【知らなかった?】ビタミン〇〇をとりすぎると「がん」が・・・

【知らなかった?】ビタミン〇〇をとりすぎると「がん」が・・・

私たちの体にとって、ビタミンは欠かすことのできない栄養素です。健康な体を保つためには、それぞれのビタミンが重要な役割を果たしています。たとえば、ビタミンCが不足すると「壊血病」という病気を起こすことがありますし、ビタミンDが足りないと骨が弱くなったり、免疫の働きが落ちて感染症にかかりやすくなることもあります。

このように、ビタミンは健康維持に欠かせない一方で、「摂り過ぎ」についてはあまり知られていません。体に良いと思ってサプリメントでたくさん摂っている方も多いですが、実は一部のビタミンを過剰に摂取すると、かえって健康に悪い影響を与えることがあるのです。今回は、その中でも「がん」と関係が深いとされるビタミンに注目してみましょう。

ビタミンB12と「がん」の関係に注目

ビタミンB12と「がん」の関係に注目

2021年に発表された日本の研究では、ビタミンB12の摂取量と「食道がん」の発症リスクとの関係が報告されました。この研究は日本人約8万7千人を対象に行われ、食事からどのくらいのビタミンを摂っているかを詳しく調査したものです。対象となったのはビタミンB12、ビタミンB6、葉酸、そしてメチオニンという栄養素です。これらはDNAの生成や細胞の修復などに深く関わっています。

その結果、お酒を飲まない人のグループにおいて、ビタミンB12を多く摂取していた人は、食道がんになるリスクが約2.8倍に上昇していることが分かりました。さらに、メチオニンを多く摂っていた人では3.5倍ものリスク上昇が見られたといいます。一方で、お酒を飲む人ではこのような関係は確認されず、またビタミンB6や葉酸についても明確なリスク上昇はありませんでした。

この結果から、ビタミンB12の摂り過ぎは一部の人にとってがんのリスクを高める可能性があると考えられます。

血液中のビタミンB12濃度が高い人はがんになりやすい?

食事からの摂取量だけでなく、血液中のビタミンB12の量が多い人ほど、がんの発症率が高いという研究も報告されています。

2019年、イギリスで行われた大規模な調査では、75万人以上を対象に血液中のビタミンB12の濃度を測定し、その後のがん発症率を追跡しました。その結果、血液中のB12が高かった人は、1年以内にがんを発症するリスクが4.7倍にも上昇していたというのです。とくに、肝臓がん・すい臓がん・白血病などのリスクが高くなっていました。

さらに2021年には、フランスで行われた研究でも同じような傾向が見られました。この研究では血液中のビタミンB12を2回測定した人を対象にしており、どちらの検査でも1000ng/mL以上という高い数値を示していた人では、その後にがんが発生するリスクが約5.9倍にも上昇していたという報告がされています。

こうした結果から、ビタミンB12の量が過剰に高い状態は、がんの前兆である可能性があるとも考えられています。もちろん、がんそのものがビタミンB12の代謝に影響を与え、血中濃度を上げている可能性もありますが、「高すぎるB12は要注意」であることは間違いなさそうです。

ビタミンB12の役割と摂取源

ビタミンB12の役割と摂取源

そもそもビタミンB12とはどんな栄養素なのでしょうか。ビタミンB12は水に溶ける性質を持ち、体の中では「補酵素」として、タンパク質の合成や神経の働きの維持などに関わっています。そのため、不足すると貧血になったり、手足のしびれなどの神経の症状が出ることもあります。

ビタミンB12は、動物性の食品に多く含まれており、たとえば牡蠣やあさり、しじみ、さんま、レバー、海苔などが代表的な食材です。普通の食生活をしていれば、必要な量を十分に摂取できます。

一方で、胃の手術を受けた方や、動物性食品を一切口にしない菜食主義の方は不足しやすいため、医師の指導のもとでサプリメントなどを利用する場合もあります。

サプリメントの摂り過ぎに注意

サプリメントの摂り過ぎに注意

問題は、食事だけではなくサプリメントなどで「必要以上に」ビタミンを摂ってしまうことです。水溶性ビタミンは体に溜まりにくいといわれていますが、それでも過剰に摂り続けると血液中の濃度が高くなり、体に思わぬ影響を及ぼすことがあります。

特にビタミンB12のように「たくさん摂っても害がない」と思われていた栄養素でも、最新の研究では摂り過ぎががんのリスクと関係する可能性があることが分かってきました。

サプリメントは「健康を補う」ためのものであって、「多ければ多いほど良い」というものではありません。もし健康診断などでビタミンB12の数値が異常に高い場合は、自己判断せずに医師に相談することをおすすめします。

まとめ:ビタミンも「ほどほど」がいちばん

今回紹介した研究から分かるのは、「体に良い」とされる栄養素でも、摂り過ぎると逆効果になることがあるということです。ビタミンB12は確かに重要な栄養素ですが、過剰な摂取ががんのリスクを高める可能性がある以上、注意が必要です。

食事から自然に摂るぶんには心配いりませんが、サプリメントを使う際には「足りない分を補う」程度にとどめることが大切です。健康のために始めたことが、思わぬリスクにつながらないようにするためにも、バランスの取れた食生活を心がけたいものです。

「体に良いこと」を意識するのは素晴らしいことですが、やり過ぎは禁物。ビタミンもまた、「ほどほど」が一番の健康法といえるでしょう。