本当につらいときの対処法について 

本当につらいときの対処法について 

本当に辛いときの対処法 — 自分を守るための二つの考え方

本当に辛いときの対処法 — 自分を守るための二つの考え方

誰にでも「本当に辛い」と感じる瞬間があります。頭の中でネガティブな思考がぐるぐると巡り、「本当に嫌だ」「生きていたくない」「自分に価値があるだろうか」といった言葉が繰り返されると、心も体も重くなります。この記事では、そうした辛さをやり過ごすための実践的な方法をわかりやすく整理し、誰でも試しやすい対処法を丁寧に紹介します。

本当に辛いときの特徴

本当に辛いときの特徴

辛さが強まっているときは、以下のような状態になりやすいです。
・ネガティブな思考が止まらず、同じ考えが反復する(ぐるぐる思考)。
・五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)よりも頭の中の“言葉”や“評価”が優勢になっている。
このようなときは、「考えを変える」「考えを止める」という二つの方向で対処するのが有効です。

対処法1:五感に働きかけて“上書き”する
ぐるぐる思考は、多くの場合、五感の刺激を伴っていない“頭の中の出来事”です。だからこそ、外側から強い五感刺激を入れてあげることで、思考を一時的に上書きし、辛さの波をやり過ごすことができます。具体例をいくつか挙げます。

・運動(ウォーキング、ジョギング、筋トレ)
 動くことで心拍数や体感が変わり、最初は思考が続いていても数分で「今どれくらい歩けるか」「次はどこまで行くか」といった身体感覚に注意が移ります。汗をかくほどの運動は強力な切替になります。

・サウナや温冷療法
 強い温熱刺激は「暑い」「汗をかく」といった鮮明な身体感覚を生み、考えを自然に止める助けになります。(※持病がある方は無理をしないでください)

・味覚・嗅覚の刺激(しっかりとした食事や香りの強いもの)
 味や匂いに集中することで頭の中の思考から注意が離れます。ただし過食や偏食での対処は健康問題を招くので、一時的な手段として節度を持って使うことが重要です。

・感情を動かすコンテンツ(映画・ドラマ・音楽・本)
 強い感情が喚起される作品を見ると、別の感情に引き込まれて考えが中断されます。心が動く作品を1本観るだけで、思考のループが途切れることがあります。

こうした方法は「辛い波が高まったときにやり過ごす」ためのテクニックです。波が落ち着けば、原因と向き合う余裕が生まれます。

対処法2:思考を直接鈍らせる・止める
ぐるぐる思考そのものを鎮める方法もあります。代表的なのは以下の方法です。

・薬による一時的な鎮静(頓服薬)
 抗不安薬など、医師が処方する薬は思考を和らげる効果があります。ただし薬は医師の指導のもとで使うべきで、副作用や依存のリスクがあるため自己判断での使用は避けてください。

・マインドフルネス/瞑想・座禅
 呼吸や身体感覚に注意を戻す練習を繰り返すことで、思考を客観的に観察できるようになります。日頃から短時間の瞑想を習慣にしておくと、辛いときにも落ち着いて呼吸に戻れる確率が高まります。ただし、瞑想は慣れが必要で、強い絶望感があるときは単独で対処するのは難しい場合もあります。

注意したい対処(リスクのあるコーピング)
辛さを和らげようとして、次のような方法に頼りがちですが、長期的には害が大きくなる可能性があります。

・過度の飲酒や薬物の乱用
 短期的に思考を鈍らせられても、翌日以降の気分や健康に悪影響が出やすく、問題の先送りになりがちです。

・過食や衝動的な摂食(ドカ食い)
 一時的に五感で気持ちが紛れても、体重増加や生活習慣病のリスクを高めます。

・自傷行為
 痛みや血によって一時的な安堵感を得ることがありますが、身体的・心理的な害が大きく、根本的な解決にはつながりません。自傷行為をしてしまいそうな時は、まずは安全確保と専門家への相談を優先してください。

■ 実践プラン(辛い波が来たとき)

 実践プラン(辛い波が来たとき)
  1. 深呼吸して「今、自分がどれくらい辛いか」を10段階で評価する(例えば8/10)。
  2. すぐできる五感刺激を選ぶ(散歩・冷たい水を顔にかける・短い運動・強めの香りを嗅ぐ・好きな曲をかける)。5〜20分続ける。
  3. 感情の波が少し下がったら、原因に向き合う時間を確保する(信頼できる人に話す、相談窓口や医療機関に連絡する)。
  4. 頻繁に高い波が来る場合は、かかりつけ医や精神科・心療内科に相談し、必要なら治療や薬の検討を行う。

専門的な助けを受けることの大切さ
辛さの原因には過去の出来事や現在の状況、身体的要因(薬の副作用など)など様々なものがあります。自己対処だけで限界を感じたら、専門家に相談することを強くおすすめします。医師やカウンセラーは、あなたの状況に合った安全で効果的な対処法を一緒に考えてくれます。

また、もし「今すぐ自分が危険だ」と感じるときや自傷・自殺の可能性がある場合は、ためらわず緊急対応を優先してください。救急車の要請(119)や最寄りの救急外来、地域の相談窓口へ連絡してください。周囲に話せる人がいれば、まずはその人に助けを求めることも重要です。

■ 最後に — 自分を責めないでください

最後に — 自分を責めないでください

「本当に辛い」と感じることは、決してあなたの弱さではありません。生きているからこそ感じる痛みであり、その痛みに対して自分で対処しようとすること自体が大きな努力です。五感を使って一時的にやり過ごす方法と、思考そのものを鎮める方法の二つを知り、必要に応じて専門家の力を借りながら、自分にとって安全で続けやすい対処法を見つけていきましょう。辛いときは一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に手を伸ばしてください。あなたの存在には価値があります。