【絶対やめて!】「朝食ぬき」を続けたら、がんが・・・最新の研究結果を紹介

「朝食は一日の始まりに欠かせない」とよく言われますが、みなさんは毎朝しっかり食べていますか?
忙しい朝は、ついコーヒーだけで済ませてしまったり、「食欲がない」「ダイエット中だから」といった理由で抜いてしまう人も少なくないでしょう。
しかし、最近の研究から、朝食を抜くことが体にさまざまな悪影響をもたらすだけでなく、がんのリスクにも関係していることがわかってきました。

今回は、「朝食抜き」とがんとの関係について、海外と日本の研究をもとにわかりやすく紹介します。

■ 朝食を抜くと体にどんな影響があるのか?

■ 朝食を抜くと体にどんな影響があるのか?

まず、朝食を抜くことでどんな変化が起こるのかを考えてみましょう。
朝は、前日の夜から長い時間エネルギーを摂っていない状態です。体は「エネルギーをください」とサインを出している時間帯。ここで食事を抜くと、体は省エネモードに入り、代謝が落ちやすくなります。

その結果、

  • 太りやすくなる(肥満につながる)
  • 血圧や血糖が上がりやすくなる
  • 動脈硬化や心臓病のリスクが高まる

といった、いわゆる「生活習慣病」になりやすくなることが多くの研究で報告されています。
さらにこうした病気のリスクが増えることで、結果的に寿命が短くなる傾向があることもわかっています。

では、「がん」に関してはどうなのでしょうか?

■ アメリカでの研究:朝食抜きはがん死亡リスクが52%も上昇

2021年にアメリカで行われた研究があります。
40歳以上の7,000人以上の男女を対象に、朝食の習慣とその後の健康状態を20年以上にわたって追跡しました。

その結果、

  • 毎日朝食を食べる人 … 約6割
  • たまに食べる人 … 約2割
  • まったく食べない人 … 約1割強

という割合でした。

朝食を抜く人の特徴をみると、喫煙者が多く、運動量が少なく、肥満気味の人が多い傾向がありました。つまり、不健康な生活をしている人が多かったということです。

それらをすべて考慮しても、朝食を食べない人は、

  • がんで亡くなるリスクが52%高い
  • すべての原因による死亡リスクが69%高い

という結果が出たのです。

驚くことに、「ときどき食べる人」もあまり良い結果ではなく、がんによる死亡リスクが65%高いというデータが出ました。
つまり、「完全に抜く」だけでなく、「たまに食べる」でも健康リスクは高くなるということが示されています。

■ 中国での研究:食道がん・大腸がん・肝臓がんのリスクが上昇

■ 中国での研究:食道がん・大腸がん・肝臓がんのリスクが上昇

次に紹介するのは、中国で行われた大規模な研究です(2023年発表)。
唐山(Kailuan)という都市に住む6万人以上の人を対象に、朝食の習慣と消化器系のがんとの関係を調べました。

その結果、朝食を抜く人では次のようなリスクの上昇が見られました。

  • 食道がん … 2.7
  • 大腸がん … 2.3
  • 肝臓がん … 2.4
  • 胆のうがん … 5.4

さらに、週に1~2回しか朝食を食べない人でも、胃がんのリスクが3.5倍、肝臓がんが3.4倍と高くなっていました。

このように、朝食を抜くことが特に消化器系のがんのリスクを高める可能性があることがわかります。
食道や胃、腸といった器官は食事の影響を直接受けるため、食習慣の乱れががん発生の引き金になりやすいのかもしれません。

■ 日本での研究:男性で死亡リスク43%、女性で34%増加

最後に、日本で行われた研究を紹介します。
8万人以上の男女を対象に、朝食を毎日食べる人と、まったく、またはほとんど食べない人とで死亡リスクを比べました。

その結果、朝食を抜く人では、

  • 男性 … 43
  • 女性 … 34

も、すべての病気による死亡リスクが高くなっていました。

ただし、この研究では「がん」に限定すると明確な差は見られませんでしたが、心臓や血管の病気で亡くなる人は明らかに多いという結果でした。

つまり、がんだけでなく、体全体の健康にとって朝食を抜くことは良くないということが、ここでも確認されたのです。

■ なぜ朝食がそんなに大事なのか?

ここまで読んで、「朝食を抜くだけでそんなに変わるの?」と思う人もいるかもしれません。
朝食が大切なのは、単に「栄養を補うため」だけではありません。

1日のリズムを整える「スイッチ」としての役割があるからです。
朝、食事をすることで体内時計がリセットされ、代謝やホルモンの分泌、体温の上昇などがスムーズに始まります。
これが整わないと、体はいつまでも「夜モード」のままになり、エネルギーをうまく使えず、体のあちこちに負担がかかります。

さらに、朝食を食べない人は昼や夜に食べ過ぎる傾向があり、これが血糖値や脂質の乱れを生み、慢性的な炎症を起こしやすくします。
慢性炎症は、がんをはじめ多くの病気の原因になることが知られています。

■ 朝食をとる習慣をつけるために

■ 朝食をとる習慣をつけるために

とはいえ、「仕事が早くて食べる時間がない」「朝は食欲がない」という人もいるでしょう。
そうした人は、無理にたくさん食べる必要はありません。

まずは次のような工夫から始めてみましょう。

  • バナナやヨーグルトなど、軽く食べられるものを選ぶ
  • スープやみそ汁など、温かいものを一杯だけでも飲む
  • 夜遅くに食べすぎないようにして、朝に自然とお腹がすくようにする
  • 前日の夜に朝食の準備をしておく

大切なのは「朝に少しでも口にする習慣を持つこと」です。

■ まとめ

これまでの研究から、朝食を抜くことは肥満や生活習慣病だけでなく、がんを含めた多くの病気のリスクを高めることが明らかになってきました。
特に、消化器系のがんではその傾向が強いようです。

もちろん、生活のスタイルによって朝に食事をとれない人もいるでしょうし、「1日1食」を実践している人もいるかもしれません。
しかし、朝食は体を目覚めさせ、1日のリズムを整える大切な合図でもあります。

忙しい朝でも、パン1枚でも、果物でも、スープ一杯でもかまいません。
ほんの少しでも朝食をとることで、体にスイッチが入り、心も体も元気に動き始めます。

「朝食抜き」はちょっとした習慣のように見えて、実は健康や長生きに大きく関わっているのです。
明日の朝は、ぜひゆっくりとした気持ちで、体に優しい朝食から一日を始めてみてください。