「ピリ辛料理」を食べ続けたら、「がん」が・・・中国での研究結果で判明!

「ピリ辛料理」を食べ続けたら、「がん」が・・・中国での研究結果で判明!

私たちの食卓には、辛い料理が欠かせないという方も多いのではないでしょうか。唐辛子や山椒などの香辛料をたっぷり使った「ピリ辛料理」や「激辛グルメ」が人気で、ストレス解消や食欲増進のために好んで食べる人も増えています。

一般的に「辛いものは代謝を上げて健康に良い」と言われる一方で、「刺激が強くて胃腸に悪い」といった声もよく聞きます。どちらが本当なのか、気になりますよね。今回は、辛い料理と健康、そして「がん」との関係について、これまでの研究をもとにわかりやすくお話しします。

■ 辛い料理をよく食べる人は長生き?

■ 辛い料理をよく食べる人は長生き?

まず紹介したいのが、2015年に世界的な医学雑誌に発表された中国での大規模研究です。中国全土からおよそ50万人もの人々を対象に、食事内容と健康状態を長期間にわたって追跡調査したものです。

この研究では、唐辛子などを使った辛い料理をどのくらいの頻度で食べているかを調べ、週1回未満から毎日食べる人までをいくつかのグループに分けて比較しました。

その結果、辛い料理をほとんど食べない人に比べて、ほぼ毎日食べている人は「すべての病気による死亡リスク」が約14%も低いことがわかりました。とくに心臓や血管の病気、呼吸器の病気、そして「がん」による死亡が少なかったのです。

中国では四川料理をはじめ、香辛料を多く使う料理文化があります。そのため、このような辛い食事の影響を調べる研究が数多く行われており、今回の結果も注目を集めました。

■ 「がん」リスクとの関係をさらに詳しく調査

その後、同じグループによる追加の研究が2021年に報告されました。こちらも50万人以上を対象としたもので、辛い料理を食べる頻度と「がんの発症」との関係を詳しく調べています。

注目されたのは、食道がん・胃がん・大腸がんといった「消化器のがん」です。調査の結果、ほぼ毎日辛い料理を食べていた人は、ほとんど食べない人に比べて食道がんのリスクが約20%低く、また直腸がんのリスクも10%ほど低いという結果が出ました。

胃がんについては明確な差は見られませんでしたが、全体的に「ピリ辛料理をよく食べる人ほどがんのリスクが低い傾向」が見られたのです。さらに、お酒を飲まない人やたばこを吸わない人で、この効果がより強くあらわれていました。

つまり、辛い料理そのものが「がんを防ぐ魔法の食べもの」というわけではありませんが、健康的な生活習慣と組み合わせることで、がんのリスクを下げる可能性があるということがわかります。

■ 辛み成分「カプサイシン」の力

では、なぜ辛い料理が健康に良い影響を与えるのでしょうか?
その鍵を握るのが、唐辛子に含まれる「カプサイシン」という成分です。

カプサイシンには、体の代謝を活発にしたり、血流を良くしたりする作用があります。これが「辛いものを食べると汗をかく」「体が温まる」といった反応につながります。

実験レベルでは、このカプサイシンががん細胞の増殖を抑えるはたらきを持っていることもわかってきています。具体的には、がん細胞を自滅させたり(専門的には「細胞死」)、周囲の組織へ広がるのを防いだりするなど、複数のしくみでがんの成長を抑えると考えられています。

ただし、食べ物として摂取したカプサイシンが、実際に体内でどのくらい働くのかはまだ十分にわかっていません。体の中では吸収されにくいため、医療の分野では「より効果的に届ける方法」について研究が進められています。
近年では、カプサイシンを微粒子化して体内で効率よく運ぶ技術が開発されており、将来的にはがん治療への応用が期待されています。

■ 「辛いほど健康」ではない!気をつけたいポイント

ここまでの話を聞くと、「辛いものをどんどん食べたほうがいい」と思ってしまうかもしれませんが、実際はそう単純ではありません。

唐辛子などの香辛料は、適量なら健康に良い刺激になりますが、摂りすぎると胃や腸の粘膜を傷つけるおそれがあります。とくに空腹時に激辛料理を食べると、胃酸が多く出て「胃もたれ」や「胃炎」につながることもあります。

また、辛すぎるものを習慣的に食べていると、味覚が鈍くなって塩分の多い料理を好むようになる人もいます。これは高血圧や生活習慣病の原因になりかねません。

辛い料理を楽しむなら、「ほどほど」が一番です。
週に数回、食欲を刺激したいときに取り入れる程度であれば、健康へのメリットをうまく活かすことができます。

そして、唐辛子だけでなく、にんにくやしょうが、ねぎなどの香味野菜をうまく組み合わせると、体を温めながら消化を助ける効果も期待できます。

■ まとめ:ピリ辛料理は「上手に付き合えば」健康の味方

■ まとめ:ピリ辛料理は「上手に付き合えば」健康の味方

今回紹介した研究からは、ピリ辛料理をよく食べる人は、食道がんや直腸がんなど一部のがんのリスクが低く、全体的な死亡リスクも下がっていることがわかりました。

唐辛子の成分カプサイシンには、代謝を高めるだけでなく、体の中でさまざまなよい働きをする可能性が示されています。

とはいえ、刺激が強すぎると胃腸を痛めたり、食生活のバランスを崩すことにもつながります。健康のために取り入れるなら、「辛さを楽しむ」くらいの気持ちで適度に味わうのがポイントです。

ピリッとした刺激が心にも体にも元気をくれる——。そんなふうに、辛い料理をうまく味方につけて、無理のない健康づくりを続けていきたいですね。