【発達障害】言われて嫌な言葉3選!言葉の裏にあるものとは?

 みなさんは、誰かに言われた言葉で心に深い傷を負った経験はありませんか?
私たちは日々、何気ない会話の中で言葉を使っていますが、その一言が相手にとって深い傷を負わせてしまうことがあります。

 特に、発達障害を持つ人々に対して無意識に放たれる言葉が、心に大きな影響を及ぼすことがあります。今回のテーマは、「発達障害の人が言われて嫌な言葉3選」です。
 

 発達障害の人が言われて嫌な言葉には発達障害の特性や能力の凹凸について理解されないと感じさせるものが挙げられます。
今回ご紹介する3つの言葉は、特に多くの発達障害当事者から「言われて傷ついた」と指摘されているものです。こういった言葉をたくさん言われ続け、我慢を重ねてきた方も本当に多くいらっしゃいます。

 時にはそうした経験がフラッシュバックを引き起こし、また、誰にも理解されない苦しみから悩みを打ち明けることが難しくなってしまいます。
当事者の方にとっては、自分がどうしてその言葉を言われて嫌だったのかを言語化して振り返ることで、少しでも心が軽くなれば幸いです。

1.「そんなの誰にでもあるよ」

1.「そんなの誰にでもあるよ」

最初の嫌な言葉は「そんなの誰にでもあるよ」です。
このフレーズは、一見、相手を慰める意図で使われることがありますが、当事者にとっては非常に辛い表現となり得ます。

例えば、発達障害の一つであるADHD(注意欠陥・多動性障害)の特性を持つAさんの話を見てみましょう。Aさんは、仕事中に注意が散漫になりがちで、集中力が続かず、ミスが多発していました。
Aさん自身も「ミスを減らしたい」と強く思い、タスク管理アプリを使ったりして、改善に向けた努力を重ねていました。

それでもなかなかうまくいかず、勇気を出して上司に相談したところ、返ってきたのは「そんなの誰にでもあるよ、それでもやるのが仕事だろ」という言葉でした。
Aさんの心の中では理解されないという思いがこみ上げてきたそうです。
 
また、慰めのつもりで相手が「そんなの誰にでもあるよ」と笑顔で伝えたとしても同様のことが言えるのです。皆さんも相手が慰めのつもりで言っているとはわかっていても言われて傷ついたことありませんか?

発達障害の人々にとって、特性がもたらす苦労は定型発達の人々と異なり、それを他者に理解してもらうことも容易ではありません。「誰にでもある」と一括りにされることで、「自分の苦労や努力が否定された」と感じることがあります。
 
また、この言葉はお母さんやお父さんにも影響を与えることがあります。
発達障害の可能性を持つお子さんを育てるお母さんやお父さんが、「この子は普通じゃないかもしれない」と不安になりながら相談した場合に、「うちの子もそうだよ、普通だよ」と言われると、孤立感を覚えます。
このような発言は、発達障害の特性の背景や困難を理解していないことからくるものであり、注意が必要です。

2.「やる気あるの?」

2.「やる気あるの?」

二つ目に紹介するのは「やる気あるの?」という言葉です。
このフレーズも、多くの発達障害当事者にとって傷つく表現の一つです。

発達障害を持つ人たちは、「やる気がない」のではなく、特性によって作業や学習において特定の困難が生じている場合が多いのです。
例えば、LD(学習障害)のあるBさんは、文章を読む速度が極端に遅く、指示書や業務マニュアルを理解するのに通常の2倍の時間がかかっていました。

しかし、Bさんは決して手を抜いていたわけではなく、むしろ必死に努力していました。
それでも成果がなかなか上がらない状況において、「やる気が足りない」と言われると、Bさんは深い無力感に苛まれることになりました。
この言葉が特に問題となるのは、発達障害における「脳の情報処理の特徴」が理解されていない点です。

発達障害の人々は、得意なことと苦手なことが極端に分かれる場合が多く、苦手な分野では定型発達の人よりも多くの時間やエネルギーを要することがあります。
「やる気が足りない」と指摘されると、「自分の努力が報われないどころか否定される」という強い挫折感を抱きがちです。

指示されてから考えるのに時間がかかるため、途中で別の指示が入ると混線し、マルチタスクは困難となります。しかし、考えるのに時間がかかるため、新しい発見や気づきが生まれることもあるという長所もあります。

こうした背景を無視して「やる気」の問題として片付けられると、周囲のサポートが得られにくくなり、本人は心に傷を負ってしまいます

3.「普通に見えるよ」

3.「普通に見えるよ」

最後に挙げるのは、「普通に見えるよ」という言葉です。
これは一見、好意的な言葉に思えるかもしれませんが、当事者にとっては負担となる場合があります。

ASD(自閉スペクトラム症)のCさんの話を見てみましょう。
Cさんは、人との雑談や社会的な場面が苦手で、会社のランチタイムでは無理をして笑顔を作り、場の空気に合わせていました。
ASDの診断を受け、自分の特性を職場に説明した際、同僚から「でも、普通に見えるよ」と言われたのです。この言葉は、Cさんが日々努力して社会に適応しようとしていることを無視されているように感じられました

発達障害を持つ人々の中には、「普通に見せるために努力する」ことに多大なエネルギーを費やしている人がいます。このような努力は外からは見えにくいため、無意識のうちに否定されることがあります。「普通に見えるよ」と言われると、「自分の苦労は誰にも理解されない」という孤独感を深めることがあります

<重要なポイント>

これらの言葉が発達障害の人々にとって嫌な理由は、特性や背景への理解不足が原因です。
勇気を出して相談した際に、「そんなの誰にでもあるよ」「やる気が足りない」「普通に見える」といった言葉が返されると、相談を後悔し、誰にも話せなくなってしまいます

発達障害の人々と接する際には、特性についての知識を深めることが重要です。
知識を持つことで、相手の苦しみや努力を理解し、適切な言葉を選ぶことができるようになります。

<まとめ>

今回紹介した「発達障害の人が言われて嫌な言葉3選」は以下の通りです。

  1. そんなの誰にでもあるよ
  2. やる気あるの?
  3. 普通に見えるよ

また、今回話した内容は発達障害の方すべてに当てはまるというわけではありません。
特性の現れ方や考え方も人それぞれに違うということをご理解ください。

これらの言葉は、特性や困難に対する理解不足から生まれるものです。
言葉が人に与える影響力を考えることで、私たちはより良いコミュニケーションを築けるはずです。
ぜひこの機会に、発達障害についての理解を深め、相手を傷つけない配慮を心がけてみてください。

あなた自身や身近な人が、このような言葉に心を痛めた経験はありますか?
誰かの苦労を理解するための第一歩は、相手の立場に立って考えることです。

その意識を持つことで、より人々が共感しあい、支え合える社会を作っていきましょう。