今回は「ASDの強みの発見」をテーマに、思慮深さや慎重さがどのように活かせるかを詳しく解説します。ASDの特性を理解し、長所を伸ばすことで、充実した人生を歩むヒントを提供します。
ASD(自閉スペクトラム症)の方には、変化を嫌う傾向が見られます。同じことを繰り返すことで安心感を得られる一方で、新しいことに取り組む際に慎重になりすぎたり、必要以上に考え込んでしまうことがあります。
例えば、以下の特性に当てはまる方も多いのではないでしょうか:
これらの特性は、周囲から「考えすぎ」「仕事が遅い」などと評価されることもあります。しかし、これらは短所ではなく、立派な強みになる特性でもあるのです。

2018年、広島国際大学の古長治基教授が発表した研究によれば、ASDの方は「感謝」「謙虚」「思慮深さ・慎重さ」のスコアが高いという結果が出ています。一方で、定型発達の方は「感謝」「愛する力」「ユーモア」の順位が高い傾向があります。
古長教授の論文では、「思慮深さ・慎重さ」はリスクを避ける堅実な方法を好むことを示しており、仕事における正確さや信頼性にもつながる特性だとされています。これは、職場での重要な強みと言えます。
例えば、ある会社で手先を扱う作業が得意なASDの方、小林さん(仮名)の話をご紹介します。彼は慎重な性格で、常に確認や質問を行いながら作業を進めていました。結果として、ミスがほとんどなくなり、最終的にはスピードも上がり職場で欠かせない存在になりました。
また、調理関係の仕事をしていた吉田さん(仮名)は、抽象的な味付けの作業には苦手意識がありましたが、揚げ物を担当することでその強みが大いに活かされました。彼は毎回油の温度や揚げ時間を徹底管理し、マニュアルまで作成。職場で頼れる存在へと成長しました。

「百の欠点をなくすより一つの長所を伸ばせ」というフランス印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの言葉の通り、自分の強みにフォーカスすることが大切です。苦手なことを克服するよりも、得意なことを伸ばす方が効率的で、結果も大きくなります。
16歳の学生を対象にした速読訓練の研究では、速読が苦手だったグループは読む速度が2倍に向上しましたが、速読が得意だったグループはなんと8倍も速度が向上しました。この結果から、元から得意なことに時間を注ぐことの重要性が示されています。
思慮深さや慎重さは、環境に応じて活かし方が変わります。計画的に物事を進めたり、作業確認を怠らないことで、職場での信頼を得ることができます。自分の強みが発揮できる職場を見つけ、そこで生かす努力をすることが、真の意味での自己実現につながるのです。

最後に、「自分を変える努力」ではなく、「自分を活かす努力」をすることが大切です。自分の強みをしっかりと見つけ、その強みを活かせる職場や環境を選びましょう。そうすることで、自分にとっての最適な道が見つかり、楽しく充実した人生を送ることができるはずです。
皆さんがこの記事を通じて、自分の強みを再発見し、それを活かして前進できるよう心から願っています。最後までお読みいただきありがとうございました!