臨床現場でよく使用される「1号輸液」や「3号輸液」。
これらは患者さんの状態に合わせて使用される低張性電解質輸液ですが、その特徴や目的を詳しく理解しているでしょうか?低張性輸液の役割や効果を正しく把握することは、看護師として患者さんに安全で効果的なケアを提供するために欠かせません。
この記事では、低張性輸液の基礎知識から、1号輸液・3号輸液の詳細な特徴と適応、さらに使用時の注意点について解説します。

輸液は、患者さんの状態や病態に応じて選ばれる医療手段です。
低張性電解質輸液とは、血液中のナトリウム濃度よりも低い濃度に調整された輸液であり、主に体液補正の目的で使用されます。これらはナトリウムなどの電解質だけでは浸透圧が血液より低くなるため、血液中の濃度調整に適した輸液です。
• 低張性電解質輸液
血清ナトリウム濃度より低く調整されている。体液補正や電解質異常の補正に用いられる。
• 等張性輸液
血液中のナトリウム濃度に近い濃度で、浸透圧が血液とほぼ等しい。生理食塩水や乳酸リンゲル液がこれに該当する。
低張性輸液は患者の水分・電解質バランスを調整するため、脱水や一時的な栄養補給など、さまざまな場面で使用されます。その中でも臨床でよく使用されるのが「1号輸液」と「3号輸液」です。

1号輸液は「開始液」とも呼ばれる輸液で、カリウムを含まない点が最大の特徴です。
ナトリウムやクロールなどの基本的な電解質を含むものの、カリウムが含まれていないため、安全性が高く、初期対応で選ばれることが多い輸液です。
• カリウムが含まれない:高カリウム血症の患者や、腎機能が低下している患者に安全に使用できる。
• 低張性:ナトリウム濃度が血液中より低く、体液補正に適している。
1号輸液は以下のようなケースで使用されます:
1号輸液はカリウムを含まないため、長期に使用するとカリウム欠乏が生じる可能性があります。
そのため、患者さんの状態を観察しながら、必要に応じて他の輸液に切り替えることが重要です。
3号輸液は、患者さんの1日に必要な水分、ナトリウム、カリウムなどの電解質を補うために設計された輸液です。
また、エネルギー源となるブドウ糖も含まれており、絶食管理中の患者に適した輸液とされています。
• 水分と電解質をバランスよく補充:ナトリウムとカリウムが含まれており、体液バランスの維持に貢献。
• 最低限のエネルギー補給:ブドウ糖を含み、絶食時のエネルギー補給をサポート。
3号輸液は次のようなケースで使用されます
3号輸液は、あくまで最低限の成分しか含まれていないため、長期間の使用には適しません。
患者の状態が安定したら、速やかに食事や経管栄養などを開始する必要があります。
また、長期使用により栄養不足や電解質異常が生じるリスクがあるため、注意が必要です。
1号輸液と3号輸液はどちらも低張性電解質輸液ですが、その成分や使用目的に明確な違いがあります。
| 特徴 | 1号輸液 | 3号輸液 |
|---|---|---|
| カリウムの有無 | 含まれない | 含まれる |
| 主な用途 | 高カリウム血症や腎機能低下の患者に適応 | 絶食管理中の患者や短期間の栄養補給に適応 |
| エネルギー 補給 | なし | ブドウ糖により最低限のエネルギーを補充 |
| 使用期間 | 初期対応で一時的に使用 | 短期間の使用に適するが、 長期使用には不向き |

1号輸液と3号輸液を正しく使用するには、それぞれの特徴を理解するだけでなく、患者さんの状態を的確に評価することが重要です。
以下のポイントを意識しましょう。
• バイタルサインのチェック
血圧、心拍数、尿量などを定期的に確認し、異常がないか観察します。
• 電解質バランスの確認
血液検査を通じてナトリウムやカリウム濃度をチェックし、輸液内容の調整を行います。
1号輸液は「開始液」として、3号輸液は「短期間の栄養補給」として使用することを意識し、それぞれの目的に応じた使用を行います。
• 1号輸液の場合:長期使用に伴うカリウム欠乏を防ぐため、適切なタイミングで3号輸液や他の輸液へ切り替えます。
• 3号輸液の場合:食事や経管栄養を早期に開始し、3号輸液の依存を減らします。
1号輸液と3号輸液は、いずれも患者さんの体液バランスを整えるために重要な役割を果たす低張性電解質輸液です。
• 1号輸液はカリウムを含まない「開始液」として、安全性を重視した初期対応に適しています。
• 3号輸液は水分・電解質・最低限のエネルギーを補給するため、絶食管理中の患者に短期間使用されます。
看護師として、輸液の目的や成分を正確に理解し、患者さんの状態に応じたケアを提供することが求められます。
輸液管理は患者の回復を支える重要なプロセスです。その役割を正しく果たすために、常に適切な知識を身につけておきましょう。