新人看護師から知っておきたい!腸閉塞とイレウスの違いについて説明できますか?

イレウスと腸閉塞の違い、治療、看護の基本知識

腸閉塞(イレウス)は、消化管の内容物が正常に移動できず詰まった状態を指します。その原因や治療法、看護のポイントについて理解することは、医療現場での適切な対応に欠かせません。本記事では、イレウスの基本から治療法、看護のポイントまでを詳しく解説します。

イレウスと腸閉塞の定義と分類

イレウスと腸閉塞の定義と分類

イレウスとは

腸内の内容物が消化管を正常に移動できない状態を指します。この状態は「通行止め」に例えられることが多く、内容物やガスが停滞することで、腹部膨満感や腹痛などの症状を引き起こします。

腸閉塞との違い

2015年の旧制度ガイドラインでは、機械的な閉塞を伴う状態を「腸閉塞」、機能的な問題によるものを「イレウス」と定義することが明確化されました。ここでは混乱を避けるため、すべてを「イレウス」として統一します。

イレウスの分類

イレウスは、主に以下の2種類に分類されます:

機械性イレウス

腸管内の物理的な閉塞により発生します。さらに以下の2種類に分けられます:

  • 単純性イレウス
    術後癒着や腫瘍などが原因。血流障害はなく、腹部に「金属音」と呼ばれる特徴的な音が聞かれる場合があります。
  • 複雑性イレウス(絞扼性イレウス)
    血流障害が伴い、腸管の壊死や穿孔のリスクが高い。緊急手術が必要となることが多い状態です。

機能性イレウス

腸管の動きが低下することで発生します:

  • 麻痺性イレウス
    術後などに腸の蠕動運動が低下することで起きる。腸音が減弱または消失します。
  • 痙攣性イレウス
    外傷や薬物中毒などが原因。腸管の痙攣により動きが阻害されます。

    症状と診断

    症状と診断

    主な症状

    • 腹部膨満感、腹痛
    • 便秘、ガスが排出されない
    • 吐き気や嘔吐

    特徴的な所見

    • 二ボー像:画像診断で、腸内の液体とガスが分離した「水面像」を確認。
    • 腹膜炎の兆候(複雑性イレウスの場合):
      • 板状硬(筋性防御)
      • 反跳痛(ブルンベルグ徴候)

    これらの所見がある場合、腹膜炎や敗血症の可能性があり、速やかな対応が必要です。

    治療法

    1. 保存的治療
      • 絶飲食、点滴治療
      • 抗生剤の投与
      • イレウスチューブ:腸の減圧を行う。鼻や肛門から挿入し、内容物やガスを吸引します。
    2. 手術的治療
      • 複雑性イレウスや保存的治療が効果を示さない場合に適応。
      • 壊死した腸管の切除や癒着の解除を行います。

    イレウスチューブの管理と看護

    挿入と管理

    • 種類:経鼻タイプと経肛門タイプがあります。挿入は透視や内視鏡下で行われ、場合によっては鎮痛薬が用いられます。
    • 吸引設定:吸引圧は5〜15 cmH2O、持続時間30秒、休止時間30秒を目安に調整。過度な吸引は穿孔リスクを高めます。

    看護のポイント

    1. 皮膚ケア
      チューブ固定部位の皮膚を保護材で保護し、定期的に観察して潰瘍を予防します。
    2. 脱水と電解質異常への注意
      排液量を観察し、脱水や電解質異常を早期に発見。必要に応じて輸液を行います。
    3. 腸の動きの促進
      安静度に制限がなければ、患者に適度な運動を促します。
    4. 食事再開の目安
      排液量の減少を確認し、医師の指示のもとで経口摂取を再開。

    まとめ

    イレウスと腸閉塞の違いを理解し、それぞれの病態に応じた治療と看護を行うことが重要です。特に、複雑性イレウスでは早期対応が生命を救う鍵となります。イレウスチューブの適切な管理や患者への細やかなケアを通じて、患者の苦痛を和らげるとともに、合併症を未然に防ぎましょう。