こんな人は要注意!リフィーディング症候群の危険について

リフィーディング症候群についての医療知識

 ブドウ糖投与が引き起こす可能性のあるリフィーディング症候群について解説します。この症候群は、摂食障害や長期にわたる低栄養状態の患者に対して急激に栄養を投与することで生じる危険な状態であり、場合によっては致死的な結果を招くことがあります。

リフィーディング症候群の概要

リフィーディング症候群の概要

 リフィーディング症候群とは、極度の低栄養状態に陥った患者に急激なエネルギー源(主にブドウ糖)が投与された際、インスリン分泌が増加し、体内の電解質やビタミンのバランスが急激に崩れることで発症する病態です。特に、カリウム、マグネシウム、リンなどの電解質の細胞内移動が加速し、これらが血中で著しく低下することで、致命的な不整脈や代謝性アシドーシスを引き起こす可能性があります。

また、ビタミンB群の不足によるウェルニッケ脳症(意識障害、眼球運動障害、運動失調)などの神経症状を伴うこともあります。このため、患者の病歴や栄養状態を正確に把握し、慎重に対応することが求められます。

リフィーディング症候群のメカニズム

  1. エネルギー供給とインスリン分泌:
    • 飢餓状態の患者にブドウ糖が投与されると、インスリン分泌が急激に増加します。
    • インスリンは糖分だけでなく、カリウム、マグネシウム、リンを細胞内に取り込む作用を持つため、血中濃度が急激に低下します。
  2. リンの重要性:
    • リンはATP(アデノシン三リン酸)産生に必要不可欠であり、組織への酸素供給に大きく関与します。
    • リン欠乏によりヘモグロビンが酸素を放出しにくくなり、全身の酸素供給が低下することで、脳や心臓などの重要臓器が機能不全に陥る可能性があります。
  3. ビタミン枯渇:
    • 糖分代謝の過程で大量のビタミンB群(特にB1)が消費されるため、欠乏状態が進行します。
    • ビタミンB1欠乏はウェルニッケ脳症の原因となり、神経症状を悪化させるリスクがあります。

リスク因子と対策

リフィーディング症候群のリスクが高い患者は以下の条件に該当します:

  • BMIが16.0未満
  • 過去3〜6か月で15%以上の体重減少
  • 10日間以上の絶食
  • 栄養投与前の低カリウム、低マグネシウム、低リン血症

これらの条件を満たす患者に対しては、栄養投与を急がず、以下のような慎重なアプローチが必要です:

  • ビタミンB群の事前投与(特にチアミン)
  • 低用量からの栄養開始
  • 頻回な電解質モニタリング

看護師としての役割

救急外来や病棟で勤務する看護師は、リフィーディング症候群を予防するために次のような役割を担います:

  • 患者の病歴や栄養状態の把握
  • 採血による血糖値や電解質のチェック
  • 意識状態やバイタルサインの継続的な観察
  • 医師と連携し、適切なビタミン剤や電解質の補正を行う

特に、入院後の最初の4〜5日間はリフィーディング症候群が発症しやすいため、栄養管理を慎重に進めることが求められます。

まとめ

まとめ

 リフィーディング症候群は、適切な知識と慎重な対応で予防可能です。看護師として、患者の安全を守るために電解質やビタミンのモニタリングを徹底し、リスクの高い患者に対しては段階的な栄養管理を実践していきましょう。