まき爪の話

巻き爪とは?原因・症状・治療法を分かりやすく解説

はじめに

足のトラブルの中でも、日常生活に大きな支障をきたしやすいのが「巻き爪」です。特に親指に起こりやすく、放置すると痛みや炎症が悪化して歩行困難になることもあります。今回は、巻き爪の原因や症状、そして治療法について、基本的な知識から医療現場で行われる方法まで丁寧にご紹介していきます。

巻き爪とは?

巻き爪とは?

巻き爪とは、爪が横方向に丸まり、ロールケーキのようにくるっと内側へ巻き込む状態を指します。爪そのものが丸まるだけでは大きな問題はありません。しかし、巻いた爪の先端が皮膚に食い込むことで「陥入爪(かんにゅうそう)」となり、強い痛みや炎症を引き起こします。

炎症が進むと皮膚が赤く腫れ、膿がたまることもあり、放置すると細菌感染を伴って歩くのも困難になる場合があります。このため「ただの爪の変形」と軽視せず、早めに対処することが大切です。

痛みがなければ治療は必要?

巻き爪であっても、痛みや炎症、感染がない場合は必ずしも治療が必要というわけではありません。症状が軽度であれば経過観察だけで済むことも多いです。
しかし、一度痛みや化膿を起こしてしまうと再発を繰り返しやすいため、注意が必要です。軽症の段階では鎮痛薬や抗生物質の内服で炎症を抑えることもありますが、症状が改善しない場合は一歩進んだ治療が必要になります。

巻き爪の主な治療法

巻き爪の主な治療法

巻き爪の治療法は、大きく分けて以下の3段階があります。

1. 保護的な処置

爪を直接切除せず、皮膚への食い込みを和らげる方法です。代表的なものは以下の3つです。

  • テーピング法
    爪の横にテープを貼り、皮膚を外側へ引っ張ることで、爪の食い込みを軽減します。比較的簡単に行える方法です。
  • ガター法
    爪の端に細いチューブをかぶせ、爪の角が皮膚に当たらないようにする方法です。
  • コットンパッキング法
    巻き込んだ爪の端に小さな綿を詰め、爪と皮膚の間に隙間を作ることで圧迫を和らげます。

これらは軽度から中等度の巻き爪に有効ですが、症状が進行している場合には十分な効果が得られないこともあります。

2. 爪矯正法

2. 爪矯正法

より積極的に爪の形を矯正する方法です。皮膚科や整形外科でよく行われています。

  • ワイヤー法
    爪に小さな穴を開け、特殊なワイヤーを通します。ワイヤーには元に戻ろうとする力が働くため、巻いた爪を外側に広げる作用が期待できます。
  • クリップ法
    爪の表面に金属製のクリップを装着し、巻いている部分を持ち上げる方法です。原理はワイヤー法と同様です。
  • プレート法
    専用のプラスチック製プレートを爪の表面に貼り付け、プレートが元の形に戻ろうとする力を利用して矯正します。

これらの方法は外科的手術に比べて負担が少なく、見た目の変化も小さいため、まずは矯正法を試すケースが多くあります。ただし、巻き爪は再発しやすいため、長期的な通院や複数回の処置が必要になることも少なくありません。

3. 外科的治療

繰り返す炎症や感染で日常生活に強い支障をきたす場合には、外科的治療が検討されます。根本的に爪の生え方を変える方法です。

爪の仕組みと治療の原理

爪は「ネイルベッド(爪床)」と呼ばれる皮膚の下の細胞から作られ、絶えず新しい爪が押し出されて成長します。巻き爪を根本から防ぐには、このネイルベッドの一部を処理して新たな爪が巻かないようにする必要があります。

主な手術法

  • フェノール法
    巻き込んでいる部分の爪を切除し、爪の根元の一部に「フェノール」という薬剤を浸透させます。これにより爪を作る細胞が弱まり、その部分から新しい爪が生えにくくなります。爪の幅は少し狭くなりますが、再発を防ぐ効果があります。
  • 楔状切除術(けつじょうせつじょじゅつ)
    爪の根元の細胞を外科的に切除してしまう方法です。フェノール法よりも確実性が高く、再発率は低いですが、手術後に爪の幅が狭くなるため見た目に変化があります。

いずれの方法も局所麻酔を用いて行われ、手術時間は30分程度が一般的です。術後は数日から1週間で日常生活に復帰できます。

まとめ

巻き爪は「爪が食い込んで痛い」という単純な症状から始まりますが、放置すると炎症や感染を繰り返し、歩行に大きな支障をきたすこともあります。

治療法は症状の程度によって大きく異なり、

  1. 保護的な処置(テーピング・コットン・ガター)
  2. 爪矯正法(ワイヤー・クリップ・プレート)
  3. 外科的治療(フェノール法・楔状切除術)
    と段階的に選択されます。

痛みが軽度のうちに適切な処置を行えば、重症化を防ぐことが可能です。繰り返す痛みや炎症でお悩みの場合は、自己判断で放置せず、皮膚科や整形外科などの専門医を早めに受診されることをおすすめします。

巻き爪は「小さな症状」と思われがちですが、実際には生活の質を大きく左右する問題です。正しい知識と適切な治療で、快適な生活を取り戻していただきたいと思います。