【大人の発達障害】6分で分かる!ADHDの特性について

 近年、発達障害に関する理解が進み、その一つであるADHD(注意欠陥多動性障害)についても広く知られるようになりました。一方で、「もしかして自分もADHDかもしれない」と悩む方や、「身近な人の特性が分からず接し方に困る」といった声も多く聞かれます。

 この記事では、ADHDの基本的な特性を詳しく解説するとともに、それが生活にどのような影響を及ぼすのか、また、その特性をどのように強みに変えていけるのかを考察します。
読者の皆さんが、自分自身や周囲の人に対して理解を深め、前向きに考えるきっかけとなることを願っています。

ADHDとは?

ADHDとは?

 ADHDはAttention Deficit Hyperactivity Disorder(注意欠陥多動性障害)の略で、発達障害の一つに分類されます。主に注意力の欠如、衝動性、多動性という3つの特性が挙げられます。

成人におけるADHDの割合と課題

 ハーバード大学医学部のケスラー博士よると、成人のADHD発症率は約4.4%とされ、およそ23人に1人が該当します。これは特別なものではなく、私たちの周りにも多くの方がいると考えられます。

 ただし、成人のADHDは、子どもの頃に診断されず見過ごされていたケースも多くあります。
そのため、学生時代には特性が目立たなくても、社会に出てから、仕事でいつもミスをして上司から怒られる、うまく人間関係が築けない、いろんなことが気になり集中できない、こういったことが続き、課題が顕著になることがあります。

ADHDの大人における生きづらさ

成人のADHDを抱える方は、次のような困難に直面しやすい傾向があります。
 • 仕事での失敗やミスが多く、自信を失う。
 • 人間関係の摩擦や孤立感を感じる。
 • 何をしても空回りし、「努力が報われない」と感じる。

 こうした状況は、本人の努力不足ではなく、ADHD特有の特性によるものです。
しかし、その特性を理解し、対策を講じることで、自分らしい生き方を見つけることができます。

ADHDの3つの特性:その課題と影響

ADHDの3つの特性:その課題と影響

ADHDの特性には、以下の3つが挙げられます。
それぞれの特性がどのような課題を引き起こすかを見ていきましょう。

1.注意欠如

<特徴と課題>
  • 集中力が続かず、簡単に気が散ってしまう。
  • 優先順位や計画を立てるのが苦手。
  • ケアレスミスが多く、忘れ物が目立つ。
  • 締め切り直前まで作業に取り掛かれない。

<影響例>
 職場では「メモを取ったのに見返すのを忘れる」「上司の指示を聞いても途中で内容が分からなくなる」といったミスが生じやすいです。
結果として、評価が下がり、自分への自信も失ってしまうことがあります。
 また、家庭では「買い物に行ったのに必要なものを買い忘れる」「片付けが苦手で部屋が散らかる」といった困りごとが増えることもあります。

2.衝動性

<特徴と課題>
 • 突発的な行動を取ってしまい、後悔することが多い。
 • 怒りや感情がコントロールできない。
 • 衝動的な買い物や無計画な行動が多い。

<影響例>
 たとえば、友人や職場の同僚との会話で、思ったことをそのまま口に出してしまい、トラブルになることがあります。
また、給料をもらった直後に衝動買いをしてしまい、生活費が足りなくなるケースもあります。
さらに、感情が爆発しやすいため、些細なことで人間関係に摩擦を起こすこともあります。

3.多動性

<特徴と課題>
 • じっとしていられず、体を動かしてしまう。
 • 会議や行列で順番を待つのが苦手。
 • 貧乏ゆすりやペン回しなど、落ち着かない動きが多い。

<影響例>
 子どもの頃には教室を走り回るような目立つ行動が多いですが、大人になると目立たなくなる傾向があります。それでやはり、じっと座っていると落ち着かなくなるという気持ちは変わらずに残ります。

 このほかにもまだまだ症状や事例はあります。
また、特性の現れ方や程度は人それぞれに違いますので、すべてに当てはまるからADHDというわけではありません。しかし、こうした症状が原因で生きづらさを感じているのであれば、もしかするとADHDなのかもしれません。

ADHDの特性を「強み」に変える考え方

ADHDの特性を「強み」に変える考え方

ADHDの特性は、一見するとデメリットばかりに思われるかもしれません。
しかし、これを逆手に取れば、大きな強みとして活用することが可能です。以下に、その考え方と具体例を挙げます。

1.注意欠如を強みに変える

 気が散りやすい性質は、逆に「多方面に気付ける観察力」と捉えることができます。
この能力は、特に複雑な状況や新しい環境で力を発揮します。
また、注意力が分散しやすいからこそ、クリエイティブな発想が生まれることもあります。

<例>
 • 複数のプロジェクトを同時進行する職場で活躍する。
 • デザインや企画職など、アイデア重視の仕事に向いている。

2.衝動性を強みに変える

 衝動的に行動してしまう性質は、見方を変えると「行動力の高さ」と捉えられます。
また、慎重すぎて行動が遅れる人に比べ、迅速に結果を出すことができるのも利点です。

<例>
 • 必要なときに素早く行動し、リーダーシップを発揮する。
 • 新しいチャレンジに積極的で、チームをけん引できる。

3.多動性を強みに変える

 じっとしていられない性質は、体を動かす仕事や、活発さが求められる場面で大きな武器となります。また、エネルギッシュな性格は周囲を明るくする力にもつながります。

<例>
 • イベントの運営や現場作業など、動きの多い職種に適性がある。
 • フィットネスやスポーツ関連の仕事で活躍する。

自己理解を深め、輝ける環境を選ぶ

 ADHDに限らず、自己理解を深めることは、自分に合った生き方を見つけるための重要なステップです。他人との違いを認め、自分の特性を理解することで、自分が活躍できる環境を選ぶことができます。
 たとえば、適切な支援を受けることで特性をカバーしながら、強みを発揮できる仕事やライフスタイルを選択することが可能です。また、自己肯定感を高めるためには、自分の得意分野を活かせる趣味やプロジェクトを見つけることも重要です。

まとめ:ADHDは個性の一部

 ADHDの特性は課題をもたらす一方で、個性としての魅力や強みを持っています。
それを悲観的に捉えるのではなく、自分を受け入れ、適切に活用することで、豊かな人生を築くことができます。

 もし、この記事を読んで、「自分もADHDかも」と感じたら、専門の医療機関に相談することも一つの選択肢です。また、周囲の人に理解を求めることで、生きやすさが格段に向上する場合もあります。

 どんな特性を持っていても、その人だけの価値や魅力があります。
本記事が、皆さんにとって自己理解の一助となり、前向きに人生を歩むきっかけとなれば幸いです。