夜中に突然「足がつって」目が覚めた経験はありませんか?
ふくらはぎが激しく硬直し、思わずベッドの上でうずくまってしまう
――そんな痛みを引き起こすのが、
「筋痙攣(きんけいれん)」
です。
一見、単なる「足のつり」と思われがちですが、実は
筋痙攣は体のさまざまなバランスが
崩れたときに起こるサインでもあります。
今回は、その原因や仕組み、そして効果的な対処法について、わかりやすく解説していきます。

筋痙攣とは、
筋肉が自分の意思とは関係なく急に収縮し、強い痛みを伴う状態
のことを指します。
「足がつる」
「こむら返り」
などと呼ばれるのは、この筋痙攣の代表的な例です。
一度けいれんが起こると、筋肉が硬くなって動かせなくなり
数十秒から数分ほど強い痛みが続きます。
多くはふくらはぎ(下腿三頭筋)に起こりますが、
太ももの裏(大腿二頭筋)や足の裏、指、腕などに起こることもあります。
筋痙攣は大きく分けて、次の2つのタイプに分類されます。
この2つはどちらも痛みを伴いますが、原因や対策には少し違いがあります。

実は、筋肉自体に明確な異常があるわけではありません。
筋肉の収縮をコントロールしている
「神経の信号伝達」
に問題が生じていると考えられています。
筋肉は、「運動神経」と「感覚神経」のやりとりによって動いています。
通常、筋肉が伸びすぎたり縮みすぎたりしないよう、
**腱紡錘(けんぼうすい)**
というセンサーが筋肉の状態を感知し、神経を通じてバランスを取っています。
ところが、脱水やミネラル不足、疲労などでこの神経の働き
が乱れると、脊髄(せきずい)から筋肉への信号が誤作動を起こし、
「筋肉を縮めろ!」という命令が止まらなくなります。
その結果、筋肉が硬直してしまう
――これが筋痙攣の正体です。

筋痙攣が特に起こりやすいのは、次の2つの筋肉です。
筋痙攣は、さまざまな要因が重なって起こります。
中には病気が隠れている場合もあります。
ただし、実際には
「明らかな原因が特定できない」
ケースがほとんどです。
年齢とともに筋肉量が減り、神経の調整力も低下するため
高齢になるほど起こりやすくなります。
痙攣が起こったときは、焦らずにストレッチを行いましょう。
痛みが強いときは動かすのが難しいですが、少しずつ筋肉を
「伸ばす方向」に働きかけることが重要です。
これにより、硬直したふくらはぎの筋肉が伸ばされ、痛みがやわらぎます。
ストレッチ後は、マッサージや温湿布で血流を促すとより効果的です。

筋痙攣は、日頃の体調管理である程度予防できます。
寝る前に軽く足首を回したり、ふくらはぎを
揉むことで夜間の
「こむら返り」
を防げることもあります。
筋痙攣の治療としてよく使われるのが、漢方薬の
**「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」**
です。
この薬に含まれる「ペオニフロリン」という成分には、
筋肉の収縮に必要なカルシウムの流入を抑える作用があります。
その結果、筋肉の異常な収縮(けいれん)を鎮め、痛みをやわらげてくれます。
夜中のこむら返りが頻繁に起こる人には、この薬が処方されることも多いです。
ただし、漢方薬にも副作用がありますので、自己判断での
使用は避け、医師に相談することが大切です。
ここで注意したいのは、筋痙攣と
「てんかんなどの全身けいれん」
は全く別のものだという点です。
全身のけいれんでは、脳の異常な電気信号が原因で
体全体が硬直し、意識を失うこともあります。
一方で筋痙攣は、
局所的な筋肉と神経のトラブル
であり、意識障害を伴うことはありません。
筋痙攣は、命に関わる病気ではありませんが、体の
「バランスが崩れている」というサインでもあります。
脱水、ミネラル不足、筋肉疲労、冷え――
こうした要因が積み重なることで、
夜中のこむら返りとして現れるのです。
「たかが足がつる」と侮らず、
水分補給や栄養バランス、ストレッチなどを見直してみてください。
もし頻繁に起こる場合は、甲状腺や腎臓の病気が
隠れている可能性もあるため、早めに医療機関を
受診することをおすすめします。