~「今日も生きる力」を育む、穏やかな朝時間のすすめ~
がんの治療や療養生活を送っていると、心や体にさまざまな変化が起こります。
眠れない夜があったり、気分が落ち込んだり、あるいは治療の副作用で体が重く感じる日もあるでしょう。
そんな中で、「朝の時間」を少し丁寧に過ごすことは、心を整え、前向きな一日を迎えるための大きな力になります。
今回は、アメリカの作家ハル・エルロッド氏の著書『ミラクル・モーニング(人生を変えるモーニングメソッド)』を参考に、がん患者さん向けにアレンジした「6つの朝活ルーティーン」をご紹介します。
ハルさん自身、20歳の時に交通事故で心肺停止となり、「もう歩けない」と宣告されながらも奇跡的に回復しました。
さらにその後、悪性度の高い白血病を患い、生存率10〜30%と告げられながらも、独自の朝活メソッドを通じて回復を果たし、今も世界中で講演や執筆活動を続けています。
ハルさんの言葉を借りれば、「朝を変えれば、人生が変わる」。
がんと向き合う日々にも、この考え方は穏やかで力強い希望を与えてくれます。

がん患者さんにとって、瞑想はストレスをやわらげる最も有効な方法のひとつです。
特に朝の静かな時間帯に行うと、一日の始まりを落ち着いた心で迎えることができます。
方法はとてもシンプルです。
背筋を伸ばして椅子に座り、目を閉じ、ゆっくりと呼吸に意識を向けましょう。
5分間が理想ですが、2〜3分でも構いません。
おすすめは「マインドフルネス瞑想」です。
「今ここ」に意識を向け、過去や未来の不安から離れて、自分の呼吸や体の感覚に気づいていく練習です。
再発への恐れや治療への不安を、否定せず「あるがまま」に受け入れることで、心が少しずつ穏やかになります。
実際に、欧米の臨床研究ではマインドフルネスによって不安やストレスが軽減し、生活の質(QOL)が向上したという報告もあります。
「アファメーション」とは、肯定的な言葉を自分に語りかける方法です。
潜在意識にポジティブなメッセージを刻むことで、気持ちを前向きに導いてくれます。
例えば、こんな言葉を声に出してみましょう。
こうした言葉は単なる“おまじない”ではなく、脳に前向きな意識を植え付け、行動や感情を良い方向へ導く心理的な力を持っています。
自己暗示によって免疫機能が改善したという研究報告もあり、科学的な裏付けも少しずつ増えています。
イメージングとは、望む未来を具体的に思い描く方法です。
人間の脳は、想像と現実を厳密に区別できない性質を持つため、ポジティブな映像を描くことが行動にも良い影響を与えます。
例えば、次のようなシーンを思い浮かべてみてください。
こうしたイメージを毎朝心の中で描くことで、脳の「網様体賦活系(RAS)」が望む現実を探し出すように働きます。
つまり、“思考が現実を引き寄せる”という仕組みです。

読書は、心を癒やし、視野を広げる最高の朝活です。
がん患者さんには、前向きな気持ちになれる本や、同じように病気を乗り越えた人の体験記、心を励ます詩集などをおすすめします。
朝の10分間だけでも、本を開いてみましょう。
たった一行の言葉が、その日の心を支えることもあります。
日記をつけることは、自分の気持ちを見つめ直す大切な時間になります。
その日の体調、心の状態、嬉しかったこと、感謝したいこと、将来の夢など、何でも構いません。
書くことで頭の中が整理され、心の重荷が軽くなります。
また、数か月後や数年後に読み返すと、「こんなに成長していたんだ」と気づくことも多いでしょう。
おすすめは「5年日記」など、長期間書き続けられる形式の手帳です。
“手術から5年経ったら家族とお祝いをする”など、未来の予定も書き込むことで、希望の灯を絶やさずに過ごせます。

朝の軽い運動は、体を温め、気分をリフレッシュさせる最高の習慣です。
ウォーキングやストレッチ、深呼吸を組み合わせるだけでも十分です。
体調に合わせて、椅子に座ったままのストレッチや腕の上げ下げ、首や肩の回旋など、無理のない範囲で行いましょう。
運動によって筋力や血流が保たれ、倦怠感の軽減や免疫力の維持にもつながります。
「今日は動けない」と感じる日は、深呼吸だけでも構いません。
大切なのは、続けること。たとえ1分でも、朝に“自分を整える時間”を持つことが力になります。
今回ご紹介した朝活ルーティーンは次の6つです。
これらを全部行うと約1時間ですが、最初は10分でも構いません。
体調に合わせて、自分のペースで取り入れてみてください。
朝は「新しい自分」が生まれる時間です。
今日の朝を丁寧に過ごすことが、明日の笑顔をつくります。
どうか焦らず、無理せず、穏やかに。
この6つの朝活が、あなたの毎日に小さな奇跡を運んでくれますように。