に流れる時間」こそ、私にとっての最高の贅沢です。

もちろん「そんなのは自分勝手に聞こえる」と思う方もいるでしょう。けれど、これは単なる怠惰ではありません。むしろ「暇を楽しめる心の余裕」と言ってもいいのではないでしょうか。

暇を苦しむ人は真面目な人

暇を苦しむ人は真面目な人

精神科を訪れる方々の中には、「暇だと苦しい」と訴える方が多くいます。彼らは決して怠け者ではなく、むしろ誠実で真面目な方ばかりです。

「自己研鑽をしていないと、自分の存在価値がない気がする」

「働いていないと、人として駄目になってしまう」

そう思ってしまうのは、幼い頃から人の言うことをよく聞き、社会のルールを守って努力してきた証です。その真面目さは尊いものであり、決して否定されるべきものではありません。

ただし、その真面目さが行き過ぎると、「暇」という状態そのものが不安や苦痛に変わってしまうのです。

「暇を享受する」ことの大切さ

「暇を享受する」ことの大切さ

ここで考えていただきたいのは、「暇であることは悪ではない」ということです。

たとえば、誰かにご飯をご馳走になったとき、「すみません、申し訳ないです」と繰り返されると、奢った側はむしろ気まずくなりますよね。逆に「ありがとう!美味しい!」と笑顔で食べてもらえた方が、奢った側も嬉しいのです。

暇も同じです。国の制度を利用して生活保護を受けている人、傷病手当を受けて休職している人、親に支えてもらって生活している人──。その状況を「申し訳ない」と思い続けて過ごすのではなく、「支えがあるからこそ安心して休める」と受けとめてほしいのです。

支える側も、休んでいる本人が心からリラックスし、暇を楽しんでいる姿を見られる方が、きっと嬉しいはずです。

暇を楽しむ具体的な方法

では、暇を「苦しみ」ではなく「楽しみ」に変えるにはどうすればよいのでしょうか。いくつかのヒントを挙げてみます。

昼寝をする

体が求めるままに眠ることは、心身の回復につながります。

散歩をする

外の空気を吸い、季節の移ろいを感じるだけでも、気持ちは軽くなります。

植物を育てる

水をやり、芽が伸びていくのを眺めることは、時間の豊かさを感じさせてくれます。

ゲームや趣味に没頭する

後ろめたさを捨て、思う存分楽しむこと。罪悪感を持たずに遊ぶことが重要です。

こうした小さな行動を通して、「暇=悪」という固定観念を少しずつほぐしていくことができます。

暇を「羨ましい」と思う声

私が「暇が好きだ」と話すと、多くの人は最初は信じてくれません。「そんなの嘘だろう」「冗談だろう」と笑われることもあります。

しかし、長く付き合っていくと、「実は羨ましい」「自分も変われるなら変わりたい」と言ってくれる方が増えていきます。次第に「暇=悪」という考えが和らぎ、「暇も悪くないかもしれない」と中庸な感覚へと落ち着いていくのです。

まとめ:暇を罪悪感ではなく、贈り物として受け取ろう

まとめ:暇を罪悪感ではなく、贈り物として受け取ろう

「暇は苦しい」と感じる人の多くは、真面目で責任感の強い人です。しかし、せっかく与えられた時間を罪悪感の中で過ごすのは、あまりにももったいないことです。

暇とは、決して価値のない時間ではありません。心と体を癒し、自分の本当にやりたいことに耳を傾けるための、大切な贈り物です。

ですからどうか、暇な時はその時間をしっかり享受してほしい。そして、自分のペースで楽しんでほしいのです。私はそれを、冗談ではなく心から真剣に伝えています。