
ASDの方の話し方の大きな特徴の一つは、その「丁寧さ」です。
1から10までしっかりと順を追って説明する傾向が強く、聞き手に対して非常に親切な印象を与えることもあります。
例えば、仕事でのエピソードを挙げてみましょう。ある職場で、新しく異動してきた社員が仕事の進め方を尋ねた際、ASDの同僚が非常に丁寧に解説し、1から10までしっかりと教えてくれたそうです。
この丁寧さは、新入社員や不慣れな人にとって大変助かるものであり、職場内で高い評価を受けることもあります。
しかしながら、すべての場面でこの丁寧さが求められるわけではありません。
特にビジネスシーンでは、上司や同僚が「結論ファースト」を好む場合が多く、長い説明は「回りくどい」と感じられることも。
例えば、「金曜日までに資料は完成しましたか?」と問われた際、具体的な状況を細かく説明するのではなく、「はい」「いいえ」とまず結論を述べ、その後に必要な補足を加えることが求められます。

ASDの方には、自分の気持ちや考えを正確に伝えたいという意欲が強い方が多いです。
そのため、一般的な言葉よりも意味がぴったり合う難しい言葉を選びがちな傾向があります。
例えば、「頑張ります」と言う代わりに「鋭意努力する所存です」といった表現を使うことがあります。
これは、小学生には伝わりにくいかもしれませんが、相手が大人であれば意図が通じる場合もあります。ASDの方が持つ豊富な語彙力が発揮される一方で、相手によっては「どうしてこんな難しい言葉を使うのだろう?」と戸惑わせてしまうこともあるでしょう。
ただし、難しい言葉を使うことが必ずしも悪いわけではありません。
好奇心旺盛な相手にとっては、学びの機会を提供するきっかけになることもあります。
「善処します」という言葉を知らなかった相手が、その意味を教わることで語彙が増えたというエピソードもあります。
ASDの方の話し方の特徴は、時と場合によって大きな強みとなることがあります。
丁寧な説明が求められる場面ではその能力が発揮されますし、豊かな語彙力は相手に新しい知識を提供するきっかけにもなります。
大切なのは、話し方を柔軟に変えられるよう意識すること。
特性を生かしながら、相手とのコミュニケーションの橋渡しをする工夫を取り入れていきましょう。
この記事が参考になった方は、ぜひ話し方について振り返る機会を持ってみてください。
ASDの特性を深く理解し、互いに歩み寄る姿勢を持つことで、より良い人間関係を築く一助となるでしょう。