毎日は危険?飲みもの別の「がん」リスクは?ソフトドリンク(加糖飲料、人工甘味飲料、100%フルーツジュース)の発がんリスクについての最新研究

毎日は危険?飲みもの別の「がん」リスク

毎日は危険?飲み物別のがんリスクとは

みなさんはコンビニや自動販売機で、どんな飲み物を選んでいますか?
水、お茶、コーヒー、炭酸飲料、ジュースなど、たくさんの種類がありますよね。私自身は、普段は水かお茶、あるいはブラックコーヒーを選ぶことが多いのですが、並んでいる飲み物を眺めると、つい甘いジュースやカフェラテなどを手に取りたくなることもあります。

もちろん、「好きなものを飲む」こと自体は悪いことではありません。
ただ、毎日のように同じ飲み物を飲み続けると、健康に良くない影響を与えることもあるという点は、知っておいて損はありません。

今回は、日常的に飲む「ソフトドリンク」と、がんのリスクとの関係を調べた最新の研究結果をご紹介します。

ソフトドリンクの種類とリスクを比較

ソフトドリンクの種類とリスクを比較

2024年5月に発表された研究では、世界中で行われた42件の調査結果をまとめて、どんな種類の飲み物がどのように健康へ影響するのかを分析しました。
ここでいう「ソフトドリンク」とは、アルコールを含まない飲み物のこと。研究では、以下の3種類に分けて検討されています。

  1. 加糖飲料(砂糖などの糖類が入った飲み物)
  2. 人工甘味料入りの飲み物
  3. 100%フルーツジュース

この3つについて、それぞれどのようながんのリスクがあるのかを、複数の研究を統合して総合的に判断しました。

① 加糖飲料 ― 砂糖のとりすぎがさまざまなリスクに

まずは、砂糖が入った飲み物から見てみましょう。
清涼飲料水、炭酸飲料、甘いカフェラテ、エナジードリンクなどがこれに当たります。

研究によると、加糖飲料を1日に250ml多く飲むごとに、以下のような傾向が見られました。

  • 乳がんのリスク:17%増加
  • 大腸がんのリスク:10%増加
  • 胆道がんのリスク:30%増加
  • 前立腺がんのリスク:10%増加

日本人を対象にした研究でも、加糖飲料をほとんど飲まない人に比べて、1日250ml以上飲む女性では結腸がんのリスクが36%上昇していたという結果が報告されています。

このような結果を受けて、世界では砂糖入り飲料の危険性を重く見ている国も増えています。
すでに10か国以上で、砂糖の含有量や健康への注意を表示する法律が制定されています。
一部の国では、たばこの警告ラベルのように「糖尿病や心臓病のリスクを高める」といった写真付きのラベルを貼る取り組みも行われています。こうした表示によって、子どもに甘い飲み物を買い与える親が減るなど、一定の効果も出ているそうです。

一方、日本ではそのような警告表示はなく、「砂糖入り飲料が体に悪い」という認識はまだあまり広まっていません。
しかし、実際には砂糖の過剰摂取が肥満や糖尿病を引き起こし、それががんのリスクにもつながる可能性があることが、少しずつ明らかになってきています。

② 人工甘味料入りの飲み物 ― “カロリーゼロ”でも安心ではない?

次に、人工甘味料が使われている飲み物についてです。
「カロリーゼロ」「糖質オフ」などと表示されている飲み物には、砂糖の代わりに人工的につくられた甘味料が使われています。

研究では、人工甘味料入り飲料を1日に250ml多く飲むごとに白血病のリスクが16%増加していたという結果が出ました。
まだ証拠の数は多くありませんが、長期間にわたって人工甘味料を摂り続けることで、がんのリスクが高まる可能性が指摘されています。

2024年6月には、世界保健機関(WHO)の関連機関である「国際がん研究機関(IARC)」が、よく使われる人工甘味料の一つ「アスパルテーム」を “人に対して発がんの可能性がある物質(グループ2B)”に分類しました。
つまり、「今すぐ危険」というわけではありませんが、「安全とは言い切れない」ことが公式に認められた形です。

ダイエット飲料だから安心、という考え方は見直したほうが良いかもしれません。

③ 100%フルーツジュース ― 健康そうでも“落とし穴”が

最後に、意外に見落としがちなのが100%フルーツジュースです。
「砂糖が入っていないし、果物そのものだから健康的」と思っている人も多いでしょう。
しかし研究では、フルーツジュースを1日250ml多く飲むごとに

  • すべてのがんのリスク:31%増加
  • 皮膚がん(メラノーマ)のリスク:22%増加
  • 甲状腺がんのリスク:29%増加

という結果が報告されました。
健康的なイメージが強いだけに、かなりショッキングな内容です。

果物そのものは、ビタミンや食物繊維が豊富で、がんを防ぐ働きもあると考えられています。
しかし、ジュースに加工されると食物繊維が取り除かれ、果糖(フルクトース)だけが残るため、糖分を一気に摂取する形になってしまいます。
とくに「濃縮還元タイプ」のジュースでは、もとの果汁に加えて「果糖ブドウ糖液糖」などが追加されていることもあり、さらに甘味が強くなっています。
その結果、血糖値の急上昇や脂肪の蓄積を引き起こし、長期的にがんのリスクを高める可能性があると考えられています。

がんのリスクを下げる「体に良い飲み物」

がんのリスクを下げる「体に良い飲み物」

ここまで読むと、「じゃあ、何を飲めばいいの?」と思われるかもしれません。
安心してください。体に良い影響を与える飲み物も、しっかりあります。

まずおすすめなのがコーヒーです。
コーヒーには「ポリフェノール」という成分が多く含まれており、体の中で発生する酸化ストレスを減らす働きがあります。
日本人を対象にした研究でも、コーヒーをよく飲む人では、肝臓がん、子宮体がん、頭頸部がん、食道がん、腎臓がんの発症リスクが低い傾向が報告されています。
もちろん、砂糖やクリームをたっぷり入れてしまうと台無しですので、できればブラックや少量のミルクで楽しむのが理想です。

もう一つのおすすめは緑茶です。
緑茶に含まれる「カテキン」には、強い抗酸化作用と抗炎症作用があります。
日本人を対象とした研究でも、緑茶をよく飲む人では胆道がんのリスクが低いことがわかっています。
温かいお茶をゆっくり味わうことで、リラックス効果も得られますし、まさに一石二鳥ですね。

まとめ ― 「甘くない選択」を

まとめ ― 「甘くない選択」を

今回の研究結果をまとめると、次のようになります。

  • 砂糖入り飲料:乳がん・大腸がんなどのリスク上昇
  • 人工甘味料入り飲料:白血病などのリスク上昇
  • 100%フルーツジュース:全体的ながんリスク上昇

つまり、「砂糖が入っている」「人工的に甘い」「果汁だから安心」――これらのどれも、飲みすぎると健康を損なう可能性があるということです。

一方で、コーヒーや緑茶は、適量を続けることでがんのリスクを下げることが期待できます。
どんな飲み物を選ぶかは、毎日の小さな習慣ですが、その積み重ねが健康に大きな差を生むのです。

今日からでも、「甘くない選択」を意識してみませんか?
体が喜ぶ飲み物を選ぶことは、自分へのやさしさの第一歩です。