― 食事の時間とがん発症リスクの関係を徹底解説 ―
私たちは普段、健康のために「何を食べるか」という点に意識を向けがちです。
しかし、実は「いつ食べるか」という食事のタイミングも、がんのリスクに深く関わっていることをご存じでしょうか。
「食事内容を気をつけているのに、なかなか健康状態が改善しない」という方は、もしかすると食べる時間の影響を見落としているかもしれません。
今回は、国内外の研究結果をもとに、食事の時間とがんリスクの関係について詳しくご紹介します。

まず注目したいのは、「夕食を食べる時間」とがんリスクの関係です。
フランスで行われた4万人以上を対象とする前向き観察研究では、1日の最後の食事時間とがんの発症率を比較しました。
その結果、午後9時半以降に夕食をとる人は、9時半より前に食べる人に比べて
と、有意に高いことがわかりました。
乳がんや前立腺がんは「ホルモン依存性がん」と呼ばれ、ホルモンバランスの乱れが発症の一因と考えられています。
遅い時間の食事によって、就寝中のホルモン分泌や代謝のリズムが乱れ、結果としてがんのリスクを高めてしまうのではないかと推測されています。
次に注目すべきは、「夕食から就寝までの時間」です。
中国で行われた研究では、大腸がん患者166人と健康な人166人を比較し、夕食と就寝までの間隔を調査しました。
その結果、
夕食後2〜3時間以内に就寝する人は、
4時間以上あけて寝る人に比べて、大腸がんのリスクが約2.5倍も高いことが明らかになりました。
これは、食後すぐに横になることで消化活動が十分に行われず、腸内で炎症や酸化ストレスが起こりやすくなることが要因の一つと考えられます。
理想的には、夕食から就寝まで最低でも3〜4時間はあけるようにしましょう。
食後の軽い散歩なども、消化を助けると同時に血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。
スウェーデンで行われた高齢男性を対象とする観察研究では、「朝食から夕食までの時間」とがんによる死亡リスクの関係が調べられました。
研究では、「1日の最初の食事から最後の食事までの間隔」と「日々の食事時間のばらつき」に注目しました。
結果は次のとおりです。
つまり、**「食事の時間が毎日バラバラ」**であることも、体内リズムを乱し、がんの発症・進行リスクを高める可能性があるということです。

では、朝食を抜けば食事の間隔を短くできるのでは?
そう考える方もいるかもしれませんが、実は朝食抜きは逆効果です。
アメリカで行われた40歳以上の約7000人を対象とする研究によると、
つまり、朝食を不規則にとることは、完全に抜くよりもむしろ悪影響が大きい可能性があります。
朝食を抜くと血糖コントロールが乱れ、ホルモン分泌のバランスも崩れます。
その結果、慢性炎症が起こりやすくなり、肥満や心血管疾患のリスクも高まることがわかっています。

これらの研究を踏まえて、がんリスクを減らすために心がけたい食事のタイミングをまとめます。
とはいえ、仕事の都合や家庭の事情で「早い夕食」や「一定の時間の食事」が難しいという方も多いでしょう。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、少しずつ改善していくことです。
たとえば、
といった小さな工夫からでも、十分に効果が期待できます。
がんの予防というと「何を食べるか」に注目が集まりがちですが、
最新の研究からは「いつ食べるか」もそれと同じくらい重要であることがわかっています。
日々の生活の中で「食べる時間」を少し意識するだけで、
将来の健康を守ることができるかもしれません。