【閲覧注意?】あのペットを飼っていると「がん」が・・・犬・猫・鳥の飼育と癌死亡リスクの関係

ペットと人の健康、そしてがんとの関係について

今回は「ペットと人のがんの関係」についてお話をしてみたいと思います。
といっても、ここで取り上げるのは犬や猫などのペットそのものの病気ではありません。ペットを飼っている人間のほうに、がんのリスクがどのように関係するのかという点についてです。

私自身も犬を飼っていますし、身近な人の中には猫やウサギ、モルモット、小鳥など、さまざまなペットを家族の一員として迎えている方がたくさんいます。
ペットを飼うことの良さは言うまでもなく、かわいい姿に癒されたり、孤独感が和らいだり、日々の生活に張り合いが出るといったことが挙げられます。中には「この子がいるから毎日頑張れる」と思う人も少なくないでしょう。

実際に、ペットと暮らすことが心や体に良い影響を与えるという研究報告は数多くあります。たとえば昨年のニュースでは、犬を飼っている高齢者は犬を飼っていない人に比べて、認知症を発症するリスクが40%も低いという結果が紹介されていました。これは多くの人にとって朗報だったと思います。

一方で、ペットを飼うことにはデメリット、つまり健康上のリスクもあるのではないか、と指摘されることがあります。そこで気になるのが「ペットを飼っているとがんになりやすいのかどうか」という点です。今回は、これまでに報告された研究の中から、ペットとがんのリスクに関するものをいくつか紹介してみたいと思います。

ただし最初にお伝えしておきたいのは、これらの研究はあくまで一部のデータであり、すべての人に当てはまるものではないということです。深刻に受け止めすぎず、「こんな研究結果もあるんだな」という程度で気楽に読んでいただければ幸いです。

アメリカの研究:ペットと肺がんの関係

まずは2019年に発表されたアメリカの研究です。
これは全国規模の健康調査のデータを使って、ペットを飼っているかどうかと、その後の肺がんによる死亡率との関係を調べたものです。

対象となったのは19歳以上のアメリカ人およそ13万人。そのうち約43%がペットを飼っており、犬が最も多く25%、次いで猫が20%、鳥が5%ほどでした。

タバコを吸うかどうか、運動習慣や体型、飲酒習慣など、がんに影響する可能性のある要素を調整したうえで分析したところ、次のような結果が出ました。

  • ペットを飼っている女性は、飼っていない女性に比べて肺がんで亡くなるリスクが約2.3倍高かった。
  • 特に猫を飼っている女性は2.8倍、鳥を飼っている女性は2.7倍と、リスクの上昇が目立った。
  • ただし犬を飼っている女性ではリスクの上昇は見られなかった。
  • 一方で男性では、ペットを飼っているかどうかと肺がん死亡率の間に明らかな関係は見られなかった。

つまりこの研究では、「女性が猫や鳥を飼うと肺がんで亡くなるリスクが高くなるかもしれない」という少し驚きの結果が示されたのです。

がん全体との関係を見た研究

次に2020年に発表された研究です。こちらもアメリカの同じデータを使い、ペットと「がん全体の死亡率」との関係を調べています。

結果は先ほどと同様で、男性ではペットを飼うこととがんの死亡率の間に違いはありませんでした。しかし女性ではペットを飼っている人のほうが死亡率が1.4倍高くなっていたのです。

種類ごとにみると、猫を飼っている女性では1.5倍、鳥を飼っている女性では2.4倍と、やはり猫と鳥でリスクが高くなる傾向が報告されました。

ヨーロッパの研究:寿命との関係

さらに2022年にはヨーロッパからも関連する研究が発表されています。
これは50歳以上の成人2万人以上を対象に、ペットを飼っているかどうかと、その後の寿命や病気による死亡率を調べたものです。

全体のデータでは、ペットを飼っているかどうかと寿命の長さに特に差はありませんでした。ところが性別やペットの種類に分けて詳しく分析したところ、興味深い結果が出ています。

  • 鳥を飼っている女性は、死亡リスクが23%高かった。
  • 特に一人暮らしの女性では、そのリスクが38%も高くなっていた。

ただし、この場合はがんや心臓病に限らず、他の病気や原因による死亡も含まれていました。

なぜ猫や鳥でリスクが高まるのか?

では、なぜ猫や鳥を飼う女性でリスクが高まる傾向があるのでしょうか。
はっきりとした理由はまだわかっていません。ただし専門家たちはいくつかの可能性を指摘しています。

  1. 毛や羽を吸い込むことによる慢性的な炎症
    ペットの毛や羽の微細な成分を長期間吸い込むことで、体の中で小さな炎症が続き、それが病気のリスクを高める可能性があります。
  2. ペットや排せつ物に含まれる細菌やカビ
    動物の体やフン尿には人にうつることのある菌やカビが存在し、それが影響している可能性もあります。
  3. 生活習慣の違い
    ペットを飼っている人は、生活リズムや家の環境が異なるため、それが間接的に健康に影響している可能性も考えられます。

もちろん、これらはまだ仮説にすぎません。今後の研究によってさらに詳しい仕組みが解明されていくことでしょう。

私たちにできること

こうした研究結果を聞くと「ペットを飼うのは危ないのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。しかし大切なのは極端に考えすぎないことです。

ペットと暮らすことには数えきれないほどのメリットがあります。心の支えになり、孤独感をやわらげ、生活にリズムをもたらし、体を動かすきっかけにもなります。実際に、犬を飼うことで認知症のリスクが下がるといったポジティブな研究報告もあるのです。

一方で、猫や鳥を飼う場合は少しだけ衛生面に気を配ることが勧められます。

  • 定期的に掃除をして毛や羽を溜めすぎない
  • トイレやケージは清潔に保つ
  • 過度に密着しすぎず、適度な距離をとる
  • 飼い主自身の体調がすぐれない時は、世話を工夫する

こうした工夫をすることで、ペットと健康的に付き合うことができるでしょう。

まとめ

今回ご紹介した研究からは、特に女性が猫や鳥を飼う場合に、がんや寿命に関わるリスクが少し高くなる可能性があるという報告がありました。ただしこれはあくまで一部のデータであり、すべての人に当てはまるわけではありません。

むしろペットと暮らすことによって得られる安心感や癒し、生活の張り合いといったメリットはとても大きなものです。大切なのは「リスクもあるかもしれない」と知ったうえで、できるだけ清潔に、そして無理のない形でペットとの暮らしを楽しむことだと思います。

ペットは私たちにとってかけがえのない存在です。だからこそ、愛情を注ぎながらも健康面に少し気を配り、安心して長く一緒に過ごしていきたいですね。