がんの燃料になる糖類3選!研究からわかった「がん細胞」の増殖や転移を加速する控えたい「糖類」とは?

「がんの燃料?控えたい糖類3選」というお話です。
糖とがんの関係については、これまでにたくさんの研究が行われてきました。一般的には、糖を摂りすぎるとがんの成長や転移が早く進むといわれています。ただし、一口に「糖」といってもいろいろな種類があります。そのため、どの糖が特に注意すべきなのかを知ることが大切です。今回は、がん細胞の増殖や転移を助ける「がんの燃料」とされる3つの糖について、わかりやすく紹介します。

1つ目:ぶどう糖(グルコース)

1つ目:ぶどう糖(グルコース)

私たちの体にとってぶどう糖は、欠かせないエネルギー源です。食事で摂った糖質は体の中で分解され、最終的にぶどう糖となって細胞のエネルギーになります。ところが、がん細胞はこのぶどう糖を普通の細胞よりも多く取り込み、どんどんエネルギーを作り出して増殖します。これは「ワールブルグ効果」と呼ばれる現象です。

実際に、がん細胞を使った実験では、周りにぶどう糖が多いほど、がん細胞の動きが活発になり、転移しやすくなることが確認されています。人を対象とした研究でも、血糖値が高い人や糖を多く摂る人では、がんの発生率や死亡率が高くなる傾向が報告されています。

また、血糖値が上がると、体はそれを下げようとして「インスリン」というホルモンを出します。インスリンには血糖を下げる働きのほかに、細胞の増殖を促す作用もあるため、がん細胞にとってはさらに都合がよくなります。つまり、ぶどう糖を摂りすぎると、がんが成長しやすい環境を自分でつくってしまうことになるのです。

もちろん、ぶどう糖は生きるうえで必要なものですから、完全に避けることはできません。ただ、過剰な摂取はがんの進行を早める可能性があるため、砂糖や甘い飲みものの摂りすぎには注意したいところです。

2つ目:果糖(フルクトース)

2つ目:果糖(フルクトース)

果糖は、果物や野菜、はちみつなどに含まれる自然の甘味成分です。しかし、最近では人工的に作られた高濃度の果糖が、ジュースや清涼飲料水、加工食品などに多く使われています。この「人工的な果糖」が問題視されています。

ある研究では、果糖そのものが直接がんの栄養になるわけではないものの、肝臓で代謝されると「脂質(あぶらの一種)」を増やすことがわかりました。この脂質ががんの成長を助ける可能性があるのです。つまり、果糖は間接的にがんの燃料になるというわけです。

さらに、人を対象とした大規模な調査では、果糖の摂取量が多い人ほど、がんのリスクが高まるという結果が出ています。スペインで行われた7,000人以上を対象とする研究では、液体の糖(ジュースなど)を多く摂る人は、がんになるリスクが明らかに高くなっていました。特にフルーツジュースに含まれる果糖は、摂取量が1日5グラム増えるごとにがんのリスクが39%も上昇していたと報告されています。

注意したいのは、「異性化糖」と呼ばれる人工の糖です。これは、でんぷんを加工して作られたもので、「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」「高果糖液糖」などと表示されています。安くて大量に作れるうえに、冷たい飲み物でも甘みを強く感じるため、清涼飲料水などに広く使われています。

一方で、果物をそのまま食べる分には問題ありません。果物にはビタミンや食物繊維、抗酸化成分など、がん予防に役立つ成分も豊富に含まれています。問題なのは、果糖を濃縮したジュースや甘い飲み物を習慣的に飲むことです。自然の果物はほどほどに楽しみ、人工的な果糖が多い飲料は控えるのが賢明です。

3つ目:コーンシロップ

3つ目:コーンシロップ

最後はコーンシロップです。これは、トウモロコシのでんぷんを分解して作られる液体の糖で、主にぶどう糖と果糖が混ざっています。先ほどの異性化糖とほぼ同じ意味で使われることも多いです。

コーンシロップは、他の甘味料よりもねばりけがあり、水分を保つ性質があります。そのため、アイスクリームやお菓子、ソース、清涼飲料水など、多くの加工食品に使われています。見た目や食感をよくする目的で添加されることが多いため、知らず知らずのうちに摂取している人も少なくありません。

動物実験では、コーンシロップを与えたマウスの大腸にできた腫瘍が大きく成長したという報告があります。ぶどう糖は直接、果糖は脂質を通じて間接的にがんの栄養になるため、この2つを含むコーンシロップはがんの増殖を後押しする可能性があると考えられています。

まとめ:糖との上手な付き合い方

ここまで、がんの燃料となりやすい糖として「ぶどう糖」「果糖」「コーンシロップ」の3つを紹介しました。これらをまったく摂らない生活は現実的ではありませんし、糖を完全に断つことが健康につながるわけでもありません。ただし、現代の食生活では、意識しないと簡単に摂りすぎてしまうのも事実です。

大切なのは、「何を、どれくらい摂っているのか」を意識することです。特に、加工食品や飲み物を買うときには、成分表示を見て「果糖」「ぶどう糖果糖液糖」「コーンシロップ」などの表記がないか確認してみましょう。知らないうちに糖をたくさん摂っていることに気づくはずです。

また、甘いものを控えるかわりに、果物や野菜など自然の甘みを生かした食事を楽しむのもおすすめです。急にすべてをやめる必要はありませんが、少しずつ「甘い飲みものを水やお茶に変える」「間食をフルーツにする」など、小さな工夫で体にやさしい選択ができます。

糖は私たちの体にとって必要なエネルギーである一方、摂りすぎるとがん細胞の燃料にもなり得ます。甘い誘惑に流されず、上手にコントロールすることで、健康な体を守っていきたいですね。