
〜朝の一杯で「腸活」と「がん予防」を〜
忙しい朝、時間がなくて朝食を抜いてしまうという方は少なくありません。
しかし、実は「朝食を抜く習慣」は、がんをはじめとする生活習慣病のリスクを高める可能性があることが、いくつもの研究で指摘されています。
今回は、がん専門医である私自身が日々実践している「時短・栄養満点の朝食」――ヨーグルトに加えるおすすめトッピング5選をご紹介します。
どれも簡単に用意できるものばかりですので、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。
ヨーグルトは、乳酸菌やビフィズス菌といった「善玉菌」を多く含む代表的な発酵食品です。
腸内環境を整え、免疫機能を高める働きがあることから、「腸活」を支える基本食材といえるでしょう。
さらに、ヨーグルトは良質なたんぱく質を豊富に含み、筋肉や免疫細胞の維持にも役立ちます。
消化吸収がよく、胃腸への負担も少ないため、体調がすぐれない日でも摂りやすいのが魅力です。
日本人約8万人を対象に12年間追跡した大規模研究によると、
ヨーグルトを最も多く摂取していたグループでは、全死因による死亡リスクが10〜20%低かった という結果が報告されています。
まさに、「長生き食材」と言っても過言ではありません。
市販のヨーグルトには、さまざまな種類があります。高たんぱくタイプや特定の乳酸菌を強化した機能性タイプなども人気です。
目的に合わせて選ぶのは良いことですが、できれば 砂糖や人工甘味料が添加されていない「プレーンヨーグルト」 を選ぶのがおすすめです。
ただし、プレーンヨーグルトをそのまま食べると味気なく感じることもあります。
そんなときに活躍するのが「トッピング」。健康効果を高めながら、美味しく続けられる工夫です。
以下に、私が実際に取り入れているおすすめのトッピング5つをご紹介します。
ベリー類には、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」が豊富に含まれています。
この成分には強い抗酸化作用があり、がん細胞の発生や増殖を抑える働きがあることが知られています。
実際に、アメリカの約10万人を対象とした研究では、
アントシアニンの摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループに比べて胆道がんのリスクが48%も低下 していたという報告があります。
ベリー類は新鮮なものが手に入れば理想的ですが、冷凍のブルーベリーやミックスベリーでも十分です。
凍ったままヨーグルトに入れれば、自然に溶けて甘酸っぱいデザートのようになります。
「チアシード」は、シソ科の植物チアの種で、栄養価の高さから“スーパーフード”として注目されています。
特に、食物繊維 と オメガ3脂肪酸 が豊富に含まれ、これらはどちらもがんのリスクを下げる栄養素として知られています。
水分を吸って10倍ほどに膨らむ特性があるため、満腹感を得やすく、朝食としての満足度もアップします。
ヨーグルトに混ぜると、ぷるぷるとした食感が楽しめますし、便通の改善にも役立ちます。
ナッツ類は、多くの研究で「がんを遠ざける食品」として報告されています。
ナッツを習慣的に摂取する人は、がんの発症リスクや死亡リスクが低い傾向があるという結果が複数の研究で示されています。
とくにおすすめなのは、木になるナッツ(ツリーナッツ)です。
ピーナッツよりも、アーモンド・くるみ・カシューナッツなどの方が健康効果が高いとされています。
なかでも くるみ はオメガ3脂肪酸や抗酸化物質が豊富で、抗炎症作用が強い点が特徴です。
ヨーグルトにかけるときは、細かく砕いたり、クラッシュタイプのナッツを使うと食べやすくなります。
香ばしさと食感が加わり、満足感のある一品になります。
毎日フレッシュフルーツを準備するのは大変、という方も多いでしょう。
そんなときに便利なのがドライフルーツです。常温で保存でき、手軽に栄養を補給できます。
研究では、ドライフルーツの摂取量が多い人は、すい臓がんによる死亡リスクが65%、前立腺がんの発症リスクが49%低下 していたという報告があります。
さらに、新鮮な果物とほぼ同等のがんリスク低下効果を示すというデータもあります。
ただし、食べ過ぎには注意が必要です。ドライフルーツには果糖が凝縮されているため、1回の量は小皿1枚程度を目安にしましょう。
最後にご紹介するのは、日本の伝統食材「きなこ」です。
近年は食卓に登場する機会が減ってきましたが、実は大豆製品は長寿や疾病予防に深く関わる優秀な食品です。
日本人を対象とした大規模調査では、大豆製品(特に発酵大豆製品)を多く摂る人ほど、すべての死因による死亡リスクが低い という結果が得られています。
一方で、過剰な摂取はホルモン関連がんのリスクをわずかに高める可能性も報告されているため、1日大さじ1杯程度 がちょうど良い目安です。
ヨーグルトにきなこを振りかけると、香ばしさとまろやかさが加わり、日本人の味覚にもよく合います。
蜂蜜を少量たらすと、より食べやすくなります。

がん予防や健康維持は、特別なことをしなくても、日々の食習慣を少し変えるだけで実現できます。
その第一歩として、「プレーンヨーグルト+健康トッピング」を毎朝の習慣にしてみてください。
どれも簡単に準備でき、味も栄養も満足できるものばかりです。
継続こそ最大の健康法。明日の朝から、あなたも「ヨーグルト+5つの力」で、からだの中から健康を育てていきましょう。