私たちが病院を受診する際に支払う「受診料」は、日常生活の中で避けて通れない医療費の一部です。医療費は誰にとっても関心の高いテーマであり、実際にどれくらいの費用が必要なのかを理解しておくことは安心につながります。本稿では、日本の医療制度の下で設定されている受診料について、代表的な診療行為ごとの目安を紹介しつつ、制度的な背景や高額療養費制度などの補足も加えて丁寧に解説していきます。
なお、医療費は原則として2年に1度、診療報酬改定によって見直されます。そのため、ここで示す金額はあくまで目安であり、実際には病院や診療内容によって差異がある点をご理解ください。

病院に初めてかかった場合に必要となるのが「初診料」です。これは医師が新たに患者の状態を把握し、診療録を作成するために発生する費用です。おおむね860円前後が目安とされています。次回以降の通院では「再診料」として220円程度がかかります。これらは医療行為そのものではなく、診療の基本費用と考えると分かりやすいでしょう。
診察だけでなく、必要に応じて検査も行われます。たとえば腰の痛みで受診した場合、レントゲン撮影が一般的です。
撮影枚数や部位によって費用が異なるため、幅をもって理解することが大切です。より高度な画像検査としては、
が目安となります。いずれも保険診療3割負担の場合の金額であり、1割・2割負担の方はさらに軽減されます。
痛みの部位に直接注射を行うこともあります。代表的な注射の目安は以下の通りです。
また、骨折や関節の固定にはギプスが使用されます。費用は部位によって異なり、手で約2500円、膝で3600円、足で1500円、添え木(副木)で2340円程度が一般的です。

腰や膝の痛みを和らげるためにリハビリテーションが行われることもあります。
理学療法士や作業療法士が直接行う訓練は費用が高めですが、機器を用いた単純な治療は低額で受けられるのが特徴です。
医師が薬を処方した場合、薬そのものの代金は薬局で支払いますが、病院でも「処方料」として250円程度が必要です。薬局側ではさらに調剤料が加算されますので、患者の負担は病院と薬局の双方で発生します。
診断書や通院証明書など、医師が公式な書類を作成する場合は自費扱いとなり、保険は適用されません。
これらは医療行為とは別枠で発生する費用である点に注意が必要です。

外来診療に比べて大きな負担となるのが入院・手術費用です。代表的な手術と費用の目安を挙げると次の通りです(3割負担の場合)。
入院時には個室料や差額ベッド代が別途かかる場合もあり、実際の負担はさらに変動します。
手術や長期入院では数十万円から百万円を超える医療費が発生します。しかし、日本には「高額療養費制度」があり、所得に応じて月ごとの自己負担額には上限が設けられています。たとえば標準的な収入の方であれば、月額約8万円程度が上限となり、それを超える分は払い戻されます。そのため、請求時には高額でも、後に還付されることを理解しておくと安心です。
以上のように、病院の受診料は診療内容によって大きく異なります。初診料や再診料といった基本的な費用から、検査、注射、処方料、さらには入院や手術に至るまで、多岐にわたる項目で費用が発生します。
大切なのは、医療費が一見高額に感じられても、日本の公的医療保険制度や高額療養費制度によって、最終的な自己負担は一定の範囲に収まるという点です。こうした制度を正しく理解していれば、不安なく医療を受けることができます。