ラーメンを週3回以上食べ続けたら・・・最新研究が示す「こんな人」はラーメンを食べ過ぎると危ない?

ラーメンを週3回以上食べ続けたら・・・最新研究が示す「こんな人」はラーメンを食べ過ぎると危ない?

日本人にとって、ラーメンはまさに“国民食”と言える存在です。全国各地にご当地ラーメンがあり、好みに応じてさまざまな味を楽しめるラーメン文化は、今や日本の食の象徴のひとつです。なかには週に何度もお気に入りの店を巡る「ラーメン通」も多く、食べ歩きが趣味という人も少なくありません。
しかし、健康の観点から見ると、ラーメンは高カロリー・高脂質・高糖質、そして高塩分という特徴を持つ食べ物です。そのため、「食べすぎると体に悪いのでは?」という懸念も常に付きまとっています。

こうした中、2025年8月に発表された最新の研究が注目を集めました。発表されたのは国際的な学術誌「Journal of Nutrition, Health and Aging」。研究対象は“ラーメン王国”とも称される山形県です。山形市は2024年時点で、1世帯あたりの外食ラーメンへの年間支出額が22,389円と全国トップ。まさにラーメン愛好者の聖地といえる地域で行われた研究は、「ラーメンを食べる頻度と死亡率の関係」を明らかにしようとしたものです。

山形県民6,700人を対象にした調査

山形県民6,700人を対象にした調査

この研究では、40歳以上の山形県民およそ6,700人を対象に、ラーメンの摂取頻度に関するアンケートが実施されました。対象者はラーメンを食べる頻度によって以下の4つのグループに分類されました。

  1. 月1回未満
  2. 月1〜3回
  3. 週1〜2回
  4. 週3回以上

さらに、ラーメンだけでなく「麺類のスープをどのくらい飲むか」という点にも注目。ラーメン・うどん・そばのスープを「50%以上飲む」か「50%未満にとどめる」かによって、2つのグループに分けて解析が行われました。
追跡期間は中央値で約4.5年。その間に145人が死亡し、そのうち100人ががん、29人が心血管疾患によるものでした。

「週3回以上」で死亡リスクが上昇する傾向

解析の結果、統計学的な有意差は確認されなかったものの、興味深い傾向が見られました。
週3回以上ラーメンを食べる人は、週1〜2回の人と比べて死亡リスクが約1.5倍高い傾向を示していたのです。
一方、月に1回未満しかラーメンを食べない人も、同様に死亡リスクが1.4倍高くなる傾向を示しました。つまり、「ほとんど食べない人」と「食べすぎる人」の両極端で死亡率が上昇し、週1〜2回程度が最も死亡率が低いという結果でした。

さらに詳細に分析すると、特定の条件を持つ人でよりリスクが高まる傾向が見られました。
週3回以上食べるグループでは、

  • 男性で死亡リスクが1.74倍
  • 70歳未満で2.2倍
  • 麺類のスープを50%以上飲む人で1.76倍
  • 飲酒習慣がある人では2.7倍

といった結果が報告されています。
これらのデータは、ラーメンの摂取そのものよりも、「食べ方の傾向」や「生活習慣」との組み合わせが健康に影響を与える可能性を示唆しています。

なぜラーメンの食べすぎが危険なのか?

ラーメンが健康に悪影響を及ぼす最大の要因は、やはり塩分の多さにあります。
外食のラーメン1杯には、スープまで含めると7〜8g前後の食塩が含まれているといわれています。
一方、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人男性で1日7.5g未満、女性では6.5g未満が推奨されています。つまり、ラーメン1杯で1日の塩分摂取量を超えてしまう可能性が高いのです。

過剰な塩分摂取は、高血圧や動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。また、塩分が胃粘膜を刺激することで、胃がんのリスクが上昇することも報告されています。
山形県は全国的に塩分摂取量が多い地域として知られており、これが死亡率上昇の背景にある可能性も否定できません。

「スープを残す」「トッピングを工夫する」などの対策を

研究結果を踏まえると、ラーメンを完全に避ける必要はありません。しかし、食べ方の工夫が非常に重要です。
まず心がけたいのは、「スープを全部飲み干さない」こと。スープに含まれる塩分量は非常に多く、麺や具材を楽しむだけでも十分に味を堪能できます。
また、チャーシューや辛子高菜、メンマなど塩分の多いトッピングを控えるのも有効です。代わりに、野菜トッピングを増やすことで、カリウムを摂取し、体内のナトリウム排出を促すことができます。

さらに、ラーメンを食べた日は、他の食事で塩分を控えるよう意識しましょう。味噌汁や漬物を控えめにしたり、水分をしっかり摂取することで、バランスを取ることが可能です。
また、週3回以上食べる人は、外食だけでなく家庭でのラーメン摂取(インスタント麺など)にも注意が必要です。インスタント麺は保存性を高めるため、さらに塩分が多い傾向があります。

「適度に楽しむ」ことが健康の秘訣

興味深いのは、「まったく食べない人」よりも「週1〜2回食べる人」の方が死亡率が低かった点です。
これは、ラーメンを食べる人が外食や人との交流を楽しむことで、精神的な充実感や社会的つながりを得ている可能性もあります。食事は栄養だけでなく、心の健康にも大きな影響を与えるのです。

つまり、「我慢しすぎず、食べすぎず」が最も健康的な姿勢と言えます。
食べたいときに、バランスを意識して適度に楽しむ。それがラーメンと上手に付き合うコツでしょう。

まとめ:ラーメンは「量」よりも「頻度と習慣」がカギ

まとめ:ラーメンは「量」よりも「頻度と習慣」がカギ

今回の研究はあくまで観察研究であり、「ラーメンを食べると寿命が縮む」と断定できるわけではありません。
しかし、データから見えてくるのは、頻繁に食べる人ほど生活習慣病のリスクを高めやすいという事実です。特に、男性・中年層・スープを多く飲む人・飲酒習慣のある人は注意が必要です。

ラーメンを楽しむこと自体が悪いわけではありません。むしろ、週1〜2回ほどであれば、健康的な範囲で“心の栄養”にもなるでしょう。
大切なのは、スープを残し、塩分を控え、他の食事とのバランスを取ること。そして何より、自分の体と相談しながら、無理なく楽しむことです。

ラーメンは、正しく付き合えば人生を豊かにしてくれる最高の一杯です。健康を損なうことなく、これからも「おいしい幸せ」を味わうために、食べ方の工夫を心がけたいものですね。