今回は、「がんのリスクを高める食事」についてのお話です。これは、がんを予防したい方だけでなく、過去にがんを経験された方にも、再発や新たながんを防ぐうえで役立つ内容です。これまでにも、研究結果をもとに「がんを防ぐ食べもの」や「がんのリスクを高める食べもの」についてお話してきましたが、今回はその総まとめとして、「こんな食事はなるべく避けたい」という3食と夜食についてご紹介します。
ただし、ここで挙げる食品を「絶対に食べてはいけない」と言っているわけではありません。あくまで、こうした食生活を日常的に続けているとがんのリスクが高くなる、ということを知っておくための参考としてお読みください。

まずは朝食です。
時間がない朝、つい手軽に済ませたくなりますが、菓子パン、とくに揚げパンやホットドッグ、そして100%フルーツジュースを常習的に摂るのは注意が必要です。
菓子パンは、見た目はおいしそうですが、多くの砂糖、添加物、油が使われています。こうした食品は「超加工食品」と呼ばれ、摂りすぎると大腸がんなどさまざまながんのリスクが上がると報告されています。とくに揚げパンのようにラードなどの油で揚げて砂糖をまぶしたものは、脂質と糖のダブルパンチ。毎日のように食べるのは避けたいところです。
次にホットドッグ。中に入っているソーセージやベーコンなどは「加工肉」と呼ばれます。加工肉は、長期的に摂りすぎるとがんのリスクを高めることが多くの研究で示されています。実際、アメリカの研究では「ホットドッグを1本食べると寿命が36分縮む」という衝撃的なデータも報告されています。
さらに、健康的に見える100%フルーツジュースも注意が必要です。果物をそのまま食べるのとは違い、果汁には食物繊維が含まれておらず、糖分が多くなりがちです。ある研究では、100%フルーツジュースをよく飲む人は、がんのリスクが約14%高いと報告されています。とくに「濃縮還元タイプ」には、コーンシロップや果糖ブドウ糖液糖などの高濃度の糖が加えられていることが多く、さらにリスクを高めると考えられています。
もし飲むなら、果物そのものを食べるか、自分でミキサーで作って、果肉ごと食物繊維を一緒に摂るようにしましょう。
次に昼食です。
忙しいお昼に便利なのがコンビニ弁当やカップラーメンですが、これらも注意が必要です。
まずコンビニ弁当。見た目はバランスが取れていそうでも、実際には野菜が少なく、揚げ物や肉類が中心になりがちです。また、保存や見た目をよくするために多くの添加物が使われています。毎日食べ続けると、体への負担は少しずつ大きくなっていきます。
次にカップラーメン。これも代表的な超加工食品です。油で揚げた麺や、味を濃くするためのスープには塩分や脂質が多く含まれています。食べすぎると血管や内臓に負担をかけ、長期的にはがんのリスクも高めるといわれています。お汁代わりにカップ麺を食べる習慣がある方は、できるだけ控えた方がよいでしょう。
そしてコーラなどのソーダ類。これらの加糖飲料には大量の砂糖が入っており、がんのリスクを上げるだけでなく、糖尿病や肥満など生活習慣病の原因にもなります。例えば、2リットルのソーダには角砂糖に換算して約30個分の糖が含まれているものもあります。のどが渇いたときは、水やお茶など、糖の入っていない飲み物を選びましょう。

そして夕食です。
仕事で疲れていると、つい外食やテイクアウトのファストフードに頼ってしまうこともありますが、ハンバーガーやチキンナゲットなども「超加工食品」の代表です。ハンバーガーには加工肉や脂質が多く含まれており、がんのリスクを高める要因になります。
なかでも「ベーコン入りバーガー」は要注意。ベーコンは加工肉なので、普通のハンバーガーよりもさらにリスクが高くなるといわれています。チキンナゲットも見た目は鶏肉ですが、実際には細かくした肉や脂を固めた「成形肉」。さらに高温の油で揚げることで、「AGE(終末糖化産物)」という物質が多く発生します。これは体の老化やがんのリスクを高める原因の一つと考えられています。
そしてお酒。かつては「少しなら健康にいい」と言われていましたが、近年では「安全な量のアルコールは存在しない」との見解が主流です。ストロング系などアルコール度数が高い飲み物を習慣的に飲むと、食道がんや大腸がん、乳がんなどのリスクが増えると報告されています。飲むとしても、量と頻度には十分注意が必要です。

最後に、夜食についてです。
夜遅くに食べること自体が、がんのリスクを高めるといわれています。とくに、ミックスピザやポテトチップス、ラクトアイスなどのスナック類は、脂質・糖質・添加物のかたまり。どれも超加工食品に分類され、がんのリスクを上げる可能性が高い食品です。
寝る前の夜食は、胃腸を休ませる時間を奪い、睡眠の質を下げる原因にもなります。どうしてもお腹が空いたときは、温かい味噌汁やヨーグルトなど、体にやさしいものを少量とる程度にとどめましょう。
ここまで、がんのリスクを高める「朝・昼・夜・夜食」の例を紹介してきました。
ただし、これらを一度でも食べたからといって、すぐに健康に影響が出るわけではありません。大切なのは、「習慣として続けないこと」です。
例えば、昨日がコンビニ弁当やファストフードだったなら、今日は野菜を多めに摂る。朝ジュースを飲んだ日は、夜は糖分を控える。そんな小さな積み重ねでも、体は確実に変わっていきます。運動を取り入れたり、十分な睡眠をとることもがんのリスクを下げる助けになります。
毎日の食事は、未来の自分の健康をつくる選択の連続です。
「がんがイヤなら」、今日の一食から、少しずつ見直してみてはいかがでしょうか。