若さって武器なんでしょうか?

若さは本当に武器なのか?―44歳の私が考える「若さ」とは

若さは本当に武器なのか?―44歳の私が考える「若さ」とは

「若さは武器だ」とよく言われます。失敗してもやり直しがきく、未来には無限の可能性がある、体力も気力も充実している――そんなイメージを多くの人が抱いているのではないでしょうか。しかし実際に人生を歩んでみると、「本当にそうだろうか?」と疑問を抱く瞬間も少なくありません。私自身、現在44歳になり、若さを振り返りながら、また今の自分の立場から若者を見て、「若さは本当に武器なのか?」と考えることがあります。

若さを「武器」と感じなかった自分

私は幸いなことに、これまで大きな体力の衰えを感じることはありませんでした。夜更かしもできますし、眠くなればすぐに寝てしまうのも昔からの習慣です。振り返ると、若い頃に「ガッツに満ちあふれていた」とか「エネルギッシュだった」という自覚もあまりありません。今と比べて特別に能力が高かったわけでもなく、むしろ年齢を重ねた今の方が、同じことを話していても周囲から信頼を得られるようになった実感があります。

つまり、私にとって若さは必ずしも「武器」ではありませんでした。年齢を重ねることで得られる信頼や重みの方が、むしろ大きな力になっているのです。

若いことのメリットは「選択肢の多さ」?

若いことのメリットは「選択肢の多さ」?

世間一般では「若い時期は選択肢が多い」と言われます。何者にでもなれる可能性があり、失敗してもやり直しがきく、と。確かにそうした側面はあるでしょう。しかし考えてみると、中年にも同じことが言えます。40代でも50代でも、挑戦して失敗し、そこから立ち直る力は十分に備わっています。

ただし、中年以降になると健康の問題が現れやすくなります。女性では乳がんや子宮がんといった病気、男性では生活習慣病や腰・膝の痛みといったトラブルが増えてきます。こうした健康上の制限は、若い時代には少ないものです。その意味で「若さの強み」は、制約の少なさにあるのかもしれません。

若さは「失敗する権利」か?

若さは「失敗する権利」か?

「若いからこそ失敗できる」「年長者がフォローしてくれる」――こんな言葉もよく耳にします。しかし実際には、必ずしも恵まれた環境で失敗を受け止めてもらえるわけではありません。若さを理由に失敗を許される人はごく一部で、多くの若者は厳しい競争や期待にさらされながら生きています。

では「若さは武器か?」と問われると、私はやはり首をかしげてしまいます。

若さが「輝いて見える」理由

若さが「輝いて見える」理由

とはいえ、若さには確かに特有の輝きがあります。10代や20代の若者を見ると、周囲からは「キラキラしている」と映ります。子どもたちは、まだ何者かになる可能性を秘めており、そこに無限の未来を重ね合わせてしまうのです。

例えばスポーツの世界。20歳のルーキーと、40歳のベテラン選手が同じ実力を発揮していても、若い方がより「未来を感じさせる」存在として注目されます。ベテランの持続力も素晴らしいのですが、どうしても「先は短い」と思われがちです。これこそが、若さの持つ「外からの評価」による輝きでしょう。

若さと競争の残酷さ

しかし、輝いて見える若者たちが実際に楽をしているかといえば、決してそうではありません。むしろ10代・20代こそが熾烈な競争社会の真っただ中にいます。

中高生は勉強や部活動で同じ基準にさらされ、互いに順位を競います。大学や社会に出てからも、新人として横並びの中で評価を受けます。つまり、若い時期は「同じ尺度で比べられる」苦しさがあるのです。

一方、30代・40代になると人それぞれの役割が異なり、競争の基準も多様化します。その意味では、中年以降の方がむしろ気楽で自由な生き方ができるとも言えるでしょう。

若さは武器ではなく「幻想の輝き」

以上を踏まえると、若さは必ずしも「武器」ではありません。若さそのものが本人に与える実利的な力は少なく、むしろ周囲から「輝いて見える」という幻想的な要素が大きいように思います。

本人たちは競争や不安の中で苦労しているにもかかわらず、外からは「無限の可能性」として羨望の眼差しを向けられる。このギャップこそが、若さの本質なのかもしれません。

中高年以降にこそ挑戦を

中高年以降にこそ挑戦を

だからこそ私は、中高年以降も挑戦し続けてほしいと思います。たとえ健康に制約が出てきても、挑戦や失敗の機会はなくなりません。年齢を重ねたからこそ得られる信頼や経験を活かしながら、新しいことに取り組むことは可能です。

「若さが武器」というよりも、「年齢に応じた強み」が誰にでもあるのだと考えたいのです。

まとめ

若さは確かに周囲から見ればキラキラと輝き、無限の可能性を感じさせます。しかしその実態は、競争や不安の中で懸命に生きる日々であり、本人にとって必ずしも「武器」とは言い切れません。

むしろ年齢を重ねるごとに得られる信頼、経験、そして自分なりの生き方の自由こそ、大きな力となるのではないでしょうか。若さに過度な幻想を抱くのではなく、自分が今立っている年齢の強みを見つけ、そこから挑戦を続ける――それが人生を豊かにする鍵だと思います。