はじめに
ASD(自閉スペクトラム症)は発達障害の一つであり、その特性は非常に多様です。
一般的に挙げられる特性として、以下の2つがよく知られています。
相手の表情や言葉のニュアンスを読み取るのが苦手
場の空気を読むのが難しい
同一性へのこだわり
特定の対象に強い興味を持つ
反復的な行動を好む
柔軟な対応が難しい
しかし、ASDの方々の特性の現れ方は千差万別であり、「対人関係」という観点から見ると、大きく5つのタイプに分類されるとされています。
それぞれの特徴を理解し、自己分析や他者理解の手がかりにしていきましょう。

キーワード:安心感
孤立型は、他者や社会とのかかわりを避け、一人でいることを選ぶタイプです。
特徴としては、以下が挙げられます。
過去に人間関係のトラブルで傷ついた経験から、一人でいることを選ぶ方が多く、自分自身を守るための「安心感」を優先しているケースが見られます。
こうした方々は、自分の世界を大切にしており、情緒的な交流は苦手ですが、論理的な思考が得意という強みを持っています。
キーワード:ストレス
受動型は、他者との関わりを受け入れるものの、自ら積極的に関わろうとはしないタイプです。
特徴としては以下が挙げられます。
特に職場や学校では「素直でおとなしい」と評価されることが多く、仕事や頼み事を引き受けがちです。そのため、トラブルは少ないものの、断ることが難しい状況が増え、ストレスが蓄積されやすい傾向にあります。
ちなみに、このタイプは女性に多いとも言われています。

キーワード:心理的・物理的距離が近い
積極奇異型は、他のタイプとは対照的に、他者と積極的に関わろうとするタイプです。
特徴としては以下のようなものがあります。
このタイプの方は、学生時代には目立つ存在となることが多い一方で、過剰な積極性がトラブルを引き起こすこともあります。
また、過去の経験や環境によって、積極奇異型から他のタイプへ変わることもあります。
キーワード:学習された成功体験
尊大型は、自分の価値観を絶対視し、主張を押し通すタイプです。特徴としては以下が挙げられます。
例えば、過去に自分の主張を押し通して問題が解決した経験を学習し、その手法に固執するケースが多いです。尊大型は、学歴や知識の豊富な方に多く、職場ではある程度の地位を得た後にその特性が顕著になることもあります。

キーワード:礼儀の過剰さ
大仰型は、礼儀を重んじすぎるあまり、堅苦しい印象を与えるタイプです。
特徴としては以下が挙げられます。
このタイプになる背景には、過去の失敗体験やトラウマが関係していることが多いです。
人間関係での失敗を避けるため、マナーや礼儀に過剰にこだわる傾向がみられます。
タイプは環境や経験で変わる
ASDの対人関係のタイプは、環境や場面、相手によって変化します。
また、1人の中に複数のタイプが重複して存在することもあります。
例えば、学校では積極奇異型だった方が、社会人になり孤立型になることもあるでしょう。
さらに、自分のタイプを完全に決めつけるのではなく、「その時その時で生きやすい道を探している」という視点を持つことが大切です。
ASDの対人関係における5つのタイプを理解することで、自己理解や他者への共感を深めることができます。ただし、これらのタイプはあくまで目安として捉え、自分や他者を一括りにしないことが大切です。
孤立型:安心感を求める
受動型:ストレスを溜めやすい
積極奇異型:心理的・物理的距離が近い
尊大型:学習された成功体験
大仰型:礼儀の過剰さ
これらの特性を理解することで、ASDの方々がより生きやすい社会を築くためのヒントになるかもしれません。ぜひ、自分自身や周囲の人との関係性を見つめ直すきっかけにしてください。