
今回は「大腸がんを防ぎたい人におすすめの果物」についてのお話です。
大腸がんは今、日本でも世界でも増え続けている病気のひとつです。かつては胃がんが多い時代もありましたが、今では大腸がんの患者さんが年々増えており、女性ではがんによる死亡原因の第1位となっています。
大腸がんは、遺伝によって起こることもありますが、そうしたケースはごく一部です。実際には、食事や生活習慣などの影響が大きいとされており、「生活を見直すことで予防しやすいがん」ともいわれています。
では、どんな食べ方や食べものが大腸がんの予防につながるのでしょうか。これまでの研究では、いくつかの栄養素や食品が大腸がんのリスクを下げる可能性があることがわかっています。
ここでは、そうした背景をふまえながら、最後に「特におすすめの果物4つ」を紹介していきたいと思います。
まずは、大腸がんのリスクを下げるといわれる代表的な5つのポイントを簡単に紹介します。
もともとは頭痛や発熱に使われてきた薬ですが、血液をサラサラにする作用があることから、今では心臓や血管の病気を防ぐためにも使われています。
研究では、長期間の使用によって大腸がんなどの消化器のがんのリスクを下げる可能性があるとされており、発症の可能性を3割ほど減らしたという報告もあります。
ただし、副作用などのリスクもあるため、自己判断で使うのではなく、あくまで医師の管理のもとで服用することが大切です。
マグネシウムは体の調子を整えるミネラルの一種で、海藻、豆類、ナッツ、野菜、魚介類、玄米などに多く含まれています。
マグネシウムをしっかりとる人は、大腸がんのリスクが10~20%低くなるという研究があります。毎日の食事に少しずつ取り入れることで、自然と体が喜ぶ栄養素です。
葉酸は、ビタミンB群のひとつで、細胞を元気に保つために欠かせない栄養です。
ほうれん草や春菊、アスパラガスなどの青菜、納豆や鶏レバーなどに多く含まれています。
この葉酸を多くとる人では、大腸がんのリスクが10~15%ほど低いという報告があります。食卓に緑の野菜を多く並べることが、体の内側から健康を支えてくれます。
意外かもしれませんが、牛乳やヨーグルトなどの乳製品をよくとる人は、大腸がんのリスクが約2割低いという結果が出ています。
これは乳製品に含まれるカルシウムが、腸の中でがんの原因となる物質を抑えてくれるためではないかと考えられています。
ただし、乳製品のとりすぎは前立腺がんなど他のがんのリスクを高めるという報告もあり、バランスが大切です。
もっとも基本的で、しかも効果が大きいのが野菜と果物、食物繊維をたっぷりとることです。
海外の研究機関では、野菜と果物を合わせて1日400グラム以上食べることが推奨されています。
こうした食べものには、体の中の老廃物を外に出す力があり、腸をきれいに保つことで、がんを遠ざける助けになります。
では、その中でも「果物」に注目したとき、どんなフルーツが大腸がんの予防に特に良いのでしょうか。
2023年5月、国際的な医学雑誌『World Journal of Gastroenterology(ワールド・ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー)』に興味深い研究が発表されました。
世界中の100万人以上を対象にした24の研究をまとめて、どの果物が大腸がんのリスクを下げるのかを分析したものです。
その結果、4つの果物に共通して明らかな効果があることがわかりました。
まずは、みかんやオレンジなどの柑橘系フルーツ。
これらをよく食べる人では、大腸がんのリスクが約9%低下していました。
柑橘類には、ビタミンCやポリフェノール、フラボノイドといった成分が豊富で、体の中で発生する「酸化ストレス」を抑える働きがあります。
酸化ストレスとは、体の細胞を傷つけて老化や病気の原因になるものです。
つまり、柑橘類は腸を含む全身の細胞を若々しく保ち、がんを寄せつけにくくしてくれるというわけです。
また、大腸がんだけでなく、食道がん・胃がん・乳がんなど、さまざまながんの予防にもつながるとされています。
次に紹介するのは、りんごです。
「1日1個のりんごで医者いらず」と言われるほど、昔から健康に良い果物として知られていますが、その言葉は伊達ではありません。
研究では、りんごをよく食べる人は大腸がんのリスクが約25%も低かったという結果が出ています。
りんごの皮や果肉には、食物繊維とポリフェノールがたっぷり含まれており、腸内の環境を整えてくれます。
さらに、肺がんや乳がんなど、他のがんを防ぐ効果もあるとされています。
皮ごと食べるのが理想ですが、農薬が気になる場合はしっかり洗ってから食べると安心です。
夏の代表的なフルーツであるスイカにも、大腸がんを防ぐ力があることがわかっています。
スイカをよく食べる人では、リスクが約26%低下していたそうです。
スイカには「リコピン」という赤い色の成分が多く含まれています。
このリコピンは強力な抗酸化作用を持ち、体の中で発生する活性酸素を取り除く働きがあります。
つまり、スイカは夏の水分補給だけでなく、腸の細胞を守る役割も果たしてくれているのです。
冷やしてそのまま食べるのはもちろん、ミントを添えたり、ジュースにしたりして楽しむのもおすすめです。
最後は、キウイフルーツです。
キウイをよく食べる人は、大腸がんのリスクが約13%低下していました。
キウイには、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム、食物繊維、ポリフェノールなど、体にうれしい栄養素がぎゅっと詰まっています。
とくに食物繊維は、腸の中の老廃物をスムーズに外へ出すサポートをしてくれます。
朝食やデザートとして手軽に食べられるのも魅力です。

今回紹介した、大腸がんの予防に効果が期待できる果物4選をおさらいしましょう。
これらの果物には、体の中でがんを遠ざける力がある栄養素が多く含まれています。もちろん「これだけ食べれば大丈夫」というものではありませんが、毎日の食事の中に取り入れることで、確実に体の状態は良い方向へと変わっていきます。
「デザートを果物にする」「おやつをりんごやキウイに替える」など、ちょっとした工夫から始めてみましょう。
果物はおいしくて続けやすく、しかも健康にもやさしい最高の味方です。
今日から少しずつ、あなたの食卓にも彩り豊かなフルーツを加えてみてはいかがでしょうか。