【最新情報】体重が10%減ったら、その後、「がん」死亡リスクが急上昇:体型を維持する重要性

体重が10%以上減ったら要注意?

体重が10%以上減ったら要注意?

―最新研究が示す「体重減少」と死亡リスクの関係―

皆さんの体重は最近どうでしょうか。増えてきたという人もいれば、減ってきたという人もいるかもしれません。
ちなみに、私自身は少し体重が増えてきて、「そろそろダイエットしないと」と思っているところです。多くの人は、体重を減らしたいという理由から、運動や食事制限などに取り組んでいることでしょう。

しかし一方で、「特にダイエットをしているわけでもないのに、体重がどんどん減ってきた」という方はいませんか?
もしそうだとしたら、それはただの“体質の変化”ではないかもしれません。

今回は、「体重が10%以上減った場合に、その後どのような健康リスクがあるのか?」を調べた最新の研究結果をご紹介します。

体重減少と死亡率の関係を調べた大規模研究

体重減少と死亡率の関係を調べた大規模研究

2023年4月、医学誌『JAMA Network Open』に、体重の変化と死亡リスクの関係を明らかにした興味深い研究が報告されました。

対象となったのは、オーストラリアとアメリカに住む65歳以上の健康な高齢者約1万9000人
研究の参加時点では、心臓病やがんなどの慢性疾患がないことが条件とされていました。

研究チームは、開始から2年間にわたって参加者の体重変化を追跡し、

  • 体重が増えた人
  • 体重が減った人
  • 体重がほとんど変わらなかった人

の3つのグループに分類しました。そして、その後数年間におけるがんを含むあらゆる病気による死亡率との関連を分析しました。

驚くべき結果:体重が10%以上減ると死亡リスクが急上昇

研究の結果、体重の変化が健康に及ぼす影響は非常に大きいことが分かりました。

まず男性の結果を見てみましょう。
体重がほとんど変わらなかった男性に比べて、

  • 5〜10%体重が減った男性では、死亡リスクが33%増加
  • 10%以上体重が減った男性では、死亡リスクが289%増加(約4倍!)

という驚くべき数字が報告されています。

一方、女性の場合は、

  • 5〜10%減少で26%のリスク上昇
  • 10%以上減少で114%のリスク上昇(約2倍)

という結果でした。

つまり、男女ともに体重が大きく減った人ほど死亡率が高くなり、特に男性では4倍近い上昇がみられたのです。

興味深いことに、体重が増えた人では死亡リスクの上昇は確認されませんでした。
また、死亡原因を詳しく分析すると、体重が減った人の多くは、がんによる死亡が増加していたことも分かりました。

具体的には、10%以上体重が減った人では、

  • 男性でがんによる死亡率が3.5倍
  • 女性で2.8倍

に上昇していたということです。

「10%減る」とはどのくらいのこと?

ここで「体重が10%減る」とはどの程度なのか、イメージしてみましょう。

  • 体重50kgの人が45kgになる
  • 体重60kgの人が54kgになる
  • 体重40kgの人が36kgになる

という具合です。
つまり、短期間でこれほど体重が落ちている場合、食事制限などの意図的なダイエットをしていないのであれば、「何か体の中で異変が起きている」と考えた方が良いでしょう。

なぜ体重減少で死亡率が上がるのか?

なぜ体重減少で死亡率が上がるのか?

では、なぜ体重が大きく減ると、死亡率が上がるのでしょうか。
研究チームは、その背景には「重大な病気の早期サイン」が隠れている可能性を指摘しています。

たとえば、がんが発症している場合、病気の進行に伴って食欲が低下したり、栄養がうまく吸収されなくなることがあります。その結果、気づかないうちに体重が減少していくのです。

つまり、「体重減少そのものが病気を引き起こす」というよりも、体重減少は病気の初期サインである可能性が高いというわけです。

特に高齢者の場合、筋肉量の低下や栄養不足も同時に起こりやすく、免疫力の低下や体力の衰えが重なって、さまざまな病気にかかりやすくなってしまいます。

太りすぎ・痩せすぎ、どちらが危険?

では、普段から太っている人と痩せている人では、どちらが健康に悪いのでしょうか?

過去の日本の大規模研究によると、BMI(体格指数)と死亡率の関係は「U字型」を示していることがわかっています。
つまり、太りすぎても痩せすぎても死亡リスクが高くなるという結果です。

特に、がんによる死亡リスクに注目すると、男性では肥満よりもむしろ痩せている人のほうがリスクが高いことが報告されています。

これは、極端なダイエットや栄養不足により、体の防御機能が低下し、がん細胞を抑える免疫力が働きにくくなることも一因と考えられています。

そのため、少しふっくらしているくらいが、実は健康的で長生きにつながるという見方もあります。

体重が減ったときに気をつけたいこと

ここまでの研究結果を踏まえると、「意図しない体重減少」は見過ごしてはいけない重要なサインであることがわかります。

もし最近、ダイエットもしていないのに体重が減ってきていると感じたら、次のような点をチェックしてみましょう。

  1. 食欲の低下や味覚の変化がないか
  2. 疲れやすくなった、夜眠れないなどの体調変化がないか
  3. 咳、便通、出血など、気になる症状が続いていないか
  4. 2〜3か月のうちに5%以上体重が落ちていないか

これらに当てはまる場合は、早めに医療機関を受診し、血液検査や画像検査などで原因を確認することが大切です。

まとめ:体重減少は「体のサイン」

今回ご紹介した研究では、65歳以上の健康な高齢者でも、体重が10%以上減ると死亡リスクが2〜4倍に上昇するという衝撃的な結果が示されました。

もちろん、計画的なダイエットで適正体重に近づけることは健康に良いことです。
しかし、意図せず体重が減っていく場合は、「何か体の中で問題が起きているサイン」と考えましょう。

特に高齢者では、がんなどの重大な病気が隠れている可能性もあるため、早めの受診と原因の確認が何よりも重要です。

体重は、私たちの健康状態を映す“鏡”のようなものです。
毎日の食事や生活習慣を大切にしながら、体重の変化に気づくことが、病気の早期発見と健康寿命の延伸につながるのです。