離脱症状とは?どうすればいい?

離脱症状とは?どうすればいい?

不安を和らげる薬と「やめどき」のむずかしさについて

人は誰しも、強い不安や緊張を抱えてしまうことがあります。そんなときに助けになるのが、不安をやわらげるためのお薬です。その一つに「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる種類のお薬があります。難しい名前ですが、これは長年多くの人の不安や緊張を和らげるために使われてきた薬で、効果がはっきりしているため広く知られています。

たとえば、強い不安に押しつぶされそうになったり、パニックのように急に息苦しくなったりする人、ストレスが原因でお腹の調子が悪くなったり頭痛が続いたりする人に使われることがあります。さらに、強い緊張やストレスで体が固まって動けなくなったり、しゃべれなくなったりするような状態にも効果を示すことがあります。

この薬をたくさん使うと、手術のときに使う麻酔と同じように意識がなくなるくらい強く効きます。けれども日常的にはそんなに強い効き方をさせるわけではなく、「ぼんやりして少し気持ちが落ち着く」くらいに薄めて使います。つまり、24時間ずっとほんの少し麻酔がかかっているような状態を保つことで、不安を感じにくくしているのです。そのため眠気やぼんやり感が出ることもありますが、それもまた薬の作用の一部と言えます。

効果と同時に考えるべき「やめるとき」の問題

効果と同時に考えるべき「やめるとき」の問題

この薬を使うと、不安や緊張がやわらぎ、症状が軽くなって生活がしやすくなります。たとえば、パニック発作が減ったり、ストレスでお腹が痛くなることが少なくなったりします。こうした効果があるからこそ、多くの人に処方されてきたわけです。

ところが問題になるのは、「やめるとき」です。長く飲み続けていた薬を急にやめると、体がびっくりしてしまい、いわゆる「離脱症状」と呼ばれる不快な反応が出ることがあります。

それは更年期のつらい症状に似ていて、動悸が激しくなったり、顔が熱くなったり、イライラしたりと、自律神経と呼ばれる体のバランスをとる仕組みが乱れてしまうのです。人によっては外に出られなくなるほどつらく感じることもあります。

難しいのは「症状の原因がどこにあるのか」

難しいのは「症状の原因がどこにあるのか」

離脱症状のやっかいなところは、元々の不安や緊張による症状ととても似ていることです。つまり、「薬をやめたせいで出てきた不調」なのか「もともと持っていた不安のせいで出てきた不調」なのか、見分けがつきにくいのです。

たとえば、薬をやめてから2〜3年経っても「離脱症状が続いている」と訴える人もいます。しかし、薬の影響そのものは通常は数週間から数か月で体から抜けてしまいます。そのため、長く続いている場合は、薬をやめたせいというよりも、元々あった不安の症状が再び出てきていると考えた方が自然かもしれません。

離脱症状に苦しんだときの対処法

ではもし、薬をやめたことで強い不快感に苦しむようになったらどうすればよいのでしょうか。

一つの方法は、「もう一度薬を使ってみる」ことです。離脱症状なら、再び薬を飲めば落ち着くはずです。その上で、今度は少しずつ少しずつ、体が気づかないほどゆっくりと薬の量を減らしていきます。

ここで役立つのが「粉薬」です。錠剤ではどうしても減らす単位が大きくなってしまいますが、粉にするとほんのわずかずつ減らすことができます。たとえば1割ずつ減らしていくと、体が変化に気づきにくく、不快な症状も出にくいのです。

薬を減らすスピードが速すぎると、体がその変化についていけずに症状が出てしまいます。逆に、ゆっくり減らしていけば、不安や不調を最小限に抑えることができます。大切なのは「急がないこと」なのです。

薬をやめるのは「良くなってきた証拠」

薬をやめるのは「良くなってきた証拠」

薬をやめようと思うとき、それはつまり「症状が以前よりも落ち着いてきた」という証拠でもあります。不安や緊張がひどいときには薬が必要ですが、少しずつでも「そろそろ減らしてみようかな」と思えるのは回復のサインです。

ただし、人によってはスムーズに減らせる人もいれば、慎重に時間をかけないとうまくいかない人もいます。大体、3分の2くらいの人は比較的スムーズに減らせますが、残りの3分の1の人は強い離脱症状が出やすいため、特にゆっくりと進める必要があります。

あせらず、時間をかけて向き合うことの大切さ

強い離脱症状に悩まされている人は、一度薬を十分な量に戻して落ち着きを取り戻し、その後粉薬に切り替えてごく少しずつ減らしていく。これが安心して続けられる方法の一つです。何年もかけて減らしていく人もいますが、それでもいいのです。

大切なのは「自分の体のペースに合わせること」です。無理に早くやめようとするとかえって苦しくなってしまいます。

薬を使い始めたときには、それだけ不安や緊張が強かったはずです。そこから少しずつ回復し、薬を減らしていける段階にきた。そう考えると、薬をやめていく過程そのものが回復の歩みだと言えるのではないでしょうか。

まとめ

まとめ

不安を和らげる薬は、多くの人にとって大きな助けになります。しかし、「やめどき」には注意が必要です。急にやめると体がびっくりして不快な症状が出ることがありますが、粉薬を使い、ゆっくりと体が気づかないくらいのペースで減らしていくと、スムーズにやめられることも多いです。

薬をやめるというのは「もう薬なしでも大丈夫かもしれない」という回復のサインでもあります。だからこそ、焦らず、体の声に耳を傾けながら、ゆっくりと進めていくことが大切です。