【食べすぎると死亡リスクが3倍以上に増加?】卵とがんの関係を調査!

【食べすぎると死亡リスクが3倍以上に増加?】卵とがんの関係を調査!

はじめに

はじめに

私たちの食卓に欠かせない食材のひとつが「卵」です。朝の卵焼き、昼のお弁当のゆで卵、夜のオムレツや茶碗蒸しなど、どの家庭でも日常的に登場します。調理のバリエーションが豊富で、手軽に食べられ、しかもおいしい。卵はまさに万能な食材です。

しかも卵には、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど体に必要な栄養素がバランスよく含まれており、「完全栄養食品」と呼ばれることもあります。健康のために毎日食べているという方も多いでしょう。

ところが最近、「卵を食べすぎると健康によくない」「がんのリスクが上がるかもしれない」という研究結果が発表され、注目を集めています。今回は、卵の摂取とがんとの関係について、世界の研究をもとにわかりやすく解説します。

卵をたくさん食べるとリスクが上がる?

まず、アメリカで行われた大規模な調査研究があります。2021年に発表されたもので、52万人以上の人々を対象に、食事の内容を詳しく調べ、その後16年間にわたって健康状態を追跡しました。

その結果、卵を多く食べる人ほど、がんによる死亡リスクが高いことがわかりました。具体的には、1日に卵を「半分多く」食べるごとに、がんで亡くなるリスクが約7%上昇していたのです。さらに、心臓や血管の病気など、他の病気による死亡リスクも同じく7%上がっていました。

興味深いのは、卵を鶏肉や魚、乳製品といった他のたんぱく源に置き換えると、死亡リスクが下がっていたという点です。つまり、たんぱく質をとるにしても「卵ばかりに偏らないこと」が大切だということです。

世界規模の研究でも同じ傾向が

続いて、世界中で行われた研究をまとめて解析した結果を紹介します。2022年に発表されたこの報告では、過去の33件の研究(合計220万人以上を対象)をまとめ、卵の摂取量と死亡リスクの関係を詳しく分析しました。

結果として、卵を多く食べる人は、すべての死因による死亡率や心臓病、脳卒中のリスクでは大きな差がなかったものの、「がんによる死亡リスク」だけは約20%も高くなっていました。さらに、卵を1個多く食べるごとにがんの死亡リスクが約4%ずつ上昇していたという結果も出ています。

この研究は世界中の人々を対象にしたもので、人種や食習慣の違いがあるとはいえ、「卵の摂りすぎががんのリスクを高める可能性がある」という傾向は明確に示されていました。

日本人ではどうなのか?

では、私たち日本人の場合はどうでしょうか。日本人は欧米人に比べて体質や食生活が異なるため、同じ結果になるとは限りません。

日本で行われた調査のひとつに、2017年に発表された研究があります。この研究では、30歳以上の日本人女性4,686人を対象に、15年間にわたって卵の摂取量と健康状態を追跡しました。

その結果、1日に卵を1個食べる人に比べて、2個以上食べる人は「すべての死因による死亡リスク」が約2倍、さらに「がんによる死亡リスク」は約3倍にも高くなっていたのです。

もちろん、これは統計的なデータであり、「卵を食べると必ずがんになる」という意味ではありません。しかし、卵を多く食べる人ほどリスクが高まる傾向があるというのは、見逃せない結果です。

卵ががんのリスクを高める理由

では、なぜ卵を食べすぎるとがんのリスクが上がるのでしょうか。いくつかの要因が考えられています。

まず、卵の黄身に多く含まれる「コレステロール」が関係していると考えられています。コレステロールは体にとって必要な成分ではありますが、摂りすぎると血液がドロドロになり、体内で炎症が起きやすくなります。慢性的な炎症は、がん細胞が育つ土台をつくってしまう可能性があるといわれています。

もうひとつの要因として、卵に含まれる「コリン」という成分が腸内細菌によって分解される際に作られる物質「TMAO(トリメチルアミンN-オキシド)」が挙げられます。この物質は心臓病のリスクを高めることが知られていますが、最近の研究では、がんの発生にも関係しているのではないかと考えられています。

ただし、これらはまだ研究段階の話です。卵そのものが「悪い食品」というわけではなく、「食べすぎが問題」ということです。

健康的に卵を食べるために

卵は栄養価の高い食品であり、上手に取り入れれば健康づくりに役立ちます。重要なのは、バランスと適量を守ることです。

一般的には、1日1個までを目安にするとよいでしょう。毎日2個以上食べる習慣がある場合は、魚や豆腐、納豆、鶏肉など、他のたんぱく源とバランスよく組み合わせてみてください。

また、調理法にも工夫を加えると健康的です。油を多く使う目玉焼きや揚げ物ばかりではなく、ゆで卵や蒸し料理など脂質を控えめにできる方法を取り入れることで、より安心して卵を楽しむことができます。

まとめ

まとめ

卵は手軽でおいしく、栄養価の高い食品ですが、食べすぎには注意が必要です。多くの研究で、卵の摂取量が増えるほど「がんによる死亡リスク」が高まる傾向が報告されています。特に、1日に2個以上食べる習慣が長く続くと、健康に悪い影響を及ぼす可能性があります。

ただし、卵を完全に避ける必要はありません。大切なのは「ほどほどに食べること」。1日1個を目安に、魚や野菜、豆類などさまざまな食品を組み合わせることで、栄養バランスのとれた食生活を実現できます。

卵の良さを活かしつつ、食べすぎを防ぐこと――それが、健康と長寿の秘訣といえるでしょう。