
今回は、「5年以内に肺がんになる確率がわかる検査」が登場したというお話です。
まず皆さんに質問です。もし「自分が5年以内にがんになる可能性」がわかるとしたら、知りたいと思いますか?
これは占いや予言のような話ではなく、実際に医療機関で受けられる検査のお話です。
がんは、早い段階で見つけることができれば治る可能性が高い病気です。
しかし、初期のがんは自覚症状がほとんどなく、気づいたときには進行してしまっていることも珍しくありません。
もし、がんになる前の段階で「将来のリスク」がわかれば、予防や早期発見のための対策を立てることができます。
この考えから、世界中で「がんをより早く発見する方法」や「発症リスクを予測する方法」の研究が進められてきました。
以前、血液中のたんぱく質の変化を調べることで、がんを7年前に予測できる可能性があるという研究が話題になりました。
そして今、その技術をもとにした検査が一般の人でも受けられるようになったのです。
それが、NECグループのフォーネスライフ社が提供する「フォーネスビジュアス」という検査です。
この検査では、血液中にあるおよそ7,000種類ものたんぱく質の状態を解析し、数年以内に肺がんなどの重大な病気を発症する確率を予測します。
つまり、「まだ病気になっていない段階でリスクを“見える化”する」ことができる世界初の技術なのです。
フォーネスビジュアスでは、次のような病気のリスクを知ることができます。
これらはいずれも日本人の死因の上位にある重大な病気です。
さらに、「血糖のバランス」や「肝臓の脂肪量」など、現在の体の状態も知ることができます。
検査結果は、病気ごとに「実際に発症する確率(絶対リスク)」と「平均と比べた倍率(相対リスク)」の両方で表示され、総合的な評価が示されます。
たとえば、「肺がんの発症リスクが1.2%、平均の1.3倍」といった形で、具体的な数字で確認できます。
この検査の最大の特徴は、**「病気になる前に将来のリスクがわかる」**ということです。
会社や自治体の健康診断では、今の健康状態はわかっても、「将来どうなるか」まではわかりません。
フォーネスビジュアスでは、病気になる前の段階で、体の中の微細な変化を読み取ることができるのです。
もうひとつのポイントは、約7,000種類のたんぱく質を一度に解析する世界初の技術が使われていることです。
「アプタマー」と呼ばれる人工分子が、血液中のたんぱく質と結合する性質を利用して、光の強さで測定する仕組みになっています。
NECのデータ解析技術を組み合わせることで、極めて高い精度でリスクを予測することが可能になりました。
病気になる人の多くは、発症の数年前から血液中のたんぱく質のバランスに変化が現れていることが、研究によってわかっています。
この変化を詳しく解析することで、将来の発症リスクを予測できるのです。
たとえば、認知症に関する研究では、約1万人分の血液データを25年間追跡調査した結果、発症と関係する25種類のたんぱく質が特定されました。
この分析によって、従来の遺伝子検査と同等かそれ以上の精度で、将来の発症リスクを予測できることがわかっています。
しかも、生活習慣を改善することでリスクを下げられる可能性も示されました。
肺がんに関しても、6,000人以上のデータを解析する中で、発症に関係する7種類のたんぱく質が特定されています。
それらのたんぱく質のパターンによって、5年以内の発症リスクを高精度に分類できるようになりました。
フォーネスビジュアスは、こうした研究データをもとに作られた信頼性の高い検査です。
遺伝子検査は、生まれつきの体質や病気のなりやすさを調べるものです。
しかし遺伝子は一生変わらないため、赤ちゃんの頃に検査しても高齢になっても、結果は同じです。
一方で、フォーネスビジュアスは日々変化する「たんぱく質の状態」をもとにしているため、今現在の体のコンディションから将来のリスクを予測することができます。
そのため、生活習慣の改善によって結果を変えることも可能です。
フォーネスビジュアスの最大の魅力は、「リスクを知ることで行動が変わる」ことです。
たとえば肺がんのリスクが高いとわかれば、禁煙を真剣に考えたり、定期的な検診を受けたりといった具体的な対策を取るきっかけになります。
心筋梗塞や脳卒中なども、食事・運動・睡眠の見直しによって予防できる可能性があります。
また、この検査では結果を伝えるだけでなく、保健師資格を持つ専門スタッフによる健康相談もついています。
検査結果に基づいて生活改善のアドバイスをもらい、数か月後には再度面談して成果を確認することができます。
「結果を見ても、どうすればいいかわからない」という人にとって、とても心強いサポートです。
検査はフォーネスライフ社の公式サイトから申し込み、提携する医療機関で採血を行います。
採血量はわずか5ml程度で、食事制限や前日の飲酒制限もありません。
結果は医療機関を通じて受け取ります。
私も実際に受けてみましたが、手続きは簡単で、受付から採血まで短時間で済みました。
結果を見ると、認知症や心筋梗塞・脳卒中のリスクは「低い」、慢性腎不全は「やや低い」、肺がんの発症リスクは0.4%で「低い状態」でした。
ただし、これはあくまで「今の状態」を反映したものであり、生活習慣が悪化すればリスクは上がる可能性もあります。
また、アルコールの影響が強いという結果も出たため、この機会にお酒を控えるようにしました。

今回の検査を通して感じたのは、将来の病気リスクが数字として見えることで、生活を見直す強力なきっかけになるということです。
漠然と「健康に気をつけよう」と思うよりも、データとして現れると意識が大きく変わります。
フォーネスビジュアスは、単なる健康診断ではなく、「未来の自分を守るための新しいツール」と言えるでしょう。
これからの時代は、病気を治すだけでなく、「病気にならない体づくり」を目指すことが大切です。
自分の未来の健康状態を知り、今できることを少しずつ始めていく――それこそが本当の意味での“予防医療”ではないでしょうか。