【危険です!】「がん」で血管がつまったらこうなる!癌患者の死亡率が〇〇倍に跳ね上がる「深部静脈血栓症」の症状と予防法

「がん」で血管が詰まったらこうなる!

今回は、「がん」によって血管が詰まってしまったとき、体の中で何が起こるのか、そしてそれがどれほど危険なのかについてお話ししたいと思います。

血管が詰まるとはどういうこと?

「血管が詰まる」とは、体の中を流れる血液の通り道に“血のかたまり(血栓)”ができて、血の流れをせき止めてしまうことをいいます。
とくに、足の奥深くにある太い血管に血のかたまりができることを「深部静脈血栓症」と呼びます。

実は、この血栓はがんのある人にとてもできやすいことが知られています。
健康な人に比べて、がんのある人ではそのリスクがおよそ5倍にもなるといわれています。つまり、がんになると血が固まりやすくなり、それが血管をふさいでしまう危険が高まるのです。

また、血栓ができやすいがんの種類もあります。
たとえば、すい臓のがんでは一般の人の約10倍、肝臓がんで約7倍、卵巣がんで約6倍、肺がんで約5倍、子宮頸がんで約5倍と報告されています。
このように、特定のがんでは特に注意が必要です。

なぜ血栓が怖いのか?

なぜ血栓が怖いのか?

血栓が足の血管にできたとしても、最初はそれほど自覚症状がないことがあります。
しかし問題は、その血のかたまりが血液の流れに乗って体の中を移動してしまうことです。

もしその血栓が肺の血管まで流れついてしまうと、「肺塞栓(はいそくせん)」という危険な状態になります。
これは、肺に酸素を送る大事な血管が詰まってしまうことで、突然の息苦しさや胸の痛みを引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともある恐ろしい病気です。

新しい研究でわかったこと

新しい研究でわかったこと

2023年に発表されたヨーロッパでの大規模な研究では、がんと血栓の関係についてさらに詳しいことが明らかになりました。
この研究では、14万人以上を10年以上にわたって追跡調査したところ、1万4千人ががんを発症していました。
その中で、およそ1200人ががんに加えて血栓を合併していたそうです。

研究チームは、
①がんも血栓もない人
②がんはあるが血栓はない人
③がんも血栓もある人
という3つのグループに分けて、生存期間を比べました。

その結果は衝撃的でした。
がんと血栓の両方がある人は、がんも血栓もない人に比べて、亡くなるリスクがなんと25倍にも高くなっていたのです。
また、がんがあるだけの人と比べても、血栓を合併しているとそのリスクは3倍以上に上昇していました。

さらに、がんの種類別に見ると、すい臓がんで血栓を伴う場合の死亡リスクは、なんと150倍。
次いで肺がんがおよそ100倍、卵巣がんでは15倍と報告されています。
つまり、がんに加えて血管が詰まってしまうと、命にかかわる危険が一気に高まるということです。

血栓を早く見つけるには?

では、このような血栓を早い段階で見つけるにはどうすればよいのでしょうか。

実際のところ、血栓ができても初期にはほとんど症状が出ないことも多いです。
しかし、血の流れが悪くなることで、足がむくんだり、重たく感じたり、痛みや熱っぽさが出てくる場合があります。
また、足の一部が赤く腫れることもあります。

こうした症状が少しでもあるときは、自己判断せずに必ず主治医に相談してください。
血液検査や超音波の検査で、血管の中に血栓ができていないかを確かめることができます。
早期に見つけて適切な治療を受ければ、命を脅かす肺塞栓のような重大な合併症を防ぐことが可能です。

普段からできる予防法

がんの治療中は、体を動かす時間が減ったり、血の流れが悪くなったりしやすくなります。
そのため、日常生活の中で血栓を防ぐための工夫がとても大切です。

まず心がけたいのは、「長時間同じ姿勢でいないこと」です。
デスクワークや長時間の移動中など、ずっと座ったままになりがちな時は、1時間に1回は立ち上がって足を動かすようにしましょう。
足首を曲げ伸ばししたり、軽く歩いたりするだけでも、血液の流れを助ける効果があります。

また、これから暑くなる季節は「水分補給」も重要です。
水分が不足すると血液がドロドロになりやすく、血のかたまりができやすくなります。
のどが渇く前に、こまめに水を飲むようにしましょう。

体調が許す範囲で、軽いストレッチやウォーキングなどの運動を習慣にするのもおすすめです。
体を動かすことで血液が全身に循環し、血栓ができにくくなります。

まとめ

まとめ

がんにかかると、体の中で血液の流れや性質にも変化が起こります。
その結果、血のかたまりができやすくなり、血管が詰まってしまうことがあります。
一見、がんとは関係なさそうに見える血栓ですが、実は命にかかわる大きなリスクなのです。

とくに、すい臓がんや肺がん、卵巣がんなどでは、血栓が合併することで死亡率が大幅に上がることが研究でもわかっています。
だからこそ、少しのむくみや痛みでも「疲れのせい」と思わず、早めに医師に相談することが大切です。

早期発見と日ごろの予防で、多くの場合は深刻な事態を防ぐことができます。
体からの小さなサインを見逃さず、無理のない範囲で体を動かし、水分をとって血の流れを保つことを意識してみてください。

がんとともに生きる上で、こうした小さな習慣が、命を守る大きな力になります。
「がんで血管が詰まるとこうなる」――その怖さを知ったうえで、今日からできる予防を少しずつ始めていきましょう。