新人看護師がまず知っておくべき検査 血液培養・採血について解説します!

血液培養検査の基礎知識と正確な実施のポイント

血液培養検査は、感染症の原因を解明し、患者さんに適切な治療を提供するために重要な検査です。本記事では、検査の目的や実施手順、注意すべきポイントについて、わかりやすく解説します。

血液培養検査とは?

血液培養検査は、血液中に細菌が混入しているかを確認する検査です。本来無菌であるはずの血液内に細菌が侵入している場合、発熱や感染症状が現れることがあります。この検査を行うことで、感染の原因菌を特定し、最適な治療方法を選ぶことが可能になります。

検査の目的

  • 発熱原因の特定:患者さんが発熱した場合、その原因が血液中に菌が存在することによるものかを判断します。
  • 適切な治療の選択:血液培養によって菌の種類を明らかにし、その菌に最も効果的な抗生剤を選択します。

採血後、血液を培養ボトルに入れて数日間培養することで、菌が増殖しやすい環境を作ります。その結果、血液中の菌が特定され、治療計画の策定に役立てられます。

血液培養検査の手順と注意点

血液培養検査を正確に行うには、いくつかの重要なポイントを守る必要があります。以下にその手順と注意点を整理しました。

1. 抗菌薬投与前に採血する

1. 抗菌薬投与前に採血する

血液中の菌を正確に検出するためには、抗菌薬の投与前に採血を行うことが重要です。抗菌薬が投与されると、血液中に存在している菌が短時間で消失してしまうため、検査結果が正確でなくなる可能性があります。検査の目的を達成するためには、採血のタイミングを守ることが必須です。

2. コンタミネーションの防止

コンタミネーションとは、検査サンプルが外部からの細菌で汚染されることを意味します。私たちの皮膚には普段病原性を示さない細菌(常在菌)が存在しており、清潔な操作を行わないとこれらが検査結果に影響を与える可能性があります。

コンタミネーション防止のための具体的な対策
  • 採血部位の消毒:ポビドンヨードなどの消毒剤を用い、採血部位を入念に消毒します。
  • 手袋の着用:採血時には必ず手袋を着用し、清潔な状態を保ちます。
  • ボトルの消毒:培養ボトルのキャップを外した後は、アルコール綿を使ってしっかり消毒します。

これらの手順を守ることで、検査結果の精度を高めることができます。

3. 血液培養は2セット採取する

血液培養検査では、通常2セットの検体を採取します。それぞれのセットは、好気培養用の青色ボトルと嫌気培養用のオレンジ色ボトルで構成されています。

2セット採取が必要な理由
  • 検出感度の向上:血液中に菌が存在していても、1セットの検体では見逃される可能性があります。2セット採取することで、菌の検出感度は約93%にまで向上します。
  • コンタミネーションの確認:2セットの検体を比較することで、検査サンプルが汚染されているかどうかを判断できます。
採血部位を変える工夫

1セット目と2セット目は、異なる部位から採血することが推奨されています。例えば、1セット目を右腕から採血した場合、2セット目は左腕から採血するようにしましょう。このように部位を変えることで、コンタミネーションのリスクを低減できます。

4. 血液をボトルに注入する順番

4. 血液をボトルに注入する順番

採血した血液をボトルに注入する際には、嫌気ボトル(オレンジ色)から先に注入し、その後に好気ボトル(青色)へ注入する順序を守ります。

なぜ嫌気ボトルが先なのか?

嫌気性菌は酸素を嫌うため、最初に嫌気ボトルに血液を注ぐことで空気の混入を防ぎます。この手順を守ることで、菌の正確な培養が可能になります。

注入時の注意点

  • 適切な血液量を守る:ボトル内に10ml以上の血液が入ると、菌の増殖に必要な成分が薄まる可能性があります。
  • ボトル内の陰圧に注意:ボトルに血液を入れる際、陰圧により血液が勢いよく吸い込まれるため、過剰に血液を注入しないよう注意しましょう。

血液量が不足した場合の対応

2セット分の血液(約40ml)を採取できない場合には、好気培養用の青色ボトルを優先して血液を注ぎます。嫌気性菌による感染は全体の約5%程度と少なく、多くの菌は青色ボトルで培養可能であるためです。必要量を確保できない場合は医師に報告し、適切な判断を仰ぎましょう。

まとめ:正確な血液培養検査を行うために

血液培養検査を成功させるには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  1. 抗菌薬投与前に採血する。
  2. 清潔な操作を徹底し、コンタミネーションを防ぐ。
  3. 2セット採取を基本とし、採血部位を変える。
  4. 血液をボトルに注入する際は、嫌気ボトルから先に入れる。

血液培養検査は、感染症の原因を特定し、適切な治療を提供するための重要な手段です。正確な手順を守り、患者さんの回復につながる質の高い医療を実現しましょう。


この内容が、日々の臨床現場での検査業務や治療方針の決定に役立つことを願っています