病院やクリニックに通院している方にとって、「診察予定日当日に体調が優れず、来院できない」という状況は珍しいことではありません。特に外来診療では、30人の予約患者のうち2~3人程度は「今日は体調が悪くて行けません」と連絡してこられることもあります。では、このような場合にどのような対応が望ましいのでしょうか。ここでは一般的な流れや考え方をご紹介します。

まず大切なのは、体調不良の原因を明確にすることです。看護師や医師が状況を伺い、その上で適切な助言を行います。
風邪や新型コロナウイルス感染症、発熱、腹痛といった症状であれば、基本的にはその病気の療養が優先されます。ただし、症状が軽く移動が可能な場合には、内科やかかりつけ医での診察を受けていただいた方が安心です。反対に、強い発熱や動けないほどの体調不良であれば、無理をせず自宅療養が推奨されます。
体調不良で通院できないときに最も心配なのは「薬が切れてしまう」ことです。
多くのクリニックでは、通院間隔を考慮して、少し余裕を持った日数分の薬を処方する場合があります。例えば、28日ごとの通院予定の患者さんに30日分を渡すことで、2日分の余裕が生まれます。さらに継続的に服薬されている方は、3か月で数日分のストックが可能となり、突発的な体調不良や休診にも対応しやすくなります。
風邪や発熱などで寝込んでも、数日で回復するケースが多いため、あらかじめ薬を少し蓄えておくことが安心につながります。
災害時を想定すると、薬のストックは一層大切です。大地震や台風などの災害が発生すると、最初に混乱するのは「流通網」です。工場で薬が作られていても、薬局まで運ばれなければ手に入れることはできません。一般的には2週間ほどで流通が回復すると言われており、ガイドラインでも「少なくとも2週間分の薬を備蓄しておくこと」が推奨されています。
そのため、医師は処方の際に「今どれくらい薬が余っているか」を確認し、常に2週間分程度のストックが残るよう調整することがあります。

それでも突然の体調不良で薬が足りなくなる場合があります。その際には以下の方法が考えられます。
もし頓服薬もなく、代理人もおらず、オンライン診療や往診の利用もできない場合、どうすればよいのでしょうか。
精神科の薬に関して言えば、2〜3日程度であれば、服薬を中断しても大きな悪化につながることは少ないとされています。その間にできるだけ早く受診できるよう調整し、遅くとも2〜3日以内に医師とつながることが望ましいと考えられます。

主治医の不在や長期休暇で対応が難しい場合でも、地域の医療機関に相談することで助けてもらえることがあります。医師同士が協力し合い、困ったときは一時的に患者を引き受けることもあります。これは「お互い様」という医療現場の精神によるものであり、患者さんが一人で不安を抱え込む必要はありません。

診察予定日に体調不良で来院できない場合、まずはクリニックに連絡し、状況を伝えることが大切です。その上で、
といった選択肢を検討しましょう。最悪の場合でも、数日間の猶予はあるため、落ち着いて対応することが可能です。大切なのは、事前に薬のストックを確保し、困ったときには主治医や近隣の医療機関に遠慮なく相談することです。
「困ったときはお互い様」。その精神で、多くの医師や医療機関はできる限りの対応をしてくれるはずです。安心して療養生活を続けられるよう、日頃から備えを整えておくことをお勧めします。