皆さんは、朝ごはんを毎日しっかり食べていますか?
それとも、「朝は忙しくて時間がない」「食欲がわかない」といった理由で、朝食を抜いてしまうことが多いでしょうか。
朝食は一日のスタートを切る大切な食事です。
夜のあいだに使われたエネルギーを補い、体や脳を活動モードに切り替えるためのスイッチのような役割を果たしています。
昔から「朝食を抜くと体に良くない」と言われますが、実際に健康や寿命、さらには“がんのリスク”にまで関係があるとしたら、少し気になりますよね。
今回は、「朝食を抜くこと」と「がんのリスク」との関係について、最新の研究結果を交えてお話ししていきます。

これまでのさまざまな研究から、朝食を抜くことには次のような悪影響が報告されています。
そして、さらに注目されているのが「早死にのリスクが高まる」という報告です。
実際に、朝食をとらない人は毎日きちんと食べている人に比べて、すべての原因による死亡のリスクが高くなるという結果がいくつもの研究で示されています。
では、「がん」との関係はどうなのでしょうか。
これについては、これまであまり詳しい研究が行われてきませんでした。
そんななか、最近になって興味深い研究結果が発表されました。
2021年にアメリカの研究チームが発表した調査では、40歳以上の男女7,000人を、なんと22年間にわたって追跡しました。
朝食をどのくらいの頻度で食べているかを聞き取り、健康状態や亡くなった原因との関係を詳しく分析しています。
その結果、全体のうち約6割の人は「毎日朝食を食べている」と答えました。
一方、「ときどき食べる(週末だけなど)」人が23%、そして「ほとんど食べない」人が16%でした。
また、朝食を抜く人にはある共通点がみられました。
年齢が比較的若く、喫煙している人が多く、運動不足で太り気味の人が多かったのです。
つまり、朝食を食べない人には「不健康な生活習慣」が重なっている傾向があったということです。
研究チームは、そうした生活習慣の違いをすべて考慮に入れたうえで、朝食だけの影響を調べました。
その結果――
という結果が出たのです。
つまり、毎日きちんと朝食を食べている人に比べると、朝食を抜いている人は“がんによる死亡リスク”も“全体の死亡リスク”も高かったということになります。
もちろん、この研究は「朝食を抜くと必ずがんになる」ということを意味するものではありません。
けれども、朝食をとらない人ほど、体調管理が難しくなり、長い目で見ると健康を損ないやすい可能性があるということは間違いなさそうです。

同じような研究が日本人を対象にも行われています。
こちらの結果では、「朝食を抜くこと」と「がんによる死亡リスク」の関係ははっきりしませんでした。
しかし、がんを含むすべての死因を合わせると、朝食を抜く人の死亡リスクは 30~40%ほど高い という結果が出ています。
つまり、がんに限らず、「朝食を抜かないこと」は長生きするための基本的な生活習慣の一つだといえるでしょう。
毎日朝食を食べることが大事だとわかっても、内容が偏っていては意味がありません。
たとえば、菓子パンや砂糖入りの缶コーヒー、フルーツ缶などだけの朝食では、糖分が多く栄養のバランスを崩してしまいます。
こうした「甘いだけの朝食」は、血糖値の急上昇を招き、体に余分な負担をかけてしまうことがあります。
では、理想的な朝食とはどのようなものでしょうか。
おすすめは、やはり日本の伝統的な「和食」の朝ごはんです。
たとえば、次のような組み合わせです。
このように、主食・主菜・副菜のバランスをとることで、エネルギーと栄養が自然に整います。
また、朝から温かいものをとることで体が目覚め、代謝が活発になります。
その日の集中力や気分にも良い影響を与えてくれるでしょう。

朝食を抜く人のなかには、「夜遅くまで仕事をして朝食をとる時間がない」「ダイエットのために食べない」という方もいると思います。
しかし、朝食を抜くことが結果的に健康を損ない、長期的に見るとがんや生活習慣病のリスクを高める可能性があることを考えると、やはり一日の始まりにエネルギーをしっかり補給することは大切です。
最初は簡単なもので構いません。
おにぎり一つと味噌汁、あるいはバナナとヨーグルトでも良いでしょう。
「朝食を食べる」という行為自体が、生活リズムを整え、心と体を安定させる第一歩になります。
「朝食を食べるか食べないか」――それは小さな選択に見えるかもしれませんが、積み重ねることで健康寿命に大きな差を生みます。
明日の朝から、少し早起きをして、温かい味噌汁とごはんをゆっくり味わってみませんか?
その一杯が、あなたの未来の健康を守る第一歩になるかもしれません。