【睡眠】睡眠中の異常な唸り声 カタスレニアとは何か?【無呼吸】

【睡眠】睡眠中の異常な唸り声 カタスレニアとは何か?【無呼吸】

夜、ぐっすり眠っているはずなのに、隣で寝ている人から「変な声がする」「うなっている」「まるでうめき声のようだ」と言われたことはありませんか?
実はそれ、「カタスレニア(Catathrenia)」と呼ばれる、非常に珍しい睡眠中の呼吸現象かもしれません。

いびきや無呼吸など、睡眠中に起こるトラブルはよく知られていますが、この「睡眠関連うなり」は、医学的にもまだ研究が少ない非常にマニアックな現象です。今回は、医師の間でも話題になるほど珍しいこの「カタスレニア」について、丁寧に解説していきます。

■ 睡眠中には意外と多くのことが起きている

■ 睡眠中には意外と多くのことが起きている

私たちが眠っている間、体はただ「休んでいる」わけではありません。
呼吸、筋肉の動き、脳の活動、夢、そして音声――さまざまな現象が同時に起きています。

たとえば代表的なものに、

  • いびき:呼吸時にのどの奥(咽頭)が振動して発生する音。
  • 睡眠時無呼吸:呼吸が一定時間止まり、酸素が不足する状態。
  • レム睡眠行動障害:夢の内容に合わせて叫んだり暴れたりする現象。
  • 爆発頭症候群:頭の中で「パン!」という爆発音を感じる。

などがあります。

これらはいずれも「睡眠中の異常行動」として知られていますが、今回ご紹介する「カタスレニア」は、その中でも特に珍しい症状です。

■ 「カタスレニア」とは? ― 呼気時に起こる“うなり”

■ 「カタスレニア」とは? ― 呼気時に起こる“うなり”

カタスレニアとは、眠っている間に「ん~~~」という

うなり声のような音を発する症状のことです。
「睡眠関連うなり」とも呼ばれています。

いびきは息を**吸うとき(吸気時)**に音が出ますが、
カタスレニアはその逆で、

**息を吐くとき(呼気時)**

に声のような音が出るのが特徴です。

呼吸のリズムでいうと、
「吸って~(静か)
  ↓

止めて(少し間が空く)
  ↓
ん~~~~~(吐きながら声)
というパターンを繰り返します。

うなり声の長さは個人差がありますが、2秒から長いと40秒以上続くこともあります。
音の高さも人によって異なり、高音でうなる人もいれば、低いうなり声の人もいます。

■ 危険性はあるの?

■ 危険性はあるの?

驚くことに、カタスレニアは呼吸が止まるわけではなく、酸欠も起きません。
そのため、健康面での重大なリスクはほとんどないとされています。

ただし問題は、「音が大きい」こと。
隣で寝ている人が眠れなくなるほどのうなり声が続くため、
家族やパートナーとの同室睡眠が難しくなるケースもあります。

本人はほとんど自覚がないため、

**「一緒に寝ている人が指摘して初めて気づく」**


ということが多いのです。

■ カタスレニアの原因は?

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、研究によると
以下のような要因が関係していると考えられています。

  1. 呼吸と声帯の異常な連動
    カタスレニアは、咽頭や声帯が呼気に合わせて「振動」
    することで声のような音が出ます。
    つまり、「いびき」が咽頭の振動音だとすれば、
    カタスレニアは声帯による“声”に近い現象なのです。
  2. 睡眠中の神経の誤作動
    睡眠時には脳の制御が一部休んでいます。そのため、「息を吐く時に声を出す」
    という無意識の反応が起きてしまうのではないかと考えられています。
  3. ストレスや緊張の影響
    一部では、精神的なストレスや呼吸リズムの乱れが関係している可能性も指摘されています。

■ 男女差や年齢差はあるの?

初期の研究では「男性に多い」と言われていましたが、最新の報告では
男女差はほとんどないと考えられています。
また、発症年齢も幅広く、子どもから大人まで確認されています。

ただし、

ストレスが多い生活をしている人や、睡眠リズムが不規則な人

に多い傾向があるようです。

■ どんな治療があるの?

ここがまた、この症状の難しいところです。

実は、カタスレニアに対して明確に効果のある薬はありません。
抗不安薬や睡眠導入剤、筋弛緩剤などを使っても改善しないことが多いのです。

また、リラクゼーション法としてよく知られる

ヨガ・瞑想・カウンセリング

なども、残念ながら直接的な改善にはつながらないことがほとんどです。

■ 一部で効果がある治療法 ― CPAP(シーパップ)療法

ただし、睡眠時無呼吸症候群(SAS)にも使われる

「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」が一部で効果が見られた

という報告があります。

CPAPとは、寝ている間に鼻や口に装置をつけて、一定の圧力で空気を送り込み、
気道の閉塞を防ぐ治療法です。
これによって、呼気の際に異常な声帯振動が起こりにくくなり、
うなり声が軽減するケースがあるとされています。

ただし、全ての人に効果があるわけではなく、医師の診断と指導のもとで行う必要があります。

■ カタスレニアは「うるさいけれど、危険ではない」

多くの睡眠障害は、健康に悪影響を与える可能性があるため治療が必要ですが、カタスレニアは例外です。
身体的な害はなく、命に関わることもないとされています。

しかし、同居している人が眠れなくなったり、心理的ストレスを抱えたりする可能性があるため、「うるさいけれど危険ではない」といっても、無視してよいわけではありません。

もし家族に指摘されたり、録音で自分のうなり声を確認した場合は、
睡眠外来や耳鼻咽喉科で一度相談してみることをおすすめします。

■ まとめ:カタスレニアとうまく付き合うために

■ まとめ:カタスレニアとうまく付き合うために
  • 「カタスレニア(睡眠関連うなり)」は、睡眠中に呼気とともにうなり声を出す珍しい現象。
  • いびきと異なり、酸欠や無呼吸はなく、身体的な害はない。
  • 原因は明確ではないが、声帯の振動や神経の誤作動が関与していると考えられている。
  • 治療薬はなく、ヨガや瞑想も無効。
  • 一部でCPAP療法が有効な場合がある。

うるさいけれど、命にかかわる危険はない――
それが「カタスレニア」という不思議な睡眠現象です。

もしあなたやご家族が夜中に「ん~~~」
という音を発しているようなら、少しだけ注意して観察してみてください。
必要以上に不安になる必要はありませんが、気になる場合は専門医に相談し、
安心して眠れる環境づくりを心がけましょう。