今回は、「ADHD(注意欠如・多動症)の人のカバンの中に見られる特徴と、その整理方法」について解説していきます。ADHDの方は、仕事や日常生活の中で「カバンの中がごちゃごちゃしている」「必要なものがすぐに見つからない」といった悩みを抱えることが少なくありません。この記事では、そうした特徴を3つに整理し、カバンを綺麗に保つための具体的な方法、そして忘れ物や紛失を防ぐ工夫を紹介します。

ADHDの人は、空間や物の整理整頓が苦手な傾向があります。カバンの中に「必要だと思ったもの」を次々に入れてしまい、気がつくと何が入っているのかわからない状態になってしまうことがあります。
また、「物の定位置が決まっていない」「収納スペースをうまく活用できない」といった特徴も見られます。これはカバンに限らず、デスクの上や押し入れの中など、他の場所にも共通して表れる傾向です。
ADHDの人は「タスク管理が苦手」であることが多く、その結果として必要なものの取捨選択が難しくなります。「今日、もしかしたら使うかもしれない」「あれもこれも必要かも」と不安に駆られ、不要なものまで詰め込んでしまうのです。
また、「忘れ物が多い」という自己認識から、「とにかく全部入れておけば安心」と考え、結果的にカバンが重くなってしまうこともあります。
外出前にカバンを整える習慣がある人でも、仕事や移動中に物を出し入れしているうちに、どんどん散らかってしまうというケースがあります。これは、使った後に「元の場所へ戻す」習慣が身につきにくいことが原因のひとつです。
結果的に、「朝は綺麗だったのに、帰るころにはごちゃごちゃになっている」という状態になりやすいのです。

「万が一使うかもしれない」という不安から、あらゆるものをカバンに入れてしまう人は少なくありません。しかし、使用頻度の低いものや、外出先で簡単に購入できるもの(例:ティッシュ、ペン、薬など)は、持ち歩かない勇気も必要です。
「毎日使う」「週に1回使う」「月に1回使う」など、使用頻度を意識して取捨選択を行いましょう。特にコンビニや薬局で手に入るようなものは、持ち歩かなくても困らないことが多いものです。
カバンは「大きければ便利」というわけではありません。大きすぎるカバンは、必要のないものまで入れてしまう原因になります。また、収納ポケットが多すぎると、どこに何を入れたのかわからなくなる場合もあります。
ADHD傾向のある人にとっては、むしろシンプルな構造で、仕切りが少ないカバンのほうが「迷わない」「管理しやすい」という利点があります。カバンを選ぶ際には、自分が扱いやすいサイズと構造を意識することが大切です。
カバンの中にも“住所”を作ることが大切です。たとえば「メインポケットにはノートPCとペンケース」「サブポケットには財布」「小ポケットには鍵と目薬」など、明確に区分しておきます。
同じ場所に戻す習慣をつけることで、忘れ物や紛失が減り、探す時間も短縮できます。
さらに、種類別にポーチを使うのもおすすめです。ガジェット類、文房具、化粧品などを分けて収納し、透明ポーチを使えば中身もひと目で確認できます。
また、持ち歩くものをコンパクトにする工夫も有効です。ハンドクリームや化粧品などは携帯用サイズを選び、必要最小限にとどめることで、カバンの中がすっきりします。

朝はどうしても慌ただしくなりがちです。ADHDの人は集中力が途切れやすく、朝の支度中に別のことに意識が向いてしまうこともあります。そのため、翌日の準備は夜のうちに落ち着いて行いましょう。
前日のうちに服や必要な持ち物を確認し、余裕を持って準備することで、忘れ物のリスクを大きく減らせます。
毎日持ち歩くものは「持ち物リスト」として紙やスマホにまとめ、出発前に確認する習慣をつけましょう。
また、特別なイベントや外出時に必要なものは、メモやスマホの写真で記録しておくと便利です。「目で見て確認できる仕組み」を作ることで、記憶だけに頼らずに済みます。
ファッションに合わせてカバンを変えると、入れ替えのたびに忘れ物が発生しやすくなります。
できるだけ同じカバンを使い続けることで、「入れる場所」と「出す場所」が固定化され、ミスを減らせます。特に仕事用のカバンは、一つに統一するのが理想的です。

ADHDの人にとって、カバンの整理整頓は「苦手意識」を感じやすい分野のひとつです。しかし、ちょっとした仕組みづくりや習慣化によって、驚くほど快適に改善することができます。
「外で手に入るものは入れない」「収納場所を決める」「前日に準備する」といった小さな工夫を重ねることで、忘れ物や無くし物を減らし、毎日のストレスを軽減できるでしょう。