冠動脈バイパス術(Coronary Artery Bypass Grafting; CABG)は、狭窄や閉塞した冠動脈をバイパスし、心筋への血流を改善することを目的とした外科的治療です。この手術は、心筋梗塞や狭心症といった重篤な冠動脈疾患に対して行われます。しかし、患者さんの負担が大きい手術であり、術後に合併症が発生するリスクが高いため、十分な管理が求められます。
本記事では、CABG術後に注意すべき合併症を3つに絞り、それぞれの特徴と対応策について解説します。

CABGは、患者自身の血管を採取してバイパスを作成することで、狭窄や閉塞した冠動脈を迂回する手術です。この治療法は、以下のような病態に適応されます。
適応疾患

手術中は心臓の動きを停止させる場合があり、その際に人工心肺を使用して全身の循環を維持します。しかし、人工心肺や手術操作そのものが患者さんに多大な負担を与え、術後の合併症リスクを高める要因となります。

CABG術後の代表的な合併症として、以下の3つが挙げられます。
術後出血はCABG術後によく見られる合併症の一つであり、その要因として以下が挙げられます。
出血管理のポイント
CABG術後の不整脈も頻発する合併症です。特に心房細動(AF)は、術後18時間以内や2–3日目に起こりやすいとされています。
要因
低カリウム血症は特に注意が必要で、手術中の低体温管理や利尿薬、インスリン製剤の使用が原因となることが多いです。ICU入室時には約30%の患者さんが低カリウム血症に陥っているとされています。
不整脈管理のポイント
低心拍出量症候群は、心機能が低下して全身への十分な血液循環が維持できない状態を指します。
要因
低心拍出量症候群が発生すると、末梢冷感、チアノーゼ、尿量減少、血圧低下などの症状が現れます。さらに重篤な場合にはショック状態に陥ることもあります。
管理のポイント
CABG術後にはさまざまな合併症が発生する可能性がありますが、特に以下の3つが注意すべきポイントです。
これらの合併症は患者さんの生命に関わる重大なリスクとなるため、医師の指示のもと、看護師が適切なケアと早期発見に努めることが重要です。術後管理を徹底し、患者さんが安全に社会復帰できるよう、医療チーム全体でサポートしていきましょう。