皆さんは、自分自身にどれくらい自信がありますか?
発達障害を持つ方々は、自信を持つことが難しいと感じるケースが多いと言われています。この記事では、発達障害を持つ方々の共通心理の一つである「自己肯定感が低い」という問題について解説し、その原因や克服の方法をご紹介します。
自己肯定感とは何か。
一般社団法人セルフエスティーム普及協会によれば、自己肯定感とは「自分の存在そのものを認める感覚であり、ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止めることができる感覚」を指します。言い換えれば、自分の良い面も悪い面も肯定的、好意的に受け入られる感覚です。
自分の苦手な部分や失敗も受け入れ、全体として自分を大切に思える状態を指します。この感覚があると、日常の出来事に対して前向きに取り組む力が湧いてきます。一方で、自己肯定感が低い場合、自分に自信が持てず、前向きに物事に取り組めなくなってしまったりする傾向があります。

発達障害とは?
発達障害は、脳機能の発達に何らかの偏りがあることによって生じる特性を指します。主に以下のような種類があります。
• ASD(自閉スペクトラム症):社会的なコミュニケーションや行動の特性に偏りがある。
• ADHD(注意欠陥多動性障害):注意力が散漫であったり、多動性や衝動性が強い。
• LD(学習障害):読み書きや計算といった学習分野での困難さを抱える。
これらの障害は、環境や周囲の理解によってその影響の大きさが異なるため、「本人の努力次第」という問題ではありません。しかし、発達障害を持つ方々の中には、幼少期や社会での経験から自己肯定感が低くなる傾向が見られるのです。
<幼少期や学生時代の経験>
発達障害の特性は幼少期から現れることが多く、学校生活や家庭で他の子どもたちとの違いが浮き彫りになる場面があります。例えば、次のような状況です。
• 集中が続かず、授業中に注意される。
• 友人とのコミュニケーションがうまくいかず、孤立する。
• 簡単に見える課題でも、特性によって躓きやすい。
こうした経験を繰り返す中で、「自分は周囲と比べて劣っている」と感じることが増えます。そして、失敗が重なり、周囲から叱責を受けたり、自己評価が下がったりすることが積み重なることで、自己肯定感が低下してしまうのです。
<社会人になってからの困難>
大人になり社会に出ると、新たな課題が待っています。職場で次のような経験をすると、自己肯定感が低下する場合があります。
• 「なんでこれくらいできないの?」といった叱責を受ける。
• 作業のミスが多いことで、責任感や努力不足だと評価される。
• 周囲と比べ、自分が劣っていると感じる。
これらの経験が積み重なると、「自分はダメだ」「努力が足りない」と思い込み、自信を失ってしまうのです。
失敗そのものは決して悪いことではありませんし、むしろ挑戦したことに価値を置くべきなのですが、残念ながら周りの方の理解力によって左右されてしまうことが多いです。
つまり、環境の要因によるところも大きいのです。自己肯定感が低いとか自信が持てなくてもそれは決してあなた自身の努力不足がすべての原因でないことをぜひ理解してください。
自己肯定感を高めるには、自分の強みを見つけ、それを活かすことが重要です。経営学者ピーター・ドラッカーは、「成果を生むのは強みだけである。弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。強みを活かすことにエネルギーを費やさなくてはならない。」と述べています。
自分の短所や苦手な部分にばかり注目せず、強みに注目することで、自己肯定感が高まり、幸福感も増します。
強みを見つける方法として、「リフレーミング」という手法があります。リフレーミングとは、物事を別の視点から見直し、新たな価値を見出す方法です。たとえば、次のように短所を強みに置き換えることができます。
• 短所:大雑把 → 強み:物事を迅速に処理する能力がある
• 短所:優柔不断 → 強み:慎重に物事を検討できる
• 短所:融通が利かない → 強み:信念を持ち、やり遂げる力がある
短所を強みに変換することで、自分にポジティブな評価を与えることができ、自己肯定感が高まります。就職活動の際の自己分析のワークなどでも取り入れられていることが多いので、そういった書籍を参考に取り組んでみると良いでしょう。
自信を高めるためのシンプルかつ効果的な方法として、「パワーポーズ」を取ることが挙げられます。

パワーポーズとは、ハーバード大学のエイミー・カディ教授が提唱した方法で、簡単なポーズを取るだけで自信を高めることができる手法です。具体的な方法は次の通りです。
1.両手を腰に当て、胸を張る(ワンダーウーマンのポーズ)
2.両手を頭上に大きく伸ばす(スーパーマンのポーズ)
1,2いずれの姿勢でも構いませんので、2分間試してみてください。ストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、自信を高めるホルモンであるテストステロンが増加することが科学的に証明されています。日々の習慣に取り入れることで、自然と自信を高めることができます。
この記事では、発達障害を持つ方々に見られる共通心理である自己肯定感の低さについて、その原因や克服方法を解説しました。以下に要点を整理します。

自己肯定感や自信を持つことは、すべての人にとって重要ですが、発達障害を持つ方々にとっては特に重要なテーマです。
自分の特性を理解し、強みを活かすことで、より豊かな人生を送ることができるはずです。
発達障害を「個性」として前向きに捉えられる社会を、一緒に築いていきましょう。