【注意】ただの貧血?と思ってたら「がん」若い人でも大腸癌のリスク10倍!

ただの貧血と思っていたら「がん」だった?

〜見逃してはいけない体からのサイン〜

健康診断や病院の血液検査で「貧血ですね」と言われたことがある方は多いのではないでしょうか。
しかし、「ちょっと鉄分が足りないだけ」「栄養を取れば大丈夫」と軽く考えてしまう人も少なくありません。
特に若い女性や普段元気な方ほど、貧血をそれほど深刻に受け止めない傾向があります。

ところが、この「貧血」、実は大腸がんなどの消化器の病気が隠れていることがあるのです。
今回は、そんな見逃されがちな貧血の裏に潜むリスクについて、最新の研究結果を交えてわかりやすくお話ししたいと思います。

■ 1. 貧血とは?どんなときに診断されるのか

まずは、貧血とはどんな状態かを簡単に説明しましょう。

血液の中には、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」という成分があります。
このヘモグロビンの量が少なくなると、全身に十分な酸素が行き渡らなくなり、疲れやすい・だるい・めまいがするなどの症状が出てきます。
これが「貧血」です。

血液検査の基準では、

  • 成人男性で13未満
  • 成人女性で12未満
  • 80歳以上では11未満
    のときに「貧血」と診断されます。

(単位の説明は省きますが、一般的な健康診断の結果表にもこの数値は記載されています。)

実際、貧血の人は決して珍しくありません。
女性ではおよそ10人に1人、特に月経がある年代の女性では5人に1人が貧血といわれています。
そして、その多くが「鉄分が不足するタイプ(鉄欠乏性貧血)」です。

鉄分が足りなくなる理由には、食事の偏り、月経による出血、胃や腸からの出血など、さまざまなものがあります。
この中で見逃してはいけないのが、「がんによる出血」です。
特に大腸にできたがんは、最初は自覚症状がほとんどないまま、少しずつ出血して貧血を起こすことがあります。
そのため、貧血は「がんのサイン」のひとつとしてとても重要なのです。

■ 2. 貧血と大腸がんの関係:リスクは10倍以上?

では、貧血がある人は、実際にどのくらいがんのリスクが高くなるのでしょうか?

2021年に医学雑誌「GUT」に掲載されたアメリカの研究があります。
この研究では、18〜49歳の若い世代を対象に、貧血のある人とない人を比べて5年間追跡しました。
また、便に血が混じる「血便」がある人とない人でも同様に比較を行いました。

その結果、5年間で大腸がんと診断された割合は次のようになりました。

  • 貧血がない人では 0.05%(2,000人に1人)
  • 貧血がある人では 0.45%(200人に1人)

つまり、貧血のある人は、ない人に比べて 10倍以上も大腸がんのリスクが高い という結果でした。
特に男性では、その差がより顕著だったそうです。
また、年齢が上がるほどリスクも増えていました。

さらに、便に血が混じる「血便」がある人も同じようにリスクが10倍ほど高くなっていました。
このことから、「貧血」は「血便」と同じくらい、大腸がんの危険サインとして見逃してはいけないものだとわかります。

つまり、たとえ若くても、「なんとなく貧血」と言われたときにそのまま放置してしまうと、大切なサインを見逃してしまう可能性があるということです。

■ 3. 貧血を指摘されたらどうすればいい?

■ 3. 貧血を指摘されたらどうすればいい?

では、健康診断などで貧血を指摘されたら、どんな対応をすればよいのでしょうか。

まず大切なのは、「再検査を受けること」です。
健診で貧血を指摘された場合は、医療機関で詳しい検査を行う「二次検査(精密検査)」の案内があるはずです。
それを放置せず、必ず受けるようにしてください。

また、案内がなかった場合でも、特に次のような人は、胃腸を専門とする病院やクリニックで一度相談することをおすすめします。

  • 食事に偏りがなく、鉄分をとっているのに貧血が続く
  • 便が黒っぽい、または血が混じっている
  • 疲れやすい、息切れがする
  • 月経がそれほど多くないのに貧血を指摘された

こうした場合、胃や腸のどこかから少量ずつ出血している可能性があります。
特に原因がはっきりしない鉄不足の場合は、大腸内視鏡検査(カメラの検査)を一度受けておくことが大切です。
早期の段階で発見できれば、治療はずっと軽くすみますし、命に関わることも防げます。

■ 4. 「貧血くらい」と思わないで

■ 4. 「貧血くらい」と思わないで

貧血というと、「女性に多い」「体質のせい」「鉄分が足りないだけ」と軽く扱われがちですが、実は体からの大切なSOSの可能性があります。
特に、年齢が若くても油断は禁物です。
実際、近年は50歳未満で発症する「若年性大腸がん」が増えており、食生活の変化やストレス、運動不足なども影響していると考えられています。

がんというと、激しい痛みや急な体重減少など、もっと明らかな症状を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、初期の段階では何の自覚もないことがほとんどです。
貧血や血便などのわずかな変化が、唯一のサインであることも珍しくありません。

「自分はまだ若いから大丈夫」
「貧血なんて昔から言われているし」
そう思っているうちに、病気が進行してしまうケースもあります。
ですから、もし貧血を指摘されたら、できるだけ早く原因を調べておくことをおすすめします。

■ 5. まとめ 〜小さなサインを見逃さない〜

■ 5. まとめ 〜小さなサインを見逃さない〜

最後にもう一度、今回のお話のポイントをまとめます。

  1. 貧血は、大腸がんなどのサインになることがある。
  2. 若い人でも、貧血があると大腸がんのリスクが10倍以上高くなる。
  3. 原因がはっきりしない貧血は、必ず医療機関で検査を受けること。
  4. 特に血便や黒っぽい便がある場合は、早めに内視鏡検査を。

そして、もう一つ大切なのは、「自分の体を過信しないこと」です。
体は常に小さなサインを出しています。
それを無視せず、少しでも気になる変化があれば早めに行動することが、健康を守るいちばんの近道です。

普段から、疲れやすい・顔色が悪い・立ちくらみがあるといった症状を「忙しいから仕方ない」と見過ごしていませんか?
もしかしたら、それは体からの大切なメッセージかもしれません。

「たかが貧血」と思わずに、一度しっかりと原因を確かめてみてください。
それが、あなたの未来の健康を守る第一歩になるはずです。