
ダイエットというと、多くの人が興味を持つテーマだと思います。特に肥満や生活習慣病を抱えている方にとっては、体重のコントロールは大きな課題です。一般的にがんの治療を受けている人は、どちらかといえば痩せやすい傾向があります。しかし中には体重が多すぎることを気にして、「どうにか体を絞りたい」と考えている方もいらっしゃいます。
体重を減らすための方法はいくつもあります。よく知られているのは「食べる量を減らしてカロリーを制限する方法」や「運動を取り入れる方法」です。そして近年注目されているのが「食べる時間を制限する方法」です。では、実際のところどちらの方法がより効果的なのでしょうか?
今回は、最新の研究結果をもとに「時間制限ダイエット」と「カロリー制限ダイエット」の効果を比べてみたいと思います。これはがん患者さんに限らず、糖尿病の方やダイエットを考えているすべての人に役立つ内容だと思います。

まず紹介するのは、2023年7月に発表された研究です。対象となったのは90人の肥満を持つ人たちで、さまざまな人種や背景の方々が参加しました。研究では、参加者を3つのグループに分けて1年間観察しました。
1年後に体重を測定したところ、時間制限ダイエットをしたグループでは平均で4.6kgの減少、カロリー制限をしたグループでは5.4kgの減少が見られました。コントロールグループに比べるとどちらの方法も明らかに効果がありましたが、この2つの間に大きな差は見られませんでした。
つまり、「食べる時間を制限する方法」も「カロリーを減らす方法」も、体重を減らす効果は同じくらいあるという結果が得られたのです。
次に紹介するのは、2024年10月に発表された研究です。こちらは糖尿病を抱える75人の方を対象に行われました。方法は先ほどと同じく3つのグループに分けて比較しました。
結果として、時間制限ダイエットを行ったグループは、自然と食べる量が減り、カロリー制限をしたグループよりも総摂取カロリーが少なくなっていました。
6か月後の体重の変化を見ると、時間制限ダイエットのグループはコントロールに比べて体重が3.56%減少していました。一方、カロリー制限のグループでは体重の大きな減少は見られませんでした。
さらに、血糖コントロールの指標となる数値(HbA1c)は、時間制限ダイエット・カロリー制限どちらのグループでも改善が見られましたが、両者の間には大きな差はありませんでした。
また、副作用といえるような大きな問題は、どちらの方法でもほとんど報告されませんでした。
以上の結果をまとめると次のようになります。
これらの研究は、これまで話題になってきた「時間制限ダイエット」や「夜間断食ダイエット」の効果を、実際の臨床試験で証明した点でとても価値があります。

ただし、ここでいくつか注意点があります。
まず、今回の研究は半年から1年という比較的短い期間の結果です。長期的に見たときに安全性や効果がどうなのかは、まだはっきりとはわかっていません。
また、糖尿病の方の場合、治療薬によっては血糖が下がりすぎる「低血糖」のリスクがあります。そのため、自己判断で急に食事時間を制限するのは危険です。必ず主治医や管理栄養士に相談してから取り入れることが必要です。
では、時間制限ダイエットとカロリー制限ダイエット、どちらを選ぶべきなのでしょうか。
結論から言うと、自分の生活習慣に合う方法を選ぶのが一番大切です。
どちらの方法も極端に厳しいものではなく、工夫次第で日常生活に取り入れられると思います。
体重を減らしたいと考えている方にとって、食べる時間を工夫する「時間制限ダイエット」は、これからさらに注目されていく方法かもしれません。無理なく続けられる方法を見つけて、自分の健康に合ったダイエットを実践していくことが大切です。