【放置はキケン】意外な「がん」のサイン3つ

【放置はキケン】意外な「がん」のサイン3つ

「がんのサイン」と聞くと、出血、しこり、痛みなど、明らかに体の異常を感じる症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし実際には、がんは必ずしも分かりやすい症状だけで現れるとは限りません。
中には「まさか、こんな症状が?」と思うような、意外なサインから見つかることもあるのです。

今回は、放置してはいけない“意外ながんのサイン”を3つ取り上げて、どのような仕組みで起こるのか、またどんなときに病院を受診すべきかを解説します。

1. 声のかすれ ― 長引くときはのどの奥のサインかも

1. 声のかすれ ― 長引くときはのどの奥のサインかも

風邪をひいた後や、カラオケで大声を出した翌日に声がかすれることは珍しくありません。通常は数日から1週間ほどで自然に治るため、あまり気にしない方が多いでしょう。
しかし、声のかすれが2週間以上続く、あるいは徐々に悪化している場合には注意が必要です。

実は、こうした声のかすれは甲状腺がん・食道がん・肺がんなどのサインであることがあります。これらのがんが「反回神経」と呼ばれる声帯を動かす神経を圧迫したり、巻き込んだりすることで、声帯がうまく動かなくなり、声がかすれるのです。

この神経はのどの奥から胸の中を通って走行しているため、首や胸の中にある腫瘍の影響を受けやすい構造をしています。そのため、のどだけでなく胸部のがんでも声がかすれることがあるのです。

また、声のかすれ以外にも

  • 飲み込むときにむせる
  • のどの痛みや違和感が続く
  • 声の高さが出にくくなる

といった症状がある場合も注意が必要です。
原因がはっきりしないまま声が戻らない場合は、耳鼻咽喉科または内科を受診しましょう。早期発見ができれば、治療の選択肢も大きく広がります。

2. ひどい寝汗 ― シーツがびっしょり濡れるようなら要注意

「寝ている間に少し汗をかくのは普通のこと」と思われるかもしれませんが、シーツやパジャマを替えなければならないほど大量の寝汗をかく場合は、病気のサインである可能性があります。

とくに注意したいのが、悪性リンパ腫白血病といった血液のがんです。これらの病気では、「寝汗」「発熱」「体重減少」が同時に見られることがあり、この3つをあわせて「B症状」と呼びます。
この症状があると、リンパ腫の診断において重要な手がかりとなります。

なぜがんで寝汗が出るのか――その理由は完全には解明されていませんが、腫瘍細胞が体の中で「炎症を引き起こす物質(サイトカイン)」を分泌することで、体温が上がりやすくなり、結果として寝汗をかくと考えられています。

特に、次のような場合には一度医療機関を受診してください。

  • 室温が適切でも大量の寝汗が続く
  • 発熱や倦怠感を伴う
  • 首やわきの下、足の付け根のリンパ節が腫れている
  • 理由もなく体重が減ってきた

寝汗は生活習慣や更年期、感染症などでも起こるため、すぐにがんを疑う必要はありません。
ただし、「おかしい」と感じたら一度検査しておくことが、重い病気を早期に見つけるきっかけになります。

3. うつ症状 ― がんの“前ぶれ”として現れることも

「うつ症状ががんのサイン?」と思われる方も多いかもしれません。
確かに、がんと診断された後にショックを受けて、気持ちが落ち込む方は少なくありません。
しかし実は、がんと診断される前からうつ症状が出ている人がいるという研究結果が報告されています。

2018年に医学誌『Pancreas』に掲載された論文によると、すい臓がん患者のおよそ30〜50%が、がんと診断される以前にうつや不安、食欲不振、倦怠感などの精神的症状を感じていたといいます。
また、30万人以上のがん患者を対象にした別の大規模研究では、がんと診断される約10か月前から、うつ病などの精神疾患の診断が増え始めるという傾向も確認されました。

特にこの現象はすい臓がんで多く報告されていますが、他のがんでも起こることがあります。
なぜがんでうつ症状が出るのかは完全には解明されていませんが、有力な説としてがんに伴う炎症反応が関係していると考えられています。

がん細胞は、体の中で炎症を引き起こし、炎症性サイトカインという物質を分泌します。
この物質が血液を通じて脳に作用し、視床下部という部分に影響を与えることで、気分の落ち込みや意欲の低下、睡眠障害、食欲不振などのうつ症状が出るのではないかと考えられています。

つまり、「気分が沈む」「何をしてもやる気が出ない」「食欲が落ちた」といった状態が、単なる心の不調ではなく、体の中の病気が関係している場合もあるのです。

もちろん、うつ症状のほとんどはストレスや環境要因などによるものですが、長引く・体調変化を伴う場合は内科的な原因も調べておくことをおすすめします。

放置せず、早めの受診を

今回紹介した3つのサイン ―

  1. 長引く声のかすれ
  2. 大量の寝汗
  3. 理由のないうつ症状

これらは一見、がんとは関係なさそうに思えますが、実際には重要な早期サインとなることがあります。
もちろん、すべてががんに結びつくわけではありません。多くの場合は一時的な体調変化や良性の原因によるものです。
それでも、「いつもと違う」「何か変だ」と感じたら、放置せずに医療機関を受診することが大切です。

がんは、早期に見つかれば見つかるほど治療の選択肢が広がり、完治の可能性も高まります。
「たかが声のかすれ」「寝汗くらいで」と軽く考えず、少しでも異変を感じたら、まずはかかりつけ医に相談しましょう。必要に応じて専門医への紹介も受けられます。

まとめ ― 「小さな違和感」を見逃さないことが命を守る

まとめ ― 「小さな違和感」を見逃さないことが命を守る

がんは、必ずしも痛みや出血といった“わかりやすいサイン”で現れるわけではありません。
体のどこかで静かに進行していても、日常の中の小さな変化として姿を現すことがあります。
今回紹介したような「意外ながんのサイン」を知っておくことで、いざというときにいち早く異変に気づくことができるでしょう。

声がかすれる、寝汗が続く、気分が沈む――。
そんな「小さな違和感」が、あなたの体からの重要なメッセージかもしれません。
「おかしいな」と感じたら、ためらわずに医師に相談することが、命を守る第一歩です。