
SNSが日常の一部になった今、YouTubeやX(旧Twitter)、TikTok、Instagramを使っている人はとても多いと思います。これらのSNSにはそれぞれ特徴があり、YouTubeでは顔や名前を出して発信する人が多い一方、Xでは匿名で自由に意見を言えることから、気軽に投稿できる人が増えています。
そんな中でよく問題になるのが、「批判」と「誹謗中傷」です。どちらも相手に対して意見を述べることですが、その意味や目的には大きな違いがあります。今回はこの二つの違いを整理しながら、「伝え方」について考えてみましょう。

まず共通しているのは、どちらも相手に対して「よくない点」を指摘する行為だということです。ですが、その根っこにある思いはまったく違います。
批判
相手をよくしたい、改善してほしいという気持ちで行う指摘。
誹謗中傷
相手を傷つけたい、つぶしてやりたいという気持ちで行う攻撃。
たとえば、動画を出している人に対して
「この部分の説明は間違っていると思います」 → これは批判。
「こいつバカじゃないの?」「草w」 → これは誹謗中傷。
同じ「意見」に見えても、相手への思いやりがあるかないかで全く意味が変わってきます。

発信者にとって、誠実な批判はむしろありがたいものです。
「ここは事実と違うのでは?」「私はこう考える」などの指摘は、内容を見直したり、より良いものを作ったりするきっかけになります。
ただ「すごい!」「面白かった!」と褒めてもらうのもうれしいですが、具体的な意見や批判があることでコンテンツは進化します。言い換えれば、批判は一緒により良いものを作っていくための大切な材料なのです。
一方で誹謗中傷はどうでしょうか。
「この医者何なの?」「こいつの言ってること意味不明」などといった言葉は、相手を改善させる意図がなく、ただ傷つけるだけです。
さらに、本人に直接言わず、他の人のコメント欄や掲示板に悪口を書くのは「陰口」と同じ。言われた本人が改善できるはずもなく、ただ不快感だけが残ります。こうした行為は卑怯であり、何の意味もありません。
批判や苦言は、言い方によって伝わり方がまったく変わります。
たとえば「運転中に動画を撮るのは危ないですよ」と伝えたいとき。
「お前、運転中に動画撮るな!事故ったらどうするんだ!」
→ 相手は反発して聞かない。
「動画、いつも勉強になっています。ただ運転中の撮影は心配なので控えてほしいです」
→ 相手は素直に受け止めやすい。
このように、批判は「相手が聞きやすい形」で伝えてこそ意味があります。強い言葉で一方的にぶつけても、相手は行動を変えてはくれません。
人には「今なら意見を聞ける」「今は無理」というタイミングがあります。忙しかったり、気持ちに余裕がなかったりするときに厳しい言葉を投げても、相手には響きません。
そんなときは、無理に言わずに時間を置きましょう。伝える側の工夫だけでなく、伝える「タイミング」を選ぶことも、コミュニケーションの大切なスキルです。

SNSでは匿名で自由に意見を発信できる分、言葉の責任を忘れてしまう人もいます。しかし、発信者も一人の人間です。毎日一生懸命に動画や記事を作り、社会の役に立ちたいという思いで活動している人も多いのです。
そうした人たちに対して誹謗中傷を投げるのは、ただ努力を無駄にするだけ。意見を伝えるなら、相手への敬意と礼儀を忘れずに 建設的に伝えることが大切です。そうすることで、相手も受け止めやすくなり、お互いが成長するきっかけになります。
SNSは誰もが気軽に発信できる便利な場所ですが、その分トラブルも増えやすいのが現実です。だからこそ、一人ひとりが自分の言葉の力を意識し、相手を思いやった発言を心がけることが大切です。
これからSNSを使っていく中で、意見を言う場面がたくさんあると思います。そのときに「これは批判かな?それとも誹謗中傷になっていないかな?」と一度立ち止まって考える習慣をつけてみてください。
建設的な批判は人を成長させ、社会をより良くします。誹謗中傷は誰も幸せにしません。自分の言葉が誰かの心を支えるように、思いやりを持って発信していきましょう。