がんを攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性を高める生活習慣

がんを攻撃!NK細胞を元気にする生活習慣

がんを攻撃!NK細胞を元気にする生活習慣

私たちの体の中では、日々たくさんの細胞が生まれ、古い細胞は入れ替わっています。その過程で、ときには「がん細胞」と呼ばれる異常な細胞が生まれることもあります。しかし、すぐに病気になるわけではありません。実は、体の中にはそれらの異常な細胞を見つけ出して排除する“見張り役”がいるのです。
その代表的な存在が「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」です。

NK細胞は、がん細胞やウイルスに感染した細胞を発見すると、すぐに攻撃して取り除いてくれます。いわば、体を守る“免疫の最前線”です。
ところが、このNK細胞の働きが弱まると、がんが成長しやすくなったり、治療後に再発したりすることがあると考えられています。

■ NK細胞とがんの深い関係

これまでの研究から、NK細胞がどれほど大切かが少しずつ明らかになってきました。
たとえば、がんの患者さんの血液を調べると、健康な人に比べてNK細胞の数が少なく、働きも弱くなっていることが分かっています。
また、がんの組織を詳しく見ると、NK細胞やほかの免疫細胞が多く集まっている人ほど、長く生きられる傾向があるという報告もあります。

さらに、臓器移植を受けた人は免疫を抑える薬を飲み続けますが、そうした人たちは一般の人よりもがんの発生率が高いことが知られています。
これらのことからも、NK細胞を中心とした免疫の働きが、がんの発生や再発を防ぐうえで欠かせないことがわかります。

では、NK細胞を元気にするにはどうすればいいのでしょうか?
最近の研究から、日々の生活習慣が大きく影響していることがわかってきました。

NK細胞の働きを弱める生活習慣

NK細胞の働きを弱める生活習慣

まずは、NK細胞を弱らせてしまう習慣から見ていきましょう。

1. 喫煙(たばこ)

たばこを吸う人は、吸わない人に比べてNK細胞の働きが低いことがわかっています。吸う本数が多いほど、その傾向は強くなります。
つまり、長年の喫煙やヘビースモーカーでは、NK細胞の力が落ちてしまい、がんを防ぐ力が弱まる可能性があるのです。

2. 飲酒(お酒)

お酒とNK細胞の関係についてはさまざまな研究がありますが、長期間にわたってたくさん飲む人では、やはりNK細胞の働きが落ちることがわかっています。特に肝臓にダメージがある人ではその傾向が顕著です。
「お酒はほどほどに」が、やはり体にとっていちばん良いようです。

3. ストレス

強いストレスもNK細胞の大敵です。
がんの不安や仕事のプレッシャーなど、精神的なストレスが続くと、NK細胞の数が減り、働きも鈍ってしまいます。
心と体はつながっています。ストレスを減らす工夫をすることは、NK細胞を元気に保つことにもつながります。

4. 肥満

太りすぎも免疫力を下げる原因のひとつです。
肥満の人ではNK細胞の数が減り、がん細胞を攻撃する力も弱くなるといわれています。
無理なダイエットではなく、食事のバランスを整えて、適正体重を維持することが大切です。

5. 加齢(年齢)

年齢を重ねると、どうしてもNK細胞の働きはゆるやかに落ちていきます。
これは避けられないことですが、生活習慣によってある程度は維持できることがわかっています。つまり、「年だから」とあきらめずに、今からできることを意識して取り入れることが大切です。

NK細胞を元気にする生活習慣

NK細胞を元気にする生活習慣

では逆に、NK細胞を活性化させるにはどうすればいいのでしょうか?
研究では、次のような生活習慣が効果的だといわれています。

1. よく眠ること

睡眠不足になると、NK細胞の数も働きも下がってしまいます。
これは、寝不足のときにストレスホルモンが増えるためです。
夜はしっかりと眠り、体と心を休ませることが大切です。
理想的には、7時間前後の睡眠を目指すとよいでしょう。

2. 適度な運動

運動はNK細胞を元気にする代表的な方法です。
定期的に体を動かしている人やアスリートでは、NK細胞の働きが高いことが多くの研究で示されています。
また、運動すると一時的にNK細胞が血液中に増え、その後、体内のがん細胞などを見つけて攻撃してくれるという報告もあります。
無理のない範囲で、ウォーキングや軽い筋トレなどを習慣にしていきましょう。

3. 森林浴

自然の中を歩く「森林浴」もNK細胞を活性化することがわかっています。
日本医科大学の研究では、森の中を歩いた人たちはNK細胞の数も働きも増え、さらにその効果が1か月後も続いていたといいます。
森林の香りには「フィトンチッド」という成分が含まれ、これが免疫を刺激すると考えられています。
休日には自然の中を散歩して、深呼吸してみるのもよいでしょう。

4. 音楽を楽しむ

音楽には、心をリラックスさせ、ストレスホルモンを減らす働きがあります。
実際に、音楽療法によってNK細胞の働きが高まったという報告もあります。
好きな曲を聴いたり、楽器を演奏したりする時間をもつことで、体の中の免疫も元気になります。

5. 笑うこと

「笑いは最高の薬」といわれますが、これは科学的にも裏づけがあります。
笑うことでストレスが減り、NK細胞が活発になることがわかっています。
お笑い番組を見たり、友人と楽しく話したりするだけでも、免疫力アップにつながります。
毎日の中に“笑いの時間”を少しでも取り入れてみましょう。

まとめ:NK細胞を味方につける生き方を

私たちの体の中では、NK細胞が24時間休むことなく働いています。
その力を最大限に引き出すためには、特別な薬やサプリメントよりも、日々の生活の積み重ねが何よりも大切です。

たばこを吸わない、飲みすぎない、よく眠る、体を動かす、自然や音楽、笑いを楽しむ。
どれもすぐに始められることばかりです。

NK細胞は、私たちが「心地よく生きる」ことで元気になります。
つまり、ストレスをためず、楽しく前向きに暮らすことが、がんを寄せつけない体づくりにつながるのです。