それ、「バイト敬語」です!つい出てしまうNGな言葉遣い【ビジネスマナー】

皆さんは「バイト敬語」という言葉を聞いたことがありますか?
コンビニエンスストアやファミリーレストランなど、さまざまなお店でアルバイトの方が接客をされる場面があります。その際によく耳にする「一見丁寧に聞こえるけれど、実は誤った敬語表現」のことを、一般的に「バイト敬語」と呼びます。

それ、「バイト敬語」です!つい出てしまうNGな言葉遣い【ビジネスマナー】

もちろん、正しい言葉遣いで丁寧に対応されている方も多くいらっしゃいます。ですが、日常的に多くの現場で接していると、思わず間違った言葉遣いをしてしまう方も少なくないように感じます。言葉は時代とともに変化しますが、ビジネスの場では「伝統的に正しい」とされる日本語を使うことが、相手に信頼感や安心感を与える大切な要素です。

今回は、特に社会人として気をつけたい「バイト敬語」と呼ばれる言葉遣いを7つご紹介します。知らずに使っていると、相手に違和感を与えたり、「常識がない」と思われてしまう可能性もあります。ぜひこの機会に、自分の話し方を見直してみましょう。

「~の方」

まず最初は、「~の方(ほう)」という言い回しです。
たとえば「田中の方はただいま外出しております」という言い方。これは誤りです。正しくは「田中はただいま外出しております」となります。この「~の方」は不要です。

ただし、「~の方」にも正しい使い方はあります。
方角を示す場合:「自宅は南の方にあります」
選択肢を示す場合:「AとBでは、Aの方をおすすめします」
このような場面では自然な日本語として使えます。

「~じゃないですか」

次に、「~じゃないですか」という表現。
たとえば「私って意見が言えない人じゃないですか」という言い方。これは、相手に同意や共感を強要する印象を与えかねません。代わりに、「私は意見が言えない人なんです」と言えば自然で丁寧な印象になります。
また、「このプリンおいしいじゃないですか!」よりも、「このプリン、とてもおいしいと思いますよ」の方が柔らかく好印象です。

「~じゃないですか」を疑問として使う場合は問題ありません。
「この新商品は、使いやすいという話じゃないですか?」のように、情報を確認する形ならOKです。

「~になります」

続いては、「~になります」。
たとえば「こちらが書類になります」と言うのは誤りです。正しくは「こちらが書類でございます」となります。

「なる」という動詞は「AからBに変化する」ことを意味します。そのため、「会場は3階になります」も本来は不自然です。「会場は3階でございます」と言うのが正解です。

ただし、変化や結果を表す場合は使っても問題ありません。
「雨が降ると中止になります」「勉強になります」などは正しい使い方です。

「よろしかったでしょうか」

④「よろしかったでしょうか」

これは飲食店などでよく耳にする表現ですね。
「コーヒーでよろしかったでしょうか?」という言い方、どこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ですが、これは誤りです。
正しくは「コーヒーでよろしいでしょうか?」です。

「よろしいでしょうか」は今まさに相手に確認を取るときに使う表現です。「よろしかったでしょうか」は過去のことを確認する際にのみ使えます。
たとえば「前回の会議の席順はあれでよろしかったでしょうか?」のように、過去の出来事を確認する場合は問題ありません。

「~の形になります」

次に、「~の形(かたち)になります」。
たとえば「こちらでお待ちいただく形になります」は誤りです。正しくは「こちらでお待ちいただけますか?」が自然です。

ただし、形が実際に存在する場合(=物理的な“形”を表すとき)には使えます。
「これは三角の形になります」などがその例です。

「どちらにいたしますか」

カフェなどでよく耳にする言葉ですね。
「ホットとアイス、どちらにいたしますか?」――一見丁寧ですが、実は誤りです。
正しくは「ホットとアイス、どちらになさいますか?」です。

「いたす」は「する」の謙譲語で、自分が主語のときに使う言葉です。相手の行動を尋ねる場面では、相手を立てる「なさる(尊敬語)」を使うのが正解です。

ただし、「主語が自分」の場合は「いたす」を使えます。
たとえば「ホットとアイス、どちらもお持ちいたしましょうか?」は正しい言い方です。

「~から」

最後は、「~から」です。
レジで「1万円からお預かりします」と言う店員さんをよく見かけますが、これは誤りです。
正しくは「1万円お預かりします」です。

また、「1万円ちょうどお預かりします」も不自然です。この場合はおつりが発生しないため、「お預かり」ではなく「いただきます」「頂戴いたします」が正解です。
したがって、「1万円ちょうどいただきます」が最も適切な表現です。

もちろん、「AからBまで」のように範囲を表す場合は問題ありません。
「1円から1万円までのお金をお預かりします」は正しい使い方です。

まとめ:間違いに気づくことが第一歩

まとめ:間違いに気づくことが第一歩

敬語は、日本人にとっても難しいものです。口癖になっている言葉ほど、直すのには時間がかかります。しかし、日々意識して使っていくことで、少しずつ正しい言葉遣いが身についていきます。


今回ご紹介した7つの「バイト敬語」、あなたはいくつ使っていましたか?
一つでも思い当たるものがあれば、今日から少しずつ意識してみましょう。正しい言葉遣いは、相手への敬意を表す大切なマナーです。言葉の一つひとつに心を込めて、より印象の良いコミュニケーションを目指していきましょう。