余命(予後)と関係する「がん再発」4つのパターン

がんの再発について理解する──再びがんと向き合うために知っておきたい4つの再発形態

がんの治療を終えたあと、医師から「再発の可能性があります」と告げられると、多くの方が深い不安を感じます。
一度治療を終えたはずのがんが再び姿を現すことは、決して珍しいことではありません。

しかし、「再発=治療の終わり」ではありません。
再発の種類や範囲によっては、再び治療を行うことでがんを抑え、長期間にわたって生活を続けられる場合もあります。

本記事では、がんの再発がどのように起こるのか、そして主な4つの再発タイプについて詳しく解説します。

■ 再発とは何を意味するのか

■ 再発とは何を意味するのか

がんの「再発」とは、治療によって一度は小さくなった、あるいは画像上見えなくなったがんが、時間を経て再び体内で増え始める状態を指します。

手術でがんを取り除いたとしても、肉眼では確認できないほど小さながん細胞が体のどこかに残っていることがあります。
その細胞が再び活動を始めることで、再発が起こります。

また、抗がん剤や放射線治療で一時的にがんが消えたように見えても、後に同じ場所や別の臓器で再び成長することがあります。

このように「がんが再び活動を始める」ことが再発であり、がんの性質によって再発の起こり方はさまざまです。

■ 再発の4つのタイプ

がんの再発は、大きく分けて次の4つのタイプに分類されます。
それぞれ発生の仕組みや治療方針が異なります。

1. 局所再発(きょくしょさいはつ)

局所再発とは、がんが最初に発生した部位やその近くに再び現れるタイプの再発です。

たとえば、手術でがんを切除した後に同じ場所の周辺組織でがん細胞が再び増殖するケースがこれにあたります。

局所再発は、比較的治療のチャンスが残されている再発型です。
再手術や放射線治療などによって、再び根治(こんち)を目指せることもあります。

ただし、再発部分の位置や広がり方によっては手術が難しい場合もあるため、医師の判断のもとで治療方針が慎重に決められます。

いずれにせよ、局所再発が早期に見つかれば、再治療によって長期的な生存が期待できるケースも少なくありません。

2. リンパ節再発(領域再発)

リンパ節再発は、がん細胞がリンパの流れを通じて移動し、リンパ節内で再び増殖する状態です。

がんの手術では、原発部位(がんが最初にできた場所)に近いリンパ節を切除することが多いですが、目に見えない小さながん細胞が残っている場合、それが後に再び成長することがあります。

リンパ節再発は、画像検査でリンパ節が腫れていることから見つかることが多く、再発範囲が限られている場合は放射線治療が効果を発揮します。

場合によっては、抗がん剤との併用で長期間がんを抑えることも可能です。

リンパ節再発だからといって、必ずしも全身にがんが広がったというわけではなく、局所的な再発として対処できる場合も少なくありません。

3. 遠隔転移(血行性転移)

遠隔転移とは、がん細胞が血液の流れに乗って体の別の場所に運ばれ、他の臓器で新たに増殖することを指します。

たとえば、大腸がんが肝臓に転移する、肺がんが骨に転移する、といったケースが代表的です。

遠隔転移は「全身病」として扱われることが多いですが、必ずしも治療が不可能というわけではありません。

転移した部位が少数で、なおかつ1つの臓器に限られている場合には、手術や放射線治療で局所的にがんを取り除くことができます。
このような状態は「オリゴ転移」と呼ばれ、近年では積極的な治療が行われるようになっています。

一方で、転移が複数の臓器に広がっている場合は、抗がん剤や分子標的薬、免疫療法といった全身治療が中心となります。

医学の進歩によって、かつては難しいとされていた遠隔転移でも、長期間にわたり病勢を抑えることが可能になってきています。

4. 播種(はしゅ)性再発

播種性再発は、がん細胞が体腔内(胸や腹の中など)に散らばることで起こります。

がん細胞が組織の表面からこぼれ落ち、胸膜や腹膜などに付着して増えることがあり、これを「胸膜播種」「腹膜播種」と呼びます。
また、脳や脊髄を覆う膜にがんが広がる「髄膜播種」というタイプもあります。

播種性再発は、がんが広い範囲に拡がるため、手術で完全に取り除くことは難しく、主に薬物療法や免疫療法が中心となります。
症状の緩和を目的とした治療(緩和ケア)を併用することもあります。

とはいえ、近年は治療法の研究が進み、播種に対しても新しい薬や治療法が試みられています。
今後は、より効果的な治療が確立されていくことが期待されています。

■ 再発タイプによる治療の違い

■ 再発タイプによる治療の違い

再発の種類によって、治療の方向性は大きく変わります。

局所的な再発(局所再発・リンパ節再発)では、再び治癒を目指すことが可能な場合もあります。
一方、全身的な再発(遠隔転移・播種性再発)の場合は、病気と共に生活を続けることを目的とした治療となり、がんを完全に取り除くことよりも、進行を遅らせたり症状を和らげたりすることが重視されます。

どの再発タイプであっても、「自分の体のどこで」「どのように」再発しているのかを理解することが大切です。
そのうえで、主治医とよく話し合い、納得のいく治療方針を選びましょう。

セカンドオピニオンを利用することで、より多角的な視点から治療の選択肢を確認することもできます。

■ 再発後の希望を持つために

■ 再発後の希望を持つために

「再発した」と聞くと、気持ちが沈み、希望を失ってしまう方も少なくありません。
しかし、再発は必ずしも「終わり」ではありません。

医療技術の進歩により、再発しても長期間にわたって安定した状態を保ちながら生活している方は多くいます。
薬物療法や免疫療法、放射線の精度向上などにより、再発後の治療成績は着実に改善しています。

再発後の治療は、病気そのものと向き合うだけでなく、自分の生活の質を守ることも大切です。
医師や看護師、薬剤師、心理士など多職種の支援を受けながら、自分に合ったペースで治療を続けることが大切です。

■ まとめ

がんの再発には、主に次の4つの形があります。

  1. 局所再発:元の部位やその周辺に出現。再治療で根治の可能性あり。
  2. リンパ節再発:リンパ節にがんが再び増殖。放射線などで対応可能。
  3. 遠隔転移(血行性転移):血液を介して他臓器へ転移。全身治療が中心。
  4. 播種性再発:胸膜や腹膜などにがんが広がる。薬物療法が主体。

再発は恐ろしい言葉に聞こえるかもしれませんが、それは「終わり」ではなく「次の治療段階の始まり」です。
再発のタイプを正しく理解し、医療者と協力しながら、自分にとって最適な治療法を選ぶことで、再び前を向いて生活を続けることができます。

がんと再び向き合うそのときも、希望を失わず、自分らしい人生を歩んでいきましょう。