ナッツといえば、
「美容や健康に良い食べ物」
というイメージを持つ方が多いでしょう。
アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツなど、
最近では手軽に手に入るスナックとして人気があります。
しかし、ナッツの健康効果はそれだけにとどまりません。
最新の研究では、
「ナッツの摂取ががん患者の生存率を改善する可能性がある」
と報告されています。
本記事では、その根拠や研究結果、
そして日常生活での取り入れ方について詳しくご紹介します。

ナッツは小さな実の中に、私たちの
体にうれしい栄養素をたっぷりと詰め込んでいます。
代表的な成分は以下の通りです。
こうした栄養素の働きにより、ナッツを日常的に食べることで、
心臓疾患や糖尿病などの生活習慣病のリスクが下がる
ことが数多くの研究で示されています。
たとえば、世界的に権威ある医学誌
『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)』に掲載された報告では、
ナッツを定期的に食べている人は、食べない人に比べて
全死亡リスクが約20%も低い
という結果が得られました。
糖尿病は、血糖値のコントロールがうまくいかないことで
全身の代謝や免疫機能に影響を与えます。
実は、糖尿病は「がんの進行リスクを高める」ことも
知られており、生活習慣の改善ががん予防にも直結します。
ナッツは血糖値の上昇を緩やかにし、インスリン抵抗性を
改善する効果があるため、糖尿病の予防・改善にも役立ちます。
つまり、
ナッツを食べることが、間接的にがんの進行を抑える可能性がある
ともいえるのです。
特に注目されているのが、ナッツの摂取と
大腸がんの再発率・生存率に関する研究です。
アメリカで行われた大規模臨床試験では、
ステージⅢの大腸がん患者826人を対象に、手術後の
補助化学療法(抗がん剤治療)の期間中に食事内容を詳細に調査しました。
参加者には、
「1週間または1か月にどのくらいナッツを食べるか」
というアンケートが行われ、
その後、再発率や生存期間との関係が分析されました。
1サービングは28グラム(約ひと握り分)と定義されています。
結果は驚くべきものでした。
ナッツを全く食べない人に比べ、
週に2回以上ナッツを食べていた人は、
がんの再発または死亡リスクが42%低下。
さらに、
全生存率(生きられる期間)も改善し、
死亡リスクが57%も低下
していたのです。
この傾向は大腸がんだけに限りません。
ナッツを週3回以上食べている人は、消化管・肝臓・すい臓といった
消化器系のがんの死亡率が44%低下するという報告もあります。
つまり、ナッツは単なる「健康おやつ」ではなく、
がんの再発予防や治療のサポートとしても注目されているのです。
研究では、「ピーナツ以外のナッツ」、つまり
**ツリーナッツ(Tree Nuts)**
が特に効果的であるとされています。
ツリーナッツとは、木になるナッツのこと
を指し、以下のような種類があります。
これらのナッツは、オメガ3脂肪酸やポリフェノール
などの抗酸化物質を多く含んでおり、細胞の酸化
ストレスを抑える働きが期待されます。
では、どのくらいの量を食べるのが理想的なのでしょうか。
研究で使われた基準では、「1サービング=28g」、
つまり握りこぶし1つ分程度です。
これを週に3日以上食べることで、再発予防や
健康維持に効果があるとされています。
ただし、ナッツはカロリーが高めなので、食べすぎには注意が必要です。
1日あたり30gを目安に、無塩タイプ・無添加タイプを選ぶとよいでしょう。
筆者自身も毎日、間食やおやつの代わりにナッツを取り入れています。
特におすすめなのは、
といった方法です。
料理に少し加えるだけでも風味と食感が豊かになり、満足感がアップします。

ナッツは、その小さな粒の中に、私たちの
健康を支える栄養がぎっしり詰まっています。
心臓病や糖尿病といった生活習慣病のリスクを減らすだけでなく、
最新の研究では
「がんの再発率や死亡率を下げる」
可能性まで示されています。
特に大腸がんの患者さんにおいては、
ナッツを多く摂る人ほど生存期間が長くなる
という結果が出ています。
もちろん、ナッツだけでがんが治るわけではありませんが、
治療の一環として、あるいは再発予防のサポートとして、
「食べる療法(フードセラピー)」
の一つとして取り入れる価値は大いにあります。
週に3日、ひと握りのナッツを習慣に。
それが、あなたの未来の健康を守る小さな一歩になるかもしれません。